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試験合格を果たしたばかりの人々による座談会

司会・文:津田 まどか(中小企業診断士)田淵 秀樹(中小企業診断士)

【第2回】直前期にこそ有効な勉強方法とは

取材日:2013年6月7日

平成24年度診断士試験に合格された4名の方々にお話をうかがう第2回。話題は、より具体的な方法論にまで及びます。

合格に直結するタイムマネジメントの組み立て方

司会:1次試験直前期、あと1マーク、2マーク上乗せできるような効率的な勉強法について、合格者の皆さんからレクチャーしていただけますか。

弥谷:私はずっとサブノートで勉強してきましたが、少し余裕のある方は、この時期に一度、いままでやってきたことの枠から少し離れて、日経MJ新聞や関連書籍を読んでみるのもよいかもしれません。また、本試験でどの問題から順に解いていくのか、科目ごとのタイムマネジメントについて、直前の模試やリハーサルで試してみるのもよいと思います。

司会:タイムマネジメントのやり方を、具体的な例で教えてもらえますか。

弥谷:たとえば、私は「企業経営理論」では、人的資源管理の問題から解きました。人的資源管理は問題数が4~5問と少なく、知っているか知らないかで解ける、解けないが決まる問題なので、時間をかけずに割り切って解けます。次の「マーケティング」も知識系の問題が多く、それほど時間がかからないので、ここまでで20分程度で折り返せます。続いて「組織論」の残りを解いて、最終的に「経営戦略論」に40~45分を残すことができます。「経営戦略論」は、しっかり読み解かないと解けない問題が多いのですが、40分も時間が残っていれば、じっくりと落ち着いて取組むことができます。以前は、問題の最初にある「経営戦略論」から解いて失敗しましたが、この順番で解くようになってからは、安定して高得点を取れるようになりました。

横谷幸一さん
横谷幸一さん

横谷:弥谷さんが言われたとおり、解く順番は大事だと思います。本試験では、1問目に難題がくることがよくあって、そこで混乱してペースを乱すと後が続かない。思い返すと、私も1問目から解く科目はなかったように思います。後ろのほうに結構、時間をかけずに得点できる問題があったりしますからね。

木下:私は全然工夫はしていなくて、最初から順番に解いていました。1問何分と決めて、それ以上かかりそうだったら飛ばすようにしていました。とりあえず最後まで行って、解けそうな問題に戻る。

本川:私も基本は最初からですが、「財務」だけは、解けなかったら飛ばすようにしていました。ただし「経済」では、最初から解いたことでタイムマネジメントに失敗しました。合格はしたのですが、得意科目にもかかわらず、60点しか取れませんでした。

木下:私もタイムマネジメントが下手で、最初のほうの問題で無駄に頑張ってしまうんです。解けそうで解けない問題に一生懸命になりすぎて、時間が足りなくなってしまう。2年目の「経済」と「財務」でその失敗をして、ギリギリ不合格でした。タイムマネジメントがうまくできていれば、後ろのほうであと1問くらいは得点できたかもしれませんね。

「あきらめるルール」を持つ

司会:解く順番については、自分なりのルールを決めておいたほうが良いということですね。

全員:そうですね。

本川:また、「あきらめるルール」が必要だと思います。つまり、"やめどき"を決めておくということですね。

弥谷:私の場合は、時間で解ける、解けないを判断していました。この問題を1分で読んで答えを出せるかどうか、合っているかどうかは別にして、時間がかかるか、かからないかを判断基準にしていました。

本川:私も同じく時間です。解き始めてみて時間がきたら、途中でもやめるようにしました。

木下:私もまったく同じです。時間で切っていました。

横谷:私は、問題を解き始めると途中でほかに行けなくなってしまうので、解ける、解けないの基準を明確に持つようにしていました。過去問を十分にやったという自負がありましたので、自分に解けない問題は、たぶん合否には関係ないだろうと思って飛ばしていました。そして、解ける問題だけ解く。過去に似た問題があったかどうかで判断していました。

木下:私は、どのような問題でもとりあえず解き始めるようにしていたので、事前の見極めは不要でした。できるところまでやって、1問2分とか3分の時間制限がきたら飛ばす、という方法をとっていました。パッと見では決めていませんでしたね。

横谷:私は、試験を受ける前までは不安な気持ちでいっぱいでしたが、試験5分前に「自分はこれから出てくる問題の答えをすべて知っている」と自己暗示をかけていました(笑)。そうすると、知らない問題と見極めていったん飛ばした問題でも、後で戻ってみると解けることがある。飛ばした問題を気にしながらほかの問題を解いているうちに、その問題も解いているんでしょうね。

木下:ルールを決めておくと、落ち着いてできますよね。私は1年目、2年目はパニックになってしまい、解ける問題も落としていたのですが、飛ばすルールを決めた3年目は落ち着いてできました。2年目までは、簡単に見えて解き始めたのに結局解けなくて、一生懸命やってしまって時間がなくなる、という負のスパイラルにはまっていたんです。

2次試験と就職試験の共通点

司会:ほかの受験生を見ていて、「こういった人は受からない」とか、「そのやり方では受からない」と思ったことはありますか。いままでの座談会では、あれこれ手を広げすぎる人はダメ、といった意見がありましたが。

木下:受験校の先生に意見する人ですね。そういう人は、細かいことにこだわりすぎているのかもしれません。

本川友理さん
本川 友理さん

本川:私は、合格してから勉強会に出るようになりましたが、自分の正当性をひたすら主張する人はダメだと思います。私自身、受験校のテキストを疑ってしまったりしていたので、偉そうには言えませんが(笑)。それと、合格後の「中小企業診断士であるべきこと」を考えていない人も、受からないのかなと思います。

2次試験には、絶対的な正解はありませんし、面接もあるので、私は就職試験のようなものだと思っています。就職試験では、「入社してから何をするのか」が見えているのと見えていないのでは、結果が大きく違ってきます。同じように、「中小企業診断士になってからどのようにアドバイスするのか」ということを問われているのが、2次試験なのかなと思っています。たとえば、経営者を批判するのではなく、助ける気持ちを持っていないといけない、とか。

司会:なるほど。面白いたとえですね。ほかの皆さんはいかがですか。

弥谷:持論を展開する人には、聞く耳を持っていない人が多いと思います。客観性が非常に大事なので、人の意見や考え方から吸収できない人は難しいと思いますね。あとは、借りてきた他人の答えを覚えるような上辺だけの勉強では、少し揺さぶられると対応できません。

横谷:驚いたことに、過去問をまったく解かない人もいますよね。過去問は、最初に取組むことだと思うのですが。

司会:結構多いですよね。過去問をハイレベルな問題集の位置づけにしてしまって、後回しにしているんですね。周りに、過去問をやらずに受かった人はいますか。

全員:いないですね。聞いたことがないです。

横谷:過去問をやらなかったら、どこに向かっていいかがわからないですからね。

司会:皆さんは過去問を解く際、書き込みをしていましたか。

弥谷:私はサブノート派でしたので、まったく書き込みませんでした。気づきがあればそれを抜いてきて、サブノートにまとめるというやり方でした。問題への書き込みは、正解した、間違えた、何回間違えた、というチェック印だけです。

本川:1次試験では、私も書き込みませんでした。でも、2次試験は書き込まないと解けないと思ったので、過去問をコピーして書き込みをしました。1次試験の問題は何度も解けるよう、空白の状態にしておいて、間違えた箇所のチェックのみでしたが、2次試験の問題は、色を何色使ったかわからないくらい書き込んでいました。

木下:私は1次試験も2次試験も、書き込んでいました。ただ、1次試験は問題ではなく、解説の重要な部分にチェックをしていました。それも、間違えた問題だけです。問題のほうはきれいなまま、くり返し使うことを考えていました。

横谷:私は、問題が長くて理解しにくかったので、「企業経営理論」だけはスラッシュを引いていました。ほかの科目では、特に書き込みはしませんでした。

(つづく)

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