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困難を乗り越えての2次試験合格

取材・文:山田 晃裕(中小企業診断士) 安藤 準(中小企業診断士)

【第2回】大きな苦労を経て、中小企業診断士へ——河原賢介さん

今回ご登場いただいたのは、平成24年度合格の河原賢介さんです。さわやかな風貌から、受験もスマートに乗り越えたかのように推測されますが、実は中小企業診断士になる道のりには大きな苦労がありました。受験時代に経験された転勤や家族環境の変化など、さまざまな苦労を伺いました。

受験環境が毎年、激しく変わる

― 河原さんの受験歴は1次試験2回、2次試験2回の3年間で、いずれも受験地が異なったそうですが、どのように変化されたのでしょうか。

河原賢介さん

1年目の1次試験は、東京地区の千葉商科大学で受験して不合格。2年目は大阪で受験して、1次試験は合格しましたが、2次試験は不合格。そして3年目は東京に移り、2次試験に合格しました。

初年度は、試験1週間前に大阪府への転勤命令を受け、「え? このタイミングで転勤!?」と会社を恨みましたね(笑)。受験のための夏期休暇が、すべて引越し準備にとられてしまいました。しかし、その後の環境変化については、もともと仕事がシフト制だったために予備校の教室講座には通えず、通信講座のほか、Skypeによる勉強会に参加したので、「仕方がない」と割り切ることができました。

「最後まで受かる気がしなかったけれど、それが良かった」

― 苦手な科目はあったのですか。

財務・会計が苦手でした。本当にひどかったですね(笑)。特別講習を受けても、勉強仲間はバッチリできているのに、自分はできない。自分の不勉強さを露骨に感じてかなり焦り、自分だけの「集中特訓」を行いました。財務・会計だけを集中的にやれば何か見えるのではないかと思い、計算問題集や演習問題、過去問だけを10日間集中的に行ったんです。その結果、財務・会計に少し自信を持つことができました。

― 財務・会計が苦手な受験生も多いと思いますが、勉強法のコツはありますか。

具体的に苦手な点を聞くと、漠然としている人が多いですよね。深掘りしてみると、理論や知識はある程度あるのに、計算ミスをしてしまったり、情報整理が苦手だったりする人が意外と多いわけです。つまり、きちんと苦手な点を分析・整理して、自分なりの情報整理の方法を確立することで、財務・会計の弱点は克服できると思います。

― もともと苦手だった科目が得意になるのは、すごいですね。

いえいえ、最後まで得意とは思っていませんでした。けれど、「何とかなる」という感覚はありましたね。勉強会でも、「他人と比べて自分は劣っている」という感覚があり、必死でしたので、そのことで逆に緊張感を保つことができて良かったと思っています。

出産は大変ではあったが、喜びだった

― 受験中の転勤に加え、お子さまが生まれるなど、奥様も含めて大変ではなかったですか。

河原賢介さん

ちょうどこの時期、妻がある病気であるとわかり治療も平行して行われたため、妊娠から出産まで色々と大変だったのです。

そのぶん、子供を授かった時は本当に嬉しかったですね。もちろん、子どもが生まれてからは、さまざまなことに手間や時間がかかりました。

たとえば、集中したい事例Ⅳの勉強時とかに泣くんですよ(笑)。放っておこうと思っても気になりますので、抱っこしながら事例問題を解いたりもしていました。あとは通勤時間、昼食、休憩時間などの隙間時間を工夫しながら勉強し、家では子どもが寝た後、夜中に勉強していました。

しかし、育児に関しては、妻も私も大変というより、楽しんでいたと思います。

家族とともに成長する

― 河原さんにとって、ご家族とはどのような存在でしょうか。

「気づきと教えを与えてくれるもの」ですね。子どもが転んでは立ち上がり、また転んでは立ち上がり、そういったことをくり返しながら、うまく歩いたり走ったりできるようになる。受験勉強もまったく同じですよね。子どもにはそのことを気づかせてもらいました。

― 同じような環境にいらっしゃる受験生に、ひと言エールをお願いします。

受験も仕事も家族も、それぞれにかかわる人を尊重しながら工夫し、少しの自己犠牲を払うことで、いくらでも突破口は開けるものです。ぜひともあきらめずに、頑張ってほしいと思います。

取材を終えて

河原さんは、転勤や家族の治療など多くの環境変化があっても、柔軟に対応することで合格を勝ち取りましたが、常におかれた状況をポジティブにとらえ、他人が想像するほど困難に思っていなかったことが印象的でした。あらためて、成功する、しないも自分の考え方次第という気付きをいただきました。

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(つづく)

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