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中小企業診断士の関連資格を取得した人・しなかった人

取材・文:喜安 英伸(中小企業診断士)片平 智之(中小企業診断士)

【第2回】関連資格取得のメリット・デメリット

2018年3月13日更新(取材日:2017年11月8日)

本企画では、診断士試験対策として、関連資格を取得した人としなかった人にお集まりいただき、座談会を開催しています。第2回は、関連資格の取得あるいはその勉強によるメリット・デメリットについて伺いました。

関連資格の勉強に取り組むメリット

司会:関連資格の勉強に取り組まれるメリットには、どのようなものがありますか?

太田氏
太田氏

浅葉:私の場合は2次試験対策でしたので、財務・会計の根本理解のための土台づくりに役立ちました。財務分析論述のような未経験の領域は、予備校の勉強だけではなかなか理解しきれませんでしたので。

特に2次試験では応用問題が出されます。「ビジネス会計検定」の勉強は、会計の基本的な仕組みを理解し、応用に備えるメリットがありました。結局、受検はしませんでしたが、勉強をする習慣や診断士試験へのモチベーションの維持にもつながりましたね。

太田:私は、勉強期間を考えると診断士試験に集中したかったため、予定していた関連資格の取得を放棄しました。しかし、「情報処理技術者」など保有していた資格の知識が役立ったことに間違いはありません。事前に関連資格を取得した経験が、診断士試験における勉強方法の立案にも役立ちました。

森本:私も「簿記」を中心に財務関連の資格を持っていたため、財務面ではあまり苦労はしませんでした。「財務を制する者は試験を制する」といわれるほど、1次試験・2次試験ともに関連性の強い科目ですので、特に財務・会計の未経験者は、簿記3級、2級程度は取得されたほうが良いかと思います。

堀:私は、診断士試験の受験時期を考えて、前年を含め、それまでに科目ごとの的確なマスターを心がけました。前回述べたとおり、私は「ビジネス実務法務検定3級」、インターネット検定「ドットコムマスター」を取得しましたが、長い診断士試験の勉強過程において、特定の科目を特定の期間にピンポイントでマスターする上で、良いタイムキーパーになったと思います。また、テキストだけでは理解できなかった部分を体系的に学べたため、1次試験をミスなく通過できました。

関連資格の勉強に取り組むデメリット

司会:一方で、デメリットについてのお考えもお聞かせください。

森本氏
森本氏

浅葉:デメリットは、関連資格を手当たりしだいに勉強してしまうと、診断士試験の範囲とは異なる勉強もすることになってしまうことです。たとえば、「財務・会計の勉強といえば簿記」という安易な発想で手をつけてしまうと危険だと思います。自分の理解できていない内容が簿記の領域以外の可能性もあるからです。

森本:簿記についていえば、2級まではデメリットはないと思いますが、1級まで目指そうとすると、診断士試験の範囲を超えてしまいます。関連資格だからといってすべてに取り組むことはお勧めしません。

堀:デメリットはあると思います。たとえば、私が取り組んだ「ドットコムマスター」資格は、ネットワーク領域の専門度が高い印象で、診断士試験の「経営情報システム」とは深さが異なると感じました。診断士試験と重ならない領域や重なる領域でも深さを見極めないと時間のロスにつながるケースがありますので、その点は注意が必要だと思います。また、「PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)」のように受験勉強自体が大変なものは、診断士試験の勉強をする上で負担にならないか、十分に注意が必要です。

太田:デメリットの1つは、関連資格の勉強に長時間を要することです。関連資格の勉強をする分、診断士試験の勉強時間が減るため、大きなタイムロスにつながると思います。

もう1つのデメリットは、関連資格を勉強しすぎると、診断士試験の点数が落ちてしまう可能性があることです。さまざまな資格の勉強をして知識量が増えたために、結果として誤った選択肢を選んでしまう場合もあるのではないかと思います。

森本:たしかにそうですね。他の資格試験と診断士試験では、用語の定義が異なる場合もありますので、関連資格に取り組むことで迷いが生じる可能性はあると思います。特に1次試験は、選択式でどちらかを選ばないといけませんので、難しいですね。

第2回を終えて

関連資格の勉強に取り組むメリットとして、弱点科目の補完、モチベーションの維持、計画立案の指標などのキーワードが出てきました。一方でデメリットとして、試験範囲外の学習でオーバースタディになったり、知りすぎて解答選択時に迷いが生じたりする可能性も潜んでいました。次回はそれらを踏まえ、受験生の皆さんへの総合的なアドバイスを伺います。

(つづく)

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