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目指せ! 中小企業診断士

国際派の若手女性診断士―戸川真由美さん

取材・文:霜田 亮(中小企業診断士)大場 遼(中小企業診断士)

【第1回】相手の立場を理解できるコンサルタントに

取材日:2016年2月5日

今回は、「開発コンサルタント」の戸川真由美さんにご登場いただきます。中小企業診断士の資格を活かしながらアクティブに活躍する戸川さんに、全3回にわたってお話を伺いました。

―「開発コンサルタント」というのは、どのような仕事なのでしょうか。

日本のODA(政府開発援助)は、JICA(国際協力機構)が中心となって実施しています。JICAは、専門的な業務を民間企業に委託し、民間企業の開発コンサルタントが現地の調査や開発事業の実施を行います。水道、鉄道、教育、保健医療などさまざまな分野に専門特化したコンサルタントがいます。

―ずっと開発コンサルタントの仕事をされているのですか。

はい。平成27年10月にそれまで勤めていた企業から「転社」をしましたが、業界は一貫してODAのコンサルティングです。最初は保健医療専門のコンサルティング会社に入り、海外事業部で主に病院の整備をする案件に携わっていました。

私はODAや開発の事業をしたいと思い、この業界に入りました。大学で国際関係学を学んだからというのもありますね。ただ、最初の会社は保健医療が専門という点で壁を感じることがありました。やはり医療というと、医者や看護師でなければ触れられないところがあります。また、保健医療に特化している企業ですので、その分野の仕事しかできません。

専門特化できていることは会社としては良かったのですが、水道や教育など保健医療以外の仕事のチャンスをつかむのであれば、自分が所属する組織を変えたほうが早いと考えて「転社」をしました。専門領域を変えるために会社を移ったという意味で、「転職」ではなく、「転社」です。

―「転社」先のいまの会社では、どのような仕事をしているのですか。

こちらの会社はODAの開発事業がメインで、100%海外案件です。ODAという業務内容は変えたくなかったため、海外案件のみの会社に絞って「転社」を決めました。前の会社の病院整備をハードとすると、いまの会社はソフトを強みとしています。たとえば人材育成や能力開発、技術移転などですね。同じように病院にかかわるとしても、お医者さんの能力開発や病院の運営改善が業務範囲ですので、中小企業診断士の知識を活かせるところも魅力です。

―中小企業診断士の知識を本業でも発揮していけるのですね。そのお話も追々伺っていきたいと思いますが、その前に診断士資格を取ろうと思ったきっかけをお聞かせください。

勉強を始めたのは大学4年生のときです。最初の会社の内定はあったものの、コンサルティング会社で自分に何ができるのかという不安があったため、事前知識や、自分で力を身につける習慣をつけようと思って始めました。自己研鑽ですね。そのときは、受験勉強がこんなに辛いとは思っていませんでした(笑)。

その後、働き始めてから、ODAのコンサルティングの仕事は、会社の評価よりも個人の実績のほうが重要だと気づきました。たとえば提案書は、会社の評価10%、提案の内容30%で、残りの60%は個人の実績を見られます。そこで、今後この業界で生きていく中で、自分は何を売りにしていけば良いか、自分の実績・専門性に色をつけなくてはいけないと考えたのです。それからは、未来への投資と考えて中小企業診断士の勉強に取り組むようになりました。

―そして平成25年12月に合格、平成27年3月に登録となるわけですね。合格や登録の前後で変わったことはありましたか。

まずはネットワークです。自分の周りにいる人が変わりました。たとえばFacebookのタイムラインに流れてくる投稿におじさんが多くなりました(笑)。独立されている方も多く、本やニュースだけでなく、日常の中でビジネスの情報が入ってくるようになりました。

また、他の職種の方と話す機会を持てるようになりました。普段の仕事では、IT、銀行などの他業種やSE、営業などの他職種の方とは会う機会がありません。それが中小企業診断士になると、他業種や他職種の話を聞ける環境に身を置けます。これが本業にも活きていて、商社や建設会社、メーカーの方と話すときに、相手の話の背景や理由を想像できるようになりました。そのおかげで、交渉でも相手の立場を考えて、どのタイミングで情報を出すかを考えられるようになりましたね。

結果として、相手も何かあれば私に連絡をしてくることが多くなったと感じており、業界内での自分のプレゼンスが上がったと思います。相手の業界や職種を理解しているコンサルタントという色がつけられ、良いサービスを提供できるようになったのです。自分のイメージづけやフィールドづくりに役立っていて、いまの会社では中小企業診断士ということでの案件の引き合いも増えています。

(つづく)

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