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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

有限会社ネットワーク経営研究所代表取締役 山本哲史さん/経営コンサルタントを脱皮し、事業家としてチャレンジする

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

【第2回】できることを一生懸命やるのが営業活動

取材日:2012年2月10日

運よく、独立初年度から目安とされる年収があったという山本さんは、診断士登録から20年目となります。診断士資格は、「取っても食えない」と揶揄されがちですが、独立後に稼いでいくことは十分に可能です。しかし、(社)中小企業診断協会が実施したアンケートでは、独立しない理由のトップに「受注機会の確保」、「収入の不安定さ」が挙がっています。山本さんが初年度から目安の年収を実現できた秘訣をうかがいました。

独立初年度から目安とされる年収を稼げた理由

― 先ほど、独立当初から目安とされる年収を稼いでいたというお話がありましたが、顧客開拓はどうされたのですか。

指導風景
指導風景

私の例は、どちらかと言えばダメな例ですよ。独立したのも、はっきり言って勢いでしたから。子どももいたのに、次の仕事もなく、妻に「どうするのよ?」と心配をかけましたしね。ただ、独立前に(社)中小企業診断協会でさまざまな活動をしていたこともあり、先輩診断士の方をはじめ、仕事を紹介していただきました。お話がきた仕事は絶対に断らず、がむしゃらにやっていたら、そこそこ稼げてしまったんです。

― 中には、こうした方法で仕事を紹介していただくことに、抵抗を感じる人もいらっしゃるようです。

人それぞれだと思いますが、私の場合、診断士登録をして東京支部中央支会に入り、「手伝え」と言われたことは全部やりました。そのときの頑張りを先輩診断士の方が見ていて、執筆や受験機関のテキスト作成等、サラリーマン時代からちょこちょこ仕事をさせてもらっていました。30代や40代の若手で独立するなら、やはり人脈はほしいですね。

― 顧客開拓はどのようにされていたのですか。

これも紹介ですね。まずは目の前の仕事を懸命にやり、成果を出すことが大切です。さまざまなことを言う人はいますが、極端なことをいえば、お客様が満足する結果が出れば、どんなやり方だっていいんです。

私の場合は、プロジェクト単位で受注し、自分がかかわったことの成果を必ず測定できるようにしていました。そして、プロジェクト終了時に新しい提案をする。「社長をおさえれば大丈夫」と言う人もいますが、私は現場に必要とされなければ意味はないと思っています。現場から来てほしいという強い要望があれば、仕事になるのです。だから、関係のできた取引先とのお付き合いは長いですよ。あらためて顧客開拓という活動はしていませんが、お客様が知りたいことをお伝えする「提案力」は大切ですね。

若手が独立する際に気をつけること

― 若手で独立を考えている人に必要なことは、何でしょうか。

「素直さ」と「誠実さ」ですね。どんなことでも、一生懸命にやることです。「専門分野をつくる」といったことも言われますが、自分ができることをやることが最初でしょう。

紹介していただいたら、1年間は徹底的にやって信頼関係をつくることが大切です。「生活費は1年分必要」とも言われますが、私は、貯金ゼロでもやれる気概さえあれば独立してよいと思っています。一生懸命やっていれば、必ずそれを見ている方から紹介があります。それを徹底してやり、いただいたご恩はお返しする、という考え方ですね。

― 仕事を受け過ぎて、パンクする恐れもありますが。

嬉しい悲鳴を事前に心配するほど、愚かなことはありません。紹介は絶対に断らない。寝ずにやってもよいし、人を使うという方法もある。紹介してくださる方は、自分もリスクを冒して依頼をくださるのですから、大切にしなければなりません。断るということは、紹介を安易に捉えるということですので、自然と悪い運が回ってきます。紹介された案件を大切にして、次にどうつなげるかを考えることが大切です。

― その紹介を受けるためにも、人脈が大切だということですね。

そうです。(社)中小企業診断協会でさまざまな活動をするだけでなく、自分自身で人的なネットワークをつくっていくことが営業の基本です。たとえば私は、10年以上継続して、異業種交流勉強会を運営しています。クライアント候補に直接営業をかけるということではなく、自分を信頼して紹介や依頼をくださる人をどれだけ増やせるかという、攻めの姿勢が必要ですね。単に、組織に所属して活動していれば人脈ができるとは、考えないでほしいと思います。

(つづく)

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プロフィール・会社概要

山本 哲史(やまもと てつし)
1960年山口県生まれ。関西学院大学経済学部卒業。製造業で営業、システム開発関係業務、金融業で営業、営業管理に従事後、経営コンサルタントとして独立開業。平成12年、有限会社ネットワーク経営研究所を東京都内に設立し、同社代表取締役に就任。中小企業診断士(平成5年情報部門登録)。IT、戦略展開による経営革新を専門に活動後、人材開発系にシフトし、人材力強化を主眼に各種の経営革新指導を行う。特定非営利活動法人社会起業ネットワーク理事長、一般社団法人グローバルリーダー協会専務理事。専門分野は、経営戦略/事業戦略構築支援、マーケティング戦略/営業・事業展開支援、戦略的IT利活用構築支援、次世代リーダー・マネジャー・後継者・起業家育成等人材育成支援。一人ひとりに親身に指導、アドバイス、育成を行うことにこだわる。平成22年からは、障がい者授産施設の現場改善に、父親としての経験を活かした「工賃向上診断士」として取り組む。また、新規事業開発や創業支援にも積極的に取り組み、コンサルタントとしてだけでなく、事業家としての活動も開始している。

会社名 有限会社ネットワーク経営研究所
設立 2000年6月1日
代表取締役 山本哲史
所在地 東京オフィス 東京都港区浜松町1-10-13福岡ビル3F
山口オフィス 山口市小郡上郷1232-45
ホームページ http://www.nwkeiei.jp/