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目指せ! 中小企業診断士

私たちが中小企業診断士を目指した理由[小売・サービス業編]

取材・文:向後 潤一松元 伸洋(中小企業診断士)

【第1回】ビジネスが成長する喜びを共に感じたい!―茂木崇さん

2016年9月27日更新(取材日:2016年8月6日)

本企画ではこれまで、業界別にIT業界編(中村秀剛さん小早川渡さん)、金融業界編(椿山道正さん、井上真伯さん)、製造業編(福田裕司さん鍜治田良さん)を掲載してきました。今回は小売・サービス業編として、2名の診断士にお話を伺いました。
 第1回でご紹介するのは、家具・インテリア販売の小売企業に勤めながら書籍を2冊執筆するなど、多方面でご活躍中の茂木崇さんです。

仕事の傍ら、ミュージシャンとして活動

―社会人になってからのご経歴を教えてください。

大学を卒業後、食品商社で経理として4年、流通小売業向け雑誌を発行する出版社に4年勤め、インテリアや家具を販売する株式会社アクタスに転職しました。入社した年に診断士資格を取得し、その知識を活かして地方の卸売先店舗の経営支援を行いました。その後、経営企画部に異動となり、現在は経営・事業計画作成、業務改善、各種研修と幅広く活動しています。また、中小企業診断士の同期である藤井大介さんが経営するレストラン・下野農園とアクタス宇都宮店で、コラボイベントも開催しました(協働による診断士活動機会の創出「業務タイアップコラボ」の巻)

―中小企業診断士を目指されたきっかけは何でしょうか。

実は社会人になってからずっと、仕事の傍ら、ミュージシャンをしていたんです。CDを出したり、タワーレコード新宿店でライブをやったり、サイン会もやりました。プロの一歩手前までは行ったのですが、結局このままでは難しいと思い、30歳のときにどうやって食べていこうかと考えました。

当時、勤務していた出版社で発行する雑誌には、中小企業診断士が多数執筆をしていました。そして、私も経理をしていた経験から財務諸表を見たりする中で、資格を取得すれば食べていけるのではないかと安易に考え(笑)、中小企業診断士を目指しました。

あとは、ずっと自由に音楽をやらせてもらっていましたので、それまで存分にやった分、お世話になった流通業界で、今度は誰かが存分に活躍できる環境を作ろうと思ったのもきっかけの1つです。

試験対策で診断報告書を作成

―試験勉強はどのようにされたのですか。

私は、合格までに丸3年かかりました。1年目は1次合格、2次不合格。2年目は、過去問や予備校の演習に加えて独自勉強会をやり、時間的には一番勉強をしましたが不合格。過去問の答えを無意識のうちに暗記し、すべて過去問のパターンに当てはめてしまっていたことが原因ですが、「それでは企業の本質的な問題に迫れないし、アドバイスも経営者に届かない」と予備校の先生に言われて過去問を解くのをやめ、事例企業の診断報告書を作るようにしました。結果的に3年目で合格できただけでなく、合格後も適切なアドバイスができるようになりました。

また、先生から「勉強をする時間がないと言うけれど、たとえば飲食店などに入ったとき、月にどのくらいの売上があるか。その根拠として、客回転は何回転で、単価はいくらかを考えたことはあるか?」と言われて衝撃を受けたことは、いまでも強く覚えています。勉強時間がないというのは甘えで、勉強は紙の上だけでなく、その気になればいつでもできることを教わりました。

―試験勉強をされる際、小売業だから役に立った点や、逆に苦労した点はありますか。

質問からは少し外れますが、私は経理をしていましたので、財務・会計の数字感覚がありました。あとは、合格した年の事例I(組織)が小売業で、勤務していた店と似ていて想像しやすかったですね。

苦労した点は、運営管理のうち店舗管理は知識があったのですが、生産管理が難しく、ガントチャートなどは見方もわかりませんでした。2次試験の事例III(生産)の勉強をするようになって、ようやく頭の中に入ってきたくらいです。

「ビジネスが成長する喜びをともに感じたい」をモットーに

―合格後に、書籍を2冊執筆されたと伺いました。

1冊目の『自分のロゴマークをつくる~「デザイン思考」でなりたい自分を実現する』(労働調査会出版局)は、大学同期のデザイナーとの共著で、彼の創業支援をするうちに、デザイナーの考え方がビジネスにも通じると思ったことがきっかけです。新書シリーズに企画を出して通りました。

もう1冊の『クリエイターの渡世術 20組が語るやりたいの叶え方』(ワークスコーポレーション)は、セミナーから執筆につながりました。同じデザイナーを講師に創業セミナーを行った際、たまたま出席した編集者に興味を持っていただき、「原稿を書いてもらえませんか?」と言われたのです。この話には続きがあって、今度はその書籍を元に、もう一度創業セミナーを依頼されました。大変でしたが、貴重な体験でした。

―「ビジネスが成長する喜びを共に感じたい!」という言葉が、茂木さんのモットーなのですね。

経営資源が限られる中小企業では、経営者は日々、その資源をどのように有効に活用するかを考えています。経営者の努力が実り、お客様が喜ぶことが非常に嬉しいのです。「理念が実現していく様を身近で見たい」という経営者に出会えると、気づかされることも多いため、一緒に成長するパートナーになりたいという気持ちがあります。

―最後に、小売業界で働く受験生や、受験を検討されている方にメッセージをお願いします。

診断士試験の勉強は大変ですが、合格できなくても、勉強した知識を自分の仕事に活かすことで、必ず成長につながります。また、勉強を通じて知り合った仲間同士では絆ができますし、中小企業診断士になると、ほかでは得られない素晴らしい出会いもあります。自分の可能性が広がるんだと思いながら勉強をすれば、試験も乗り切ることができると思います。特に、小売業界の中小企業診断士はまだまだ数が少ないため、チャンスです。

―貴重なお話をありがとうございました。

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プロフィール・会社概要

茂木 崇(もてぎ たかし)

1975年生まれ、早稲田大学商学部卒業。現在、株式会社アクタス(インテリア小売業)で働く企業内診断士。小売・流通業界での豊富な経験をもとに、創業支援、再生支援、事業承継支援、リーダー育成支援などを行っている。また、下記の著書2冊の執筆やWebクリエイターの創業支援、セミナー講師など、「ビジネスが成長する喜びを共に感じたい!」をモットーに、徐々に活動領域を拡大している。

【執筆実績】

『自分のロゴマークをつくる~「デザイン思考」でなりたい自分を実現する』(労働調査会、山下行雄/茂木崇)

『クリエイターの渡世術 20組が語るやりたいの叶え方』(ワークスコーポレーション、4D2A/Arts and Law/独立開業応援相談室)