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目指せ! 中小企業診断士

私たちが中小企業診断士を目指した理由[金融業界編]

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第1回】法人営業に診断士資格が役立つ-椿山道正さん

取材日:2015年5月11日

中小企業診断士としてさまざまな業界の人が登録しています。その中でも特に多いのが金融業界出身の中小企業診断士です。そこで今回は、金融業界出身の2名の中小企業診断士にお話を伺います。

銀行業務と診断士2次試験の共通点

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―これまでに、どのようなお仕事を経験されてきたのですか。 

平成2(1990)年に住友銀行(現三井住友銀行)に入社し、約25年が経過しました。これまで営業店や本部勤務、グループ会社である日本総合研究所やポケットカードで働いてきました。現在は三井住友銀行のコンサルティング業務部に勤務しています。

―なぜ、中小企業診断士になろうと思ったのですか。

中小企業診断士は、日本総合研究所に出向しているときに取得しました。日本総合研究所はコンサルティングやシステム開発を行っている会社で、資格取得を奨励していました。

私も人事部に在籍し、社員に資格取得を奨励していた手前、自分でも何か資格を取得しようと目指したのが中小企業診断士です。コンサルティングの知識が身につきますし、銀行業務にも役立つと思ったからです。

―受験勉強はどのようにされましたか。

 あまりお勧めはできませんが、1次試験も2次試験も完全に独学でした。自分を追い込むために1年での合格を目指しましたが、自分の性格上手を広げるとよくないと思い、資格スクールにはあえて通わず、ひたすら過去問を解いていました。

―独学で合格されたのはすごいですね。

1次試験は平均で60点取れれば合格です。得意科目で点数を稼ぎ、40点を切る科目を出さないようにすればよいと割り切りました。財務・会計や経済学は得意でしたので満点を目指し、得意でない科目ではとにかく40点を目指すことにしました。

―なるほど。とは言え、2次試験はそううまくはいかない試験ですよね。

 銀行での融資業務の経験が役立ったのではないかと思っています。2次筆記試験は銀行の融資稟議書に似ているところがあるからです。

融資稟議書は、お客様が何にお金を使うのか、いくら必要なのか、返済期間は何年が妥当なのか、金利や融資シェアはどうか、そもそも今回の借入(=投資)はお客様の業績にどれだけ貢献するのかといったことを簡潔に、根拠をしっかりと示して記述する必要があります。

2次筆記試験も同じで、わかりやすい文章で根拠をしっかりと示して結論を導きます。2次筆記試験と銀行業務には似たような能力が求められる訳です。

中小企業診断士の名刺

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―中小企業診断士になってから、どのようなことを感じますか。

中小企業診断士に登録後、三井住友銀行五反田法人営業部に転勤になりました。一部上場企業から町工場まであらゆる規模の法人が取引先でした。中小企業診断士という資格名が入った名刺を渡すと、お客様が気づいてくれて会話が弾むことが多く、それが嬉しかったですね。

新規取引先開拓などの場合は、キーマンである経営者になかなか会えません。でも、中小企業診断士という資格名が入った名刺を使うことで経営者に会いやすくなったように思います。

―銀行業務以外でも、何か変化がありましたか。

はい。東京都中小企業診断士協会に所属し、主に休日に商店街の支援活動に従事しています。また、テニス同好会を主催しています。

診断士資格はさまざまな業界の方が取得しているので、異業種交流会のような雰囲気ですね。銀行の中だけでは味わえない刺激があり、とても勉強になります。中小企業診断協会での交流の中で、中小企業診断士に関する情報、実務ポイント取得情報なども得られてとても役立っています。

銀行業務の原点

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―三井住友銀行には中小企業診断士資格を持っている人が多いと聞いています。診断士資格の取得を奨励しているのでしょうか。

 中小企業診断士資格を目指す理由は人それぞれだと思います。診断士資格を特別に奨励しているわけではありませんが、取得すると報奨金が出る資格の中に中小企業診断士が含まれています。

税理士・公認会計士・証券アナリストなどの金融系だけでなく、システム系の資格でも報奨金の対象になっているものがあります。

―銀行・金融業界の人が中小企業診断士を目指すメリットとしてどのようなことが考えられますか。

中小企業診断士の勉強は、「お客様のことを知る」という銀行業務の原点を思い出させてくれます。ともすると銀行員は、決算書などの数字だけで企業を判断してしまいがちです。経営者はどのような人なのか、あるいは、お客様の扱っている商品の強みや弱みは何か、といったことを深く理解しないまま、お客様を判断してしまうこともあり得るわけです。

でも、中小企業診断士の勉強をした人はそうはならない。お客様の話を聞き、現場を見ながら仕事に取り組みます。決算数字だけではわからない"お客様の良さ"を見つけることが新しい融資につながることもあります。

銀行員に限らず、法人のお客様相手に仕事をしている方は中小企業診断士の勉強を活かせると思います。経営の視点が身につき、お客様のことをより深く理解して仕事を進めることができるようになります。法人相手の営業担当者は、中小企業診断士の勉強をしてみると仕事に役立つのではないでしょうか。





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■プロフィール・会社概要

椿山道正(つばきやま みちまさ)

平成2(1990)年に住友銀行(現三井住友銀行)入社。営業店・本部・グループ会社勤務を経て、現在は三井住友銀行コンサルティング業務部で活躍中。中小企業診断士には、平成19(2007)年の診断士2次試験に合格して登録。(一社)東京都中小企業診断士協会(城北支部)に所属している。