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試験合格を果たしたばかりの人々による座談会

司会・文:津田 まどか(中小企業診断士)田淵 秀樹(中小企業診断士)

【第3回】合格に必要な試験傾向の変化や難問への適切な対応方法

取材日:2013年6月7日

平成24年度診断士試験に合格された4名の方々による座談会の最終回。受験生の皆様にとって、貴重なお話がうかがえそうです。

問題傾向が変わったときは、チャンスと思え

司会:毎年、試験の出題傾向については何かしらの変化がありますが、それに皆さんがどのように対応したかを教えてください。

弥谷和也さん
弥谷 和也さん

弥谷:私は、1年目の2次試験で変化に揺さぶられてしまい、事例 IVの時点では完全にあきらめていました。その失敗を教訓に、後の学習を通じて精神面の重要性についても教わりました。「毎年、変化球はくるものだ。変化球がきたときは、周りも揺れている」と考えるようにし、最終的には変化球がきたら、「ラッキー。ここで差がつけられる」と考えるようになりました。実際に、昨年の事例 IVではその境地になることで、合格することができました。

横谷:私は、問題の難易度評価にはすごく気を遣っていました。事例 I~IVに共通して言えることだと思いますが、問題を見た段階でどれくらいの難易度かを判断し、難しい問題は後回しにして、得点しやすい問題から解いていくようにしました。

また、1次試験と2次試験はつながっていると思います。去年の「財務」の1次試験では、簿記系の問題が多いと感じたのですが、2次試験でも簿記系の問題が出ましたから。

司会:事例 IVは計算問題もあり、難易度の判断はしやすいと思いますが、事例 I~IIIはどのように難易度を判断するのでしょうか。

横谷:与件文の内容を過去、現在、将来に分け、過去のことは与件文の中にあるはずなので、難易度は低いと判断しました。将来のこと、今後の戦略については誰も得点できないだろうと思い、周りが考えそうなことを詰めて書いたうえで、自分なりの考えも圧縮して詰め込むようにしていました。

本川:私も同じようにしていました。与件文を過去、現在、未来に分けて、過去のことは与件文から抜き出すように心がけました。

木下:私も同じです。

本川:去年の2次試験で、聞いたことのないマーケティング用語が出てきたときは、私もチャンスだと思いました。私自身も知らない言葉でしたが、皆も落とすと思って(笑)。そうして冷静に解いてみると、ほかの問題にはまらなかった内容が最後に2択で残ったので、そのどちらかだと思い、言葉の意味を考えて、最後には正解にたどり着くことができました。冷静になると、ほかの知識からも解答を引っ張れるなと思いました。そのおかげで、事例 IIIまでは気持ち良くいられましたね。事例 IVで大暴落しましたが(笑)。

弥谷:1次試験と2次試験のつながりという視点で言えば、「コーズリレーテッドマーケティング」は、平成21(2009)年の1次試験「企業経営理論」で出題されていました。私のサブノートは多年度にわたって蓄積していたので、その言葉がサブノートに書いてありました。

もう1つ、私は日経MJ新聞のスクラップをしているのですが、平成24(2012)年元旦版にその年のキーワードが10個くらい紹介されており、その中にも「コーズリレーテッドマーケティング」がありました。

司会:弥谷さんのおっしゃるとおり、特にマーケティングや情報システムについては、トレンドを押さえておくことも大事だということでしょうね。

合格するためにもっとも重要なこと

司会:ご自身の経験で、ダメだったときと合格したときを比べて、合格するためにもっとも必要なことを、ひと言ずつアドバイスしていただけますか。

横谷:私は最初に、Webで受験校の合格祝賀会の様子を見ました。そこで、お酒を飲んでインタビューされる自分を想像していました。実際に祝賀会に参加したときには、インタビューはされませんでしたが(笑)。合格したときを想像するのがよいと思います。そして、過去問をいますぐにやる。

司会:ストレート合格者座談会でも同じような話題が出ましたが、結局は思いの強さが大事なんですね。特に短期間で合格する人は、気持ちのブレがまったくありません。「自分は受かって当然」と思っている。

弥谷:私は、私的な勉強会で「『失敗ノート』を作りなさい」と言われ、実際にやってみましたが、それが大変役に立ちました。やはり、失敗経験から学ぶことは多い。まずは、問題をどんどん解いて量に触れるわけですが、そうすると失敗もたくさん出てきます。その失敗をちゃんと振り返って対策をし、PDCAを回していく。これが、スパイラルアップにつながります。

木下:私は、素直さが大事だと思います。受かっている人は、人の意見をちゃんと聞き入れていると思いました。特に、2次試験ではそうですね。

本川:「本当にこの仕事をやりたいか」を再認識してほしい。中小企業診断士って、主役ではありませんよね。会社の社長が主役で、中小企業診断士は参謀というか、サブの立場で人助けをしていくような仕事だと思います。それをやっていけるかどうかを試されている試験だと、私は思っています。素直さにもつながりますが、社長の話を素直に聞いて、人のために自分をスキルアップしていくことができるのかどうかが大事です。

ホールインワンを狙うのではなく、まずグリーンに乗せる

司会:最後に、受験生のモチベーションが上がるようなアドバイスをひと言ずつお願いします。

横谷:「自分は必ず受かる」と言葉に出してみることでしょうか。自信満々で勉強していったほうがよいと思います。

本川:同じ失敗をくり返さないでほしいですね。ストレートの方もいらっしゃるかもしれませんが、模試なども含めて、同じ失敗をくり返さなければ、後悔せずに済むと思います。後悔しないため、同じ失敗をしないように、しっかりと振り返ってほしいと思います。

弥谷:私からは、2つ言いたいです。両方、お世話になった方から言われたことなのですが、1つ目は、「この試験の学習において、必要となるのは学習量である。圧倒的な量をやっていく中で質も高まっていくし、自分のフォームも固まっていく。量的学習を積むことは、絶対的に大事である」ということ。もう1つは、「この試験はスポーツ、中でも武道に似ている。抜けていった人は、"守破離"ができている。最初は教わったことをきちんと守り、途中で疑問がわいてきたときに、違うやり方を試してみる。それをくり返していくうちに、自分のフォームを身につけた人が合格している」ということ。

受験校で学ぶことも大事ですが、時には破れと。そうして、自分のフォームを身につけてもらいたい。身につけたフォームは勉強だけでなく、合格後にも役に立ちます。

木下綾子さん
木下 綾子さん

木下:私は、1次試験については、ずっと100点を目指して勉強していました。でも、よくよく考えると、60点で合格できる試験なんですよね。あまり上を目指すと疲れてしまうので、そんなに欲張らず、70点くらいを目指す気持ちで勉強するのがよいのかなと思います。

2次試験については、「周りが勝手に落ちていくから、自分は無難に全部の設問でミスをしなければ受かる」と言い続けていました。ミスしないことが大事で、周りがミスをしていく中、自分は1点でも2点でも多く取ることが大事だと思います。

司会:よく言われることですが、診断士試験をゴルフにたとえると、ホールインワンを目指すのではなく、とにかくグリーンに乗せるだけでよいということですね。

本日は長時間にわたり、ありがとうございました。

(おわり)

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