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受験勉強中に転職または独立をした中小企業診断士―柳田 有香さん

取材・文:【第1回】廣瀬 達也(中小企業診断士)・【第2回】横山 信明(中小企業診断士)

【第2回】合格後に広がる世界

2017年7月19日更新(取材日:2017年4月16日)

診断士試験の受験勉強中に転職をされた柳田さんに、第1回では仕事の内容と、転職および受験のきっかけを伺いました。第2回は、受験勉強について具体的に伺うとともに、受験生へのメッセージもいただきました。

強い決意で勝ち取った合格

―1次試験の勉強はどのように進められましたか?

予備校に通学しました。私が受験を決意したのは2012年9月で、「心機一転、何かを始めたいな」と思い、予備校に入学しました。
1次試験は絶対評価で、「自分がどれだけ勉強に取り組んだかで合否が決まる」と思っていましたので、「絶対に落ちたら嫌だ」と強く思い続けていました。それが合格につながったと思っています。

―では、2次試験の勉強法についてもお聞かせください。

通学と並行して勉強会にも参加しました。その勉強会で仲間ができ、「自分だけ落ちるのはカッコ悪い」という気持ちを持てたことがモチベーションになりました。
しかし、1回目の2次試験は不合格でした。各科目の判定が予想以上に悪く、相当落ち込んだのですが、その後、転職活動に入ったために勉強を一度中断し、2014年5月から勉強を再開しました。5月後半、前職の退職直前に有給休暇を取得できたため、その期間はDVD講座を集中的に受講しました。

―受験生のうちに転職して良かったこと、あるいは大変だったことはありますか?

転職活動に及ぼした影響と、転職後の受験勉強に及ぼした影響とがあります。
1次試験に合格し、2次試験の勉強中であることは、転職活動の面接などで伝えていました。採用された現在の会社では、そのことが支店長の印象に残り、採用の一因となったようです。
採用試験では、普段の営業とは違う企業の顔を見ることができると思い、さまざまな業種・職種を受験しました。診断士受験をしていることは、コンサル系の企業では概ね好反応でしたが、事務職で受験した企業から、「中小企業診断士を目指しているということは、事務ではなく、総務や人事労務などの管理業務を志望でしょうか」といった反応を受けたこともあります。
転職後は、入社直後で仕事もそれほど多くなかったため、2次試験を受ける秋までは、ほとんど残業をせずに退社することができました。ただ、勉強時間を確保できた分、「不合格の報告はできない」というプレッシャーを感じ、このプレッシャーが逆に良い刺激になったと思っています。

「中小企業診断士登録後は、思った以上に広い世界が待っています」

―合格後、生活に変化はありましたか?

社内では、イベント開催時にトラブルが起きた際、時間などさまざまな制約がある中で、最良の手段や工程を導き出して解決することが求められます。最良の選択をし、被害がもっとも小さい方法で解決できたときには、充実感があります。このように、現場で起きた問題に対して課題を見つけ、解決方法を考えることには、診断士試験の受験勉強で学んだ論理的思考などの知識が活かされていると思います。
社外では、大阪府中小企業診断協会の「知的資産経営研究会」に出会えたことが大きいです。知的資産経営の支援手法は「悪いところを探して正す」のではなく、「強みを見える化して伸ばす」というポジティブなものです。また、経営者に対して「指導をする」のではなく、「経営者自身に気づいてもらい、自発的に改善に向かう」というカウンセラー的な役割を担う手法であるところも、自分に合っている気がしますね。

―診断士資格を今後のキャリアにどのように活かしていこうとお考えですか?

ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源の中で、私は内部資源であるヒトを活かすことに非常に関心を持っています。いまは企業内にいますので、企業内でできる経験として「人材育成」に興味があります。中小企業診断士としての「人材育成」の知識やスキルを活かしていきたいのです。振り返ると、受験勉強中に「人材」への関心が芽生えたことが、転職の際にいまの会社を選んだ一因かもしれません。

―最後に、これから中小企業診断士を目指す方へ、アドバイスをお願いします。

中小企業診断士登録後は、思った以上に広い世界が待っています。転職をされるのであれば、登録後のことまで考えておくことが理想ですが、登録後に活動をするのでも遅くはないと思います。勉強を通じて会社のことがわかれば、選択肢も広がります。中小企業診断士は、自分のやりたいことに近づける可能性が増える資格です。ぜひ頑張ってください

(おわり)

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プロフィール

柳田 有香さん

柳田 有香(やなぎだ ゆか)
中小企業診断士(2015年登録)。大学卒業後、主に画材や文具の小売・卸の会社勤務を経て、現在は人材採用の広報と支援を行う会社で合同企業説明会などのイベント運営に従事。中小企業診断士としては、大阪府中小企業診断協会の知的資産経営研究会メンバーとして知的資産経営の手法による企業支援等を行っている。