経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

目指せ! 中小企業診断士

受験勉強中に転職または独立をした中小企業診断士―柿本美沙さん

取材・文:【第1回】川崎 悟(中小企業診断士)・【第2回】和田 純子(中小企業診断士)

【第1回】思い切って決断した合格前の独立

2017年6月27日更新(取材日:2017年4月14日)

本企画は、診断士試験の受験勉強中に転職または独立を果たした中小企業診断士の方にお話を伺うものです。
今回ご登場いただくのは、柿本美沙さんです。2年間の受験勉強を経て2016年度中小企業診断士試験に合格された柿本さんは、合格前に法人営業の経験を活かし、フリーランスとして独立されました。そして、合格後に株式会社を設立、現在は多方面で活躍されています。第1回は、中小企業診断士を目指したきっかけや合格前に独立された経緯などを伺いました。

やりたいことを実現するために設立した新会社

―現在は、どのようなお仕事をされているのですか?

前職の法人営業経験を活かして、若手社員の営業研修とコンテンツづくりをしています。その一方で、財務研修の会社で営業とコンテンツ開発などを行っています。
今年4月にrosa azul(ロサアスール)という株式会社を設立しました。これは、スペイン語で「青い薔薇」という意味です。花言葉は「不可能を可能にする」と「奇跡」で、私が大好きな言葉です。

―これまでのご経歴をお聞かせください。

大学卒業後、複合機の大手メーカー系の販売会社に入社し、大手企業を担当する法人営業部に配属されました。そこでルート営業や新規顧客開拓などに約5年間従事し、その後、人材広告系グローバル企業の営業に転職しました。そして、2016年2月にフリーランスとして独立しました。

―rosa azulを設立されたのは、どのような理由からでしょうか?

rosa azulは、やりたいことをいろいろと実現するために設立しました。そのひとつは、ビジネス英語を使いながら海外を絡めて自分の事業を持つことです。具体的に始めたのは、海外からインテリアグッズなどを直接仕入れて日本の市場に営業し、BtoBで商品を販売するビジネスで、今年2月にはドイツへ商品の仕入れに行ってきました。
もうひとつは、近い将来、中小企業のコンサルティングで実体験に基づいたアドバイスができるように、自分の会社で事業の資金繰りや決算、補助金の申請を実際に経験することです。

悩んだ末に決断したフリーランスとしての独立

―何がきっかけで診断士試験の受験勉強を始められたのですか?

法人営業をしていたときに、「もう少し経営の話ができる営業にならないとダメだな」と思ったのが、勉強を始めるきっかけでした。いまでもよく覚えているのは、新規開拓先で総務部長や役員クラスのお客様と商談していたときに、他社の複合機との入れ替えに伴い、減価償却の話になったことです。当時の私は定額法や定率法といった減価償却の方法も知らなかったため、商談の主導権を握れず、大変悔しい思いをしました。

―経営の知識を身につけるために、診断士資格の取得を選んだのはなぜでしょうか?

経営の知識を得るためにMBAも考えたのですが、取得にはかなりの時間と費用がかかるため、私には難しいと思いました。一方、診断士試験は予備校の講座や受験料などの費用がMBAと比べると安く、会社に勤めながら勉強ができます。また、合格者がどのような道を歩んでいるのかを書籍やインターネットで調べたところ、独立開業して活躍されている方が多くいらっしゃるようでしたので、取得する価値があると思いました。

―受験2年目は2次試験の勉強に専念されたそうですが、受験生の間に独立された理由をお聞かせください。

お世話になっていた予備校の先生が財務会計の研修会社を設立され、ビジネスパートナーとしてのお誘いを受けたため、そのタイミングでフリーランスとして独立しました。あとは、受験1年目で財務会計を好きになり、その分野の研修会社で前職の営業経験を活かせることから、勉強と仕事の両方を高められると考えたためですね。

―とは言え、合格前に独立を決断されるのは、とても勇気がいったのではありませんか?

もちろん不安はありました。2次試験に敗退した2015年12月末に一人旅をしたのですが、旅行中に「本当に独立してやっていけるのだろうか」と、ずっと考えていました。また、生活費の内訳(水道光熱費、カード代、現金支出など)を洗い出し、仮に1年間無収入でも生活できるかどうかを何度も計算して確認しましたね。
ただ、独立して生活していけるかどうかは、診断士資格の有無よりも、これまでに培った人脈をどう活かすか、自分自身をどう営業するかに関係してくると思ったので、思い切って会社を退職する決断をしました。

(つづく)

【受験生へのお役立ち情報】

【関連情報】

プロフィール

柿本 美沙さん

柿本 美沙(かきもと みさ)
津田塾大学学芸学部英文学科卒業後、大手OA機器メーカー系販売会社にてITソリューション営業を務める。法人を相手に、経営課題解決に向けた提案型営業に従事。その後、人材系広告会社に転身し、グローバル人材ニーズのある企業を中心に人材の採用支援についての提案活動に従事。2017年4月5日にrosa azul株式会社を設立。現在は、若手法人営業向けの教育コンテンツ開発やトレーニングを実施。また、主に大手企業を対象とした財務会計系の法人研修ビジネスに携わり、企業ニーズに合わせた教育コンテンツの企画提案・開発を実施している。中小企業診断士。