経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

目指せ! 中小企業診断士

診断士試験合格者の法則

取材・文:津田 まどか(中小企業診断士)

【第1回】多くの合格者が取り入れている勉強方法に関する3つの法則

これまで当コーナーでは、たくさんの合格者に「診断士試験に合格するためのノウハウ」を語っていただきました。今回は、これまでご紹介いただいたさまざまなノウハウに着目して共通点を探り、「合格者の法則」と題して12のルールにまとめ上げました。勉強方法編、スキル編、本番対応力編と3回にわたって、実際の合格者の発言を引用しながらご紹介していきます。

診断士試験、特に1次試験は学習範囲が広く、そのボリュームに圧倒される受験生も少なくありません。膨大な量の知識のインプットに取り組むには、コツがいります。

<法則1 すぐに何度もくり返し、「覚える」のではなく「思い出す」>

村越和香子さん
村越和香子さん

特に意識していたのは、書いたことを「思い出す」ことです。少し前にやった内容をすぐに思い出すことで早めの知識定着を図り、試験直前期には「知っていることばかりだな」と思える状態を目指していました。(村越和香子さん)

私は、覚えたことを記憶に定着させるコツは、忘却曲線をなだらかにすることだと思っています。最初に覚えたものと同じ個所を、1週間後、さらに2週間後、1ヵ月後とくり返すんです。(上品香代さん)

問題集の解説の重要なキーワードにマークをつけ、付箋に書いて部屋に貼っていました。歯を磨いたり、ドライヤーで髪を乾かしたりしている時間に、キーワードを見ながらその周辺知識を思い出すという学習をしていました。(大森渚さん)

年齢にかかわらず、覚えるべきことを一度で覚えられる人はほとんど存在しません。一度覚えても、時間の経過とともに忘れてしまうものです。

<法則2 過去問をフル活用したアウトプット学習を重視する>

どの合格者も口をそろえて言うのが、過去問の重要性です。ここでは、具体的な活用方法も併せて、その理由をご紹介します。まずは失敗談からです。

大森渚さん
大森渚さん

(独学でやっていたときは)過去問はまったく解きませんでしたね。テキストを読んでサブノートを作って、まるで大学受験のノリでした。「同じ問題は二度と出ないから、やらない」と考えていたためです。「本試験でどういった出され方をするのか」という過去問分析の必要性に、そもそも気づいていなかったんですね。(大森渚さん)

テキストの内容を覚えてからでなくては、過去問を解いても意味がないだろうと思っていたんです。(吉成篤さん)

一方で、短期間でストレート合格を果たした合格者は、次のように語っています。

過去問は、最初に取り組むこと。過去問をやらなかったら、どこに向かっていいかがわからない。過去問の使い方は、GW前までは授業を受ける前に読んで、授業を受けながら読んで、帰ってからもう一度読んで、と3回ずつ触れていました。この段階では、問題を毎回解いていると時間がかかるので、読むだけにしていました。過去問題集は、「出され方を学ぶテキスト」と位置づけていましたね。GW明けからは、過去問を実際に解いてみて採点し、間違えた問題をまた解いて、をくり返しました。また、時間を測って解くことで、本番に向けての時間間隔を養う訓練もしました。(横谷幸一さん)

2次試験においても、過去問を使った対策は不可欠です。

何度も同じ過去問を解き、自分の解答の変遷を並べて記載することで、前に書いた答案の問題点を見つけ、弱点を克服することができます。(岩崎真朗さん)

各受験校の模範解答をできるだけ多く集め、模範解答を参考にしながら、自分で納得のいく答えを導き出すようにしました。いわゆる「マイ模範解答」の作成ですね。その「マイ模範解答」も、何度も解き直したり、仲間とのディスカッションを通じたりして、少しずつ変わっていくわけですが、くり返しブラッシュアップしていったのが良かったと思います。(弥谷和也さん)

<法則3 現在の実力と合格レベルのギャップを把握する>

本試験当日までに合格レベルに到達するために、現在自身がどれくらいのレベルにあり、あとどの程度知識やスキルの上乗せが必要かを明確にすることは効果的な方法です。独学での合格者は、こう語っています。

坂井亮介さん
坂井亮介さん

時間を気にせず、7科目の過去問を解いて、合格レベルと自分の実力のギャップを把握しました。(坂井亮介さん)

過去に1次試験に受かった経験があっても、正確にギャップを把握すべきとの声もあります。

(1次試験に)不合格だった年は、目標設定が甘すぎたんですね。1回受かったからといって、また受かるとは限らないんです。合格に必要な、解くべき問題量を正確に設定することが必要です。(上品香代さん)

きちんと苦手な点を分析・整理して、自分なりの情報整理の方法を確立することで、「財務・会計」の弱点は克服できると思います。(川原賢介さん)

2次試験については、合格者の解答と自身の解答を比べることで、ギャップを把握できます。

合格者の再現答案と自分の答案を比較して、自分に足りない部分を把握することで、安定的なアウトプットができるように努めました。(岩崎真朗さん)

合格者の再現答案を参考に、共通点を見つけにいくようにしていました。「合格者が共通して書いていることは何か?」という視点です。いわば「寄らば大樹の陰」理論で、「大多数の人が書くような解答を書こう。突飛な解答は避けよう」という意識です。(上品香代さん)

【受験生に役立つ支援事例】

(つづく)

【関連情報】