経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

目指せ! 中小企業診断士

国際派の若手女性診断士―戸川真由美さん

取材・文:霜田 亮(中小企業診断士)大場 遼(中小企業診断士)

【第2回】診断士資格で仕事の芽が増える

取材日:2016年2月5日

第2回は、中小企業診断士としての案件の引き合いについて伺いたいと思います。

―本業であるODAの仕事で、中小企業診断士として案件の引き合いがあるというお話でした。具体的な部分をお聞かせください。

中小企業診断士の資格は、次なるキャリアへの種まきのようなものと考えています。中小企業診断士だからというだけで仕事が増えることはなくて、仕事の芽、チャンスが増えるように感じています。

まずは、資格が直接、案件につながった例を2つお話しします。1つはODAの案件で、女性の起業や中小企業振興にかかわるセミナーに携わりました。アフリカの8カ国から計17名の女性起業家と行政官を日本にお招きしたのですが、来日した起業家はアフリカでバリバリ仕事をされている方で、そうした方々と日本のカイゼンのプロセスの見学や、起業や行政の取組みについてディスカッションをするのです。その中で、私は企業診断のセッションのファシリテーターを担当させていただきました。

ディスカッションが盛り上がってくると、その仕事をするために具体的にどのような人材が必要なのか、ファイナンスをどうするのかといった疑問が出てきますよね。そうしたところをファシリテーターが掘り下げるときに、中小企業診断士のフレームワークがあるかないかで違うのです。参加者の発言に対し、さらに必要な情報を話してもらうためにタイムリーに質問する。これは、中小企業診断士として仕事や業務の枠組み・流れが頭に入っているからこそできることです。そうしたこともあって、今回の仕事に呼ばれたと思います。企業診断や経営の知見を持ってのファシリテーションというのは、フレームワークに長けた中小企業診断士が良いということですね。

―もう1つの案件についても教えてください。

これは、技術開発や能力開発を主に扱う部署であがった案件です。カメルーンの中小企業振興をサポートする仕事にメンバーとして声をかけていただきました。日本人コンサルタントがカメルーンに出向き、中小企業振興やカイゼンに対して助言を行うものです。残念ながら、他の案件との兼ね合いでお断りをさせていただきましたが、いまはODAの業界で中小企業振興が主要な分野として確立する段階にあり、こうした案件が今後も増えてくると思います。

アフリカの皆さんは英語が堪能で、頭の回転も速いです。そうした方々とのディスカッションをファシリテートできる英語力があって、途上国経験もあり、さらにフレームワークが即座に出てくる人材が求められています。フレームワークは中小企業診断士の得意分野ですよね。中小企業診断士を必要とする案件は多いのですが、ODAの業界には中小企業診断士が少ないため、適した人材を見つけるのは難しい。ブルーオーシャンに近い状態ですね。いまもフランス語を話せる中小企業診断士を探しているのですが、見つかっていません。もしもいたら、ご紹介いただけませんか(笑)。

―そのほかにも、中小企業診断士の資格が活きた面はありますか。

水道や廃棄物処理などの環境整備に関する案件で、財務分析を依頼されました。ODAには円借款というスキームがあります。これはお金を貸して、後で返してもらう流れになります。ある程度のGDP規模がある国では、円借款のスキームになります。そうすると、実際に収益が出て返済が可能かどうかを検討するため、IRR(内部利益率)を計算しなければなりません。そこで、財務諸表を分析する業務を任せていただきました。計算だけなら、IRRも表計算ソフトで簡単にできるのですけれどね。でも、財務諸表の分析や、分析結果に基づく提言は中小企業診断士の得意分野ですので、よく質問を受けます。

―本業で診断士資格を十分に活かせていますね。

でも、まだまだこれからです。「この分野でやっていこう」というのをそろそろ決めていかないといけません。私はこの仕事が好きですし、どの分野に決めるにしても、開発コンサルタントとして中小企業診断士の資格を強みの1つとして使いたいと思っています。

最近では本業以外での仕事もあります。私は大学まで京都で暮らしていて、東京に友人がいませんでしたが、ODAの仕事は関東にしかありません。自分はこれからずっと東京で過ごすことになる、東京に根を張りたいと考え、さまざまなコミュニティに参加して友人を増やしました。数名ですが、友人の中には起業準備を行っている人もいて、友人からの相談という形で中小企業診断士のサービスを提供することも増えてきました。

(つづく)

【受験生に役立つ支援情報】

【関連情報】