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国際派の若手女性診断士―戸川真由美さん

取材・文:霜田 亮(中小企業診断士)大場 遼(中小企業診断士)

【第3回】「おせっかい」が仕事につながる

取材日:2016年2月5日

本業以外でも資格を活かしている戸川真由美さん。第3回は、本業以外のお話を伺いたいと思います。

―本業以外の仕事について伺ってもよろしいでしょうか。

友人からの仕事が多いのですが、その中から2つお話しします。
1つ目は、友人が設立した団体のNPO法人化の支援です。その団体は、社会人が高校生に土曜授業を提供する活動をしています。友人は「営業」のような役割を担っており、教育委員会や学校法人とコンタクトをとっています。6回連続の授業や地方での授業、最近では文部科学省の補助金やプログラムの話もあります。活動を始めて3年目となり、事業にも広がりが出てきたため、任意団体での活動が限界にきていて、NPO法人化を進めています。

ただし、NPOの難しさを実感しています。NPOには公共性が必要で、中小企業の設立にはないステップがあります。設立後も事業年度ごとに会計を締め、総会を開催しなければなりません。税制の優遇もありますので、税関連の手続きも必要です。私は中小企業診断士だからということで、こうした仕事を任せてもらっています。

NPOで難しいのが収益モデルを作ることです。たとえば、企業の協賛をいただくために授業中にその企業について触れたいのですが、学校側がそれを嫌がります。社会貢献で行う事業ですので、収益モデルは難しいですね。いまもまだ、収益モデルはできていません。

―NPOに参加した動機は何だったのでしょうか。

理念に共感しました。「高校生のときにこのNPOに出会えていたら良かったのに」と思いました。
 高校生は一般の社会人をほとんど知らないため、この学部はつぶしが利きそうとか、いまの学力ならこの大学に行けそうなどと、大まかなイメージで進路を選ばないといけません。でも本来は、大人になった将来の自分をしっかりと見据えて進路を選ぶべきだと思います。本来の進路の選び方に立ち返るため、実際に社会人と会って、仕事やプライベートの過ごし方などを知ってもらいます。授業を受けた高校生が将来、いまの自分があるのは、あのときに社会人から聞いた話があったからだと感じてもらえたら嬉しいと思って、NPOに参加しています。

―もう1つのお仕事についてお聞かせください。

案件によっては考えが甘く、すべてが実際の起業まで進むわけではありませんが、私は周りに起業しようとしている人がいればできる限り支援したいと考えています。いま取り組んでいるのは、プリザーブドフラワーの工場に関する案件です。この友人は、中小企業診断士が何をする資格なのかを知りませんでした。「真由美のやっている中小企業診断士って、開業支援をする人なのだ」という具合です。

彼女は秋田県在住で、市役所で街の活性化、観光などの地域振興にかかわる仕事をしています。秋田では花き栽培をしているそうで、以前からプリザーブドフラワーの工場が1つ稼働しています。最近は中国からの引き合いが増え、供給よりも需要が多くなっているため、もう1つ工場を造ろうと計画しているのですが、そこに補助金などの活用をアドバイスしたいと考えています。

―戸川さんはなぜ、ご友人がご自身に仕事をくれるのだと思いますか。

おせっかいが具体的な案件につながるのではないかと思っています。友人の悩みを「ふーん」と聞いて終わらせるのではなくて、「大丈夫?」とこちらから助けにいくことが大事です。資格の認知度はあまり高くありませんので、それくらいしないと実りませんね。私は顔を出していませんが、起業家塾や青年会議所などにはもっと案件があるかもしれません。身の回りのさまざまなところに案件はあるのではないかと思います。

―読者にアドバイスをいただけますか。

中小企業診断士になっただけではなく、そこから案件をつかむ力が重要だと思います。
診断士試験に受かってからも勝負は続いています。しかも次は、合格という明確な目標がないため、より一層頑張らなければなりません。皆様もさまざまなコミュニティに顔を出していると思いますが、もっと顔を出して診断士同士のつながりを増やし、他の中小企業診断士がどのような仕事をしているかを見てほしいです。そして、「すごい」、「自分もやりたい」と思うコミュニティがあれば、そこに参加する。そのようなコミットメントがないと、中小企業診断士としての業務が始まらないと思っています。読者の皆様が診断士試験を通じて得た知識を仕事につなげることを応援したいですね。

(おわり)

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