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試験合格を果たしたばかりの人々による座談会

司会・文:津田 まどか(中小企業診断士)田淵 秀樹(中小企業診断士)

【第1回】平成24年度試験合格者が語る、診断士試験突破に有効なツール

取材日:2013年6月7日

今回の座談会は、平成24年度診断士試験に合格された4名の方々にお集まりいただきました。

受験時代の学習スタイル

司会:最初に、皆さんの自己紹介と、合格までの道のり、学習スタイルなどについてお聞かせください。

平成24年度試験合格者
平成24年度試験合格者座談会

弥谷:弥谷和也と申します。現在は、不動産関係の会社経営をしています。平成17(2005)年に代表職に就いたのですが、会社経営の知識が足りないことを痛感し、中小企業診断士の勉強を始めました。平成19(2007)年5月から学習を開始し、5年少々で合格することができました。1次試験は科目合格をくり返して4年目で、2次試験は2回目の受験で合格しました。学習スタイルは、年度ごとに学校を変えて3校への通学に加え、2次試験対策ではインフォーマルの勉強会も活用しました。

木下:木下綾子と申します。現在は、精密機器メーカーでハンディ端末のソフト開発を担当しています。転職直後にリーマンショックがあったことなどから、自分の先行きに不安を感じ、スキルアップのために経営全般を学べる診断士資格の取得を決めました。受験歴は、1次試験は3回、2次試験は1回です。1次試験はギリギリでの不合格をくり返し、科目合格を積み重ねて3年での合格でした。2次試験は早くから勉強を始めていたこともあって、1回で合格しました。最初は、受験校の通信講座で学習を始めたのですが、ペースがつかめずにだんだんと遅れてきたり、周りの人の進捗具合がわからず不安になったりしたので、2年目からは通学コースで学習しました。

横谷:横谷幸一と申します。地方銀行の融資担当をしています。以前、融資先の新規開拓を行っていたときに、「中小企業の社長の考えを理解し、何らかのアドバイスを行えるようになりたい」と思い、診断士試験を受けることにしました。学習スタイルは、受験校の通学コースです。受験歴は、1次試験1回、2次試験1回のストレート合格です。勉強した内容がすぐに実務に活かせて、とても役立っています。特に、中小企業の経営者が気にする同業他社の状況や社内での権限移譲などについて、知識の裏づけを持って話すことができるようになりました。

本川:本川友理と申します。IT企業でSEをしています。仕事内容は、診断士資格とはあまり関連がないのですが、学生時代に経営工学を専攻しており、せっかくなので何か形に残したいと思い、資格を取ることにしました。経営工学で学んだ内容は1次試験の科目とほぼ同じだったのですが、思ったようには合格できず、1次試験合格までに3年かかってしまいました。2次試験には1回で合格できました。途中までは独学でしたが、1次試験の「中小企業経営・政策」だけは合格までの道筋が見えなかったので、最後の年に受験校の通信講座を受講しました。2次対策も通信講座です。

合格者に共通する1次対策で欠かせないツールとは

司会:最初に、1次試験の直前期を迎えている受験生の皆さんに向けて、1次対策としてもっとも役立ったツールについてお聞かせください。

弥谷:私は、サブノートを活用しました。テキストはわからなかった部分の確認にとどめ、とにかく問題を解き、重要な論点、自分の弱点、知識などを体系的に表にまとめたサブノートを作り、サブノートと問題を行ったり来たりしました。

本川:私は、過去問を中心にやりました。特に苦手だった「中小企業政策」は、毎年変わる部分と変わらない部分があり、勉強方法がわからずに最後まで残ってしまいました。私が受講していた受験校の教材には、その変わる部分と変わらない部分が明記されていて、役に立ちましたね。

司会:サブノートを活用された方は、ほかにもいらっしゃいますか。

本川:私は、過去問で間違えた部分をまとめるのに、ノートを使っていました。

横谷:私は、過去問中心です。過去問の使い方は、GW前までは授業を受ける前に読んで、授業を受けながら読んで、帰ってからもう一度読んで、と3回ずつ触れていました。この段階では、問題を毎回解いていると時間がかかるので、読むだけにしていました。過去問題集は、「出され方を学ぶテキスト」と位置づけていましたね。GW明けからは、過去問を実際に解いてみて採点し、間違えた問題をまた解いて、をくり返しました。また、時間を測って解くことで、本番に向けての時間感覚を養う訓練もしました。

木下:私はノートを作るのが面倒なので、テキストに直接書き込んでいました。それをスキャンし、iPadで読んでいました。過去問もiPadで読めるようにして、どこに行っても読んでいました。「経済学」だけは、受験仲間との勉強会も行っていました。

横谷:私も、インフォーマルの勉強会に参加していました。その勉強会は、学校の1次対策のカリキュラムと並行しながらの2次対策から始まり、GW明けからは1次対策にシフトしました。私は、「情報システム」は実務でのかかわりが少なく、苦手意識があったのですが、仲間にSEの人がいたので、詳しく教えてもらうことができて助かりました。勉強会でも、模試のように時間を測って問題を解き、その後、皆で教え合うことができたのが非常に良かったと思います。仲間がいることで、モチベーションの維持にも役立ちましたし。

司会:そのような勉強会は、どのようにして見つけるのですか。

横谷:受験校の先生の紹介でした。そのクラスでは毎年、インフォーマルの勉強会を結成していて、講師が教えにきてくれることもあります。参加者は業界、年齢などさまざまな人たちが集まり、得意分野もさまざまなので、教え合うのにも便利でした。

2次対策で支持される、効果的なインフォーマル勉強会

司会:次に、2次対策として有効だったツールについて教えてください。

弥谷:2次対策は、過去問を中心に学習しました。2次試験2回目の年は、平成13(2001)年度以降の過去問を、何度もくり返し解きました。各受験校の模範解答をできるだけ多く集め、模範解答を参考にしながら、自分で納得のいく答えを導き出すようにしました。いわゆる「マイ模範解答」の作成ですね。その「マイ模範回答」も、何度も解き直したり、仲間とのディスカッションを通じたりして、少しずつ変わっていくわけですが、くり返しブラッシュアップしていったのが良かったと思います。

ツールで良かったと思うのは、受験校の教材で、企業概要、SWOT分析、経営者の理念・心情、各事例の個別要素のまとめ、そこから導き出される事業のあるべき方向性、経営課題の抽出、解決策の提示という流れを1枚のシートに表現したものです。これを使って、答練や過去問を解きました。私は、このプロセスが2次対策の王道だろうと思っています。実際に、実務補習でも大変役に立ちましたし、企業診断実務のプロセスも同じだと思っています。

司会:「マイ模範解答」のブラッシュアップは、どのようにやりましたか。

木下さんと弥谷さん
木下さん(左)と弥谷さん

弥谷:インフォーマルの勉強会ですね。これがなかったら、いまでも合格していなかっただろうと思います。勉強会は、事例を決めて各自がその解答を持ち寄り、参加者で評価し合うというものです。最後のほうは採点にも挑戦しましたが、これによって、採点者目線で解答を見られるようになりました。

木下:私も2次対策は、同じ受験校の仲間で集まった勉強会が一番役に立ちました。設問の解釈中心のディスカッションです。

司会:受験生だけの勉強会で、正しい解答の方向に向かっているかどうかがわかるものでしょうか。

木下:ほかの受験生の解答で、「これはないだろう」と思うものも否定せずに聞き、取り入れるかどうかは自分で決めようと思っていました。解答に何を書くかは自分の意思で決めますが、さまざまな意見を聞いておくのも悪くはないだろう、と。

ほかの人の解答を見れば、自分のダメな点に気づく。解答が公表されない試験の答えを追求するよりも、さまざまな人の考えを聞いて自分の引き出しを増やすことのほうが重要だと思います。

本川さんと弥谷さん
本川さん(左)と横谷さん

横谷:私は1次試験よりも、2次試験の勉強会のほうが重要性は高いと思います。1次試験は絶対評価ですが、2次試験は相対評価なので、周りの受験生を意識することがとても大事だと思います。答案を書くときには、周りが書きそうなことを詰めて書いて、自分の考えをそれに加えて書くようにしていました。そうすると、周りが得点できている部分はしっかり得点できて、さらに自分が考えた部分でも加点されていました。

本川:私は通信だったので、こもって勉強していました(笑)。ただ、通信教材の解答にあまり納得できず、最終的に行き着いたのは『ふぞろいな合格答案』(同友館発行)でした。

『ふぞろいな合格答案』を使って自分の解答を採点し、見直すことをくり返しました。ほかの人の解答を知ることができ、本当にこの本に助けられました。

(つづく)

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