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一度の受験で1・2次試験を突破したストレート合格者座談会

司会・文:渡辺 まどか(中小企業診断士)

【第2回】体で覚える1次対策、パターンとプロセスを身につける2次対策

取材日:2012年10月9日

中小企業診断士1・2次試験にストレート合格された方にお集まりいただいた座談会の2回目。今回は1次試験・2次試験それぞれについて、皆さんなりの対策をうかがいました。

目で見て、耳で聞き、手を動かす

司会:1次試験の攻略法について、皆さんが「これは良かった」と思えるものをお聞かせください。皆さん、スキマ時間を使って学習されたと思いますので、その方法も教えてください。

深堀:机に向かっているときは、とにかく手を動かすことです。経済学であれば、手を動かして何度もグラフを書く。初めのうち苦手だった財務会計については、計算式をくり返し書きました。1つの計算式だけでなく、解答を導くプロセスを頭にたたき込みました。また、私はジョギングが趣味なのですが、走りながら講義の音声ダウンロードを聞いていました。

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坂井:私は、過去問を中心に進めていたのですが、自分の頑張った足跡が後からわかるように記録していました。テキストに直接線を引いたり、図を書いたりして教材を「汚す」んです。目で見てイメージで覚えることが大事だと感じていたので。過去問にはやった日付や、「できた」、「できない」、「わからない」、「難しい」等、そのときに感じたことも書いていました。

司会:坂井さんは独学でしたが、トータルで何時間くらい学習しましたか。

坂井:学習時間はカウントしていませんでしたが、時間があった5月~6月にかけての2ヵ月間は、毎日朝から晩までやっていました。その時期に集中できたことは大きかったと思います。一方で、7月に転職してからはまったく時間がなくて焦りました。

丸山:私もテキストに直接書き込んで、「汚して」いました。「手を広げると失敗する」と聞いていたので、与えられた教材だけをやりました。先ほど、テキストはストーリーだという話をしましたが、過去問こそストーリーですよね。設問には関連知識がまとめて出てくるので、解説を読んでそのキーワードや周辺知識をテキストに書き込みました。稀にひっかけ問題で、まったく関係のない知識が出てくることもありますが。

坂井:そう考えると、教材との相性は重要ですよね。私のような独学の場合は自分で選べるのでいいのですが、学校を使うとほかを選べませんもんね。

深堀:学校を利用する場合は、それを信じてやるだけです。市販の書籍は、参考程度に立ち読みするだけでしたが、通っている学校が出している市販の書籍は購入しました。でも、独学の方がたくさんある市販の書籍から自分に合ったものを選ぶのは、至難の業かと思います。何かコツやポイントはあるのですか。

坂井:全科目、同じシリーズのものを買うわけではありません。私の場合は、過去問を1回解いてみて、自分がわからないところを把握したうえで書店に行きます。たとえば、経済学の「マネーサプライ」がわからなかったら、その説明を何冊か読んでみて、一番しっくりくるものを選びます。全体を見て選ぶわけではなく、自分が疑問に感じたことがわかりやすく書かれている本を選ぶのがポイントです。難しく書いてあるものには目もくれません。

司会:自分で選んだ教材をやりきるコツは何でしょうか。

坂井:独学だと、学校のカリキュラムのようなペースメーカーがないので、取り組む前に目次に予定の日付を書き込みました。実際に学習を終えたら、さらにその日付を書き込みます。後からそれを見返してみて、「この日は結構、頑張ったな」と達成感を味わうようにしていました。また、よくわからないところは計画どおりに進まないので、弱点もわかります。

村越:時間がないときは、覚えなくてはいけないものを自分の声でICレコーダーに録音し、それを聞きながら歩いていました。後から聞いてみると、録音したときの台風の音が入っていたり、読み間違いをしていたりしていて結構恥ずかしいんですけれど、それごと覚えるんです。

解答のパターンを知り、対応としてのプロセスや型を身につける

司会:次に、2次試験対策についてお聞かせください。

丸山:1次試験のときにキーワードを紐づけて覚えていたことが、2次対策でもすごく活きました。2次試験は、一般常識や経験をもとにした解答を書いてはいけませんが、やはり改善提案にはパターンがあります。たとえば、「工場の原価が高いときには、どんな問題があるのか」を考えるときに、与件や設問のキーワードから関連知識を引っ張ってくる。演習を解いた後は、自分が書けなかった解答要素を全部洗い出し、関連知識としてストックしていました。

私が最初に2次の演習を解いたときは、たった11点だったんです。間違えた問題を振り返るのはストレスですが、足りない89点分をごっそり取り返そうと思って、自分の答案と向き合っていました。学校のホームページには優秀な受講生の参考答案が公開されていたので、それも参考にしました。特に部分点をとっているところに着目し、メモしてストックしていました。

深堀さん(左)と村越さん
深堀さん(左)と村越さん

村越:私も最初は10点台でしたが、同じクラスに50点の人がいました。悔しくて一晩泣いた後、良い点をとった方の答案を見る機会があったのですが、模範解答どおりには書かれていないことがわかりました。ただ、他の人の答案を見てもプロセスはわからないので、あまり意味がありませんよね。その後は、模範解答の中でもいいフレーズはストックし、それが自分にとってのファイナルペーパー(重要論点をまとめたもので、直前期に有効なツール)になりました。いいフレーズかどうかの判断基準は、「この発想は飛んでいて、とてもじゃないけど書けない」と思ったものを排除することです。問題と模範解答のフレーズはセットで覚えて、いつでも使えるようにしました。

深堀:私には学習仲間がいたので、解答プロセスをディスカッションによって共有しました。ディスカッションをくり返すうちに、自分の解答プロセスを説明できるようになっていきましたが、このプロセスがすごく大事だと思ってやっていました。解答中の対応として意識したことは、時間配分をしっかりと行うことです。設問ごとに所要時間をあらかじめ決めて、たとえ解答途中でも時間がきたら次に進む。この練習のかいもあって、本番でもそのとおりにできました。80分の時間配分は大まかに決めていましたが、細かな配分は、解くときに各設問の難易度を踏まえて微調整しました。

坂井:私は、2次対策は1次試験の後で始めたのですが、過去問をやっても80分ではまったく解けず、そのまま8月が終わってしまいました。市販の書籍を参考に、設問ごとに与件をマーキングするやり方でしたが、解答プロセスは独自のやり方で作っていたため、模試の結果は試験のたびにバラついてしまいます。このままでは厳しいと感じ、最後の最後に資格学校の2日間の演習を受けに行きました。そこで、因果関係の整理方法や解答プロセスの改善方法等を教わり、独学で試行錯誤していたところがスッキリした記憶があります。最後の2~3週間は、ひたすらそのトレーニングをしました。個人的には、2次対策は受験校に行ったほうがいいのかなと思います。私の場合は、コンサルタントとしての経験から、ヒアリングした情報の整理や体系化に慣れていたことが功を奏しましたが、独学はあまりお勧めできませんね。

(つづく)

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