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目指せ! 中小企業診断士

【第8回】まとめ

取材日:2013年10月7日

1次試験について、プロのコンサルタントの先生方に、実務への活用方法や勉強方法を科目ごとに伺う連載の最終回です。

7科目を学ぶ意味

司会:最後に、7科目全体を振り返ってお話を伺いたいと思います。

座談会風景_全体

林:他の士業はある特定範囲の業務を専門とするのに対し、中小企業診断士の仕事は全体を見て、バランスをとりながらコーディネートをしていくという特性を持っているので、さまざまな分野を広く知っておくべきと考えています。そのために、7科目を体系立てて学ぶことが大事だと思います。経済、法務、中小は全体観をつかむ訓練になりますし、財務・会計はコンサルティングの基礎となるものです。他の科目は、クライアントに対して直接使うことができますね。そういった意味で、7科目という構成は、バランスがとれているとあらためて思いました。

早坂:中小企業は約420万社ありますが、規模やステージなどによって直面する問題はそれぞれ違います。設立したばかりの会社もあれば、1年たっても売上が伸びない会社、また5年で従業員が100人になる会社もあります。問題を解決するには、1つの方向だけからではなく、さまざまな方向から見ていく姿勢が重要です。多面的に問題点を把握する力を身につけるには、やはりこれら7科目の習得が必要です。そもそも問題点がマーケティングの観点なのか、社員のモチベーションにあるのか、基礎的な知識や能力がないとあたりがつけられません。そして、法律や税金などの専門的な分野であれば、他の士業へ橋渡しすることも大事です。最低限、これら7科目を勉強して、初めてクライアントの社長と話ができるのではないでしょうか。課題発見の能力を養うための試験かもしれませんね。

重要なカウンセリングスキル

新木:コンサルティングの場面では、総合的視点が必要です。あるべき姿に向かうには、分野が異なる多くのアクションプランが存在します。それぞれのアクションプランのバランスや優先順位などを踏まえた支援ができるというのが、中小企業診断士の1つの強みであり、役割だと思っています。そのためにも、分野は多岐にわたりますが、コンサルティングの基礎固めと思って取り組まれるとよいですね。実務の場面では総合力が必須で、それに加えて尖った分野があれば、強みを活かしたご支援につながります。7科目すべてが有益と感じていますが、私が試験勉強をしていた頃にあった助言理論(注)では、カウンセリングやコーチングの基本的なスキルを学習しました。ここで得たものも、診断や助言など、クライアントと話すうえで有益だったと感じています。

(注:平成17年度まで「中小企業経営・中小企業政策・助言理論」という科目が設置されていた。)

林:私は、キャリアカウンセラーの試験で「マイクロカウンセリング」というカウンセリング手法を学びました。キャリアカウンセラーとしてだけでなく、中小企業診断士の仕事においても、論理と感情の双方の側面を統合して相談に対応することを意識しています。

矢田:コンサルティングとは、社長が困っていることを解決することです。クライアントの状況に応じて、臨機応変に解決方法を編み出すには、早坂さんがおっしゃったように多面的な角度から物事を把握できる力が必要で、まず7科目を学ぶのはよいことだと思います。苦手な科目も、一度は勉強した経験が支えになっていて、いつか必要になったときには、何とかして調べて対処するだけのベースはできていると感じています。診断士試験を受けなかったとしたら、一生、接することはなかっただろう分野もあるので、やはり勉強してよかったとあらためて思いました。一方で新木さんもおっしゃったように、仕事を広げていくには専門的な強みも求められているので、浅く広くだけではなく、何か自分なりの強みを作っていきたいと考えているところです。

司会:中小企業診断士の実務を行うための基礎として、7科目という構成はよく考えられているということですね。過去に「助言理論」という科目があったことは初めて知りましたが、カウンセリング的なスキルもますます求められていますので、少なくとも基本は学んでおきたいと思います。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

(おわり)