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目指せ! 中小企業診断士

さまざまな中小企業診断士登録養成機関の実態に迫る

取材・文:岩村 信寿山下 典明

【第3回】中小企業診断士養成課程交流会参加メンバーに聞く [4]

取材日:2012年9月30日

<兵庫県立大学大学院・村上健司さん>
特徴:国公立大学で唯一の養成課程、地元企業や商工会との産学連携に積極的

― 診断士資格取得を目指したきっかけを教えてください。

村上健司さん
村上健司さん

村上:営業部門だけでなく、生産管理や研究開発といった部分も含めて、経営者の視点で自身の会社のことを考えたいと思っていた矢先に、上司から受験を勧められたのがきっかけです。経営トップに対して助言やコンサルティングを行う仕事が向いていると言われ、そのスキルアップにと、2008年秋から勉強を始めました。

― 診断士資格取得後に目指すのは、どのような姿でしょうか。

村上:企業内診断士として、いま勤めている企業内、さらには組織内外での影響力を高めていきたいと思っています。関係部門間の調整・パイプ役になるとともに、参謀として経営トップに絶えず助言と進言を行い、企業としてより実効性のある経営戦略の企画・立案のサポートを行うことで、自社が社会的責務を全うできるようになることを目指していきたいです。

― 村上さんの同期の方々についてお聞かせください。

村上:2012年度3期には16名が在籍し、20~60代と幅広い年齢層(平均40歳)で構成されています。受講生でプロコンとしての独立を示唆する方は少ないようですが、さまざまな議論を通して、熱い思いがひしひしと伝わってきます。

― 兵庫県立大学大学院を選んだ理由を教えてください。

村上:設置が2010年と新しく(私で3期目です)、教える側にも学ぶ側にも、「これから創っていくんだ」という気持ちが強く感じられます。モチベーションが非常に高いため、ここなら意欲を持って研究や学習に取り組めると感じました。

― 兵庫県立大学大学院の特徴は何でしょうか。

村上:国公立大学で全国唯一、中小企業診断士養成課程を持つ大学院であることが最大の特徴です。また、西日本でも数少ない養成課程機関で、各地から学生を集めています。兵庫県下の企業や商工会との強いパイプを持ち、産学連携での取組みが盛んです。

また、マーケティング系・組織系の講義は、実際のケースをもとにしたディスカッションや、リアル店舗を観察・レポートするといった充実度の高いものとなっています。これは、兵庫県下の企業や商工会議所と連携できる、即戦力としての中小企業診断士輩出を目指していることの現れと捉えられます。さまざまな業種に属する受講生に加え、他学部の学生や海外留学生との交流もあり、幅広いネットワーク構築が可能です。将来独立を考えている人にとって、非常にありがたい環境ではないでしょうか。

講師は大学教授と実務家で構成されており、その比率は1:1です。経営研究科長の佐竹隆幸教授は、地元テレビのニュースや経済番組にレギュラー出演をされるなど、地元経済界に対して積極的な活動を展開なさっています。実務家には中小企業診断士が多く、プロコンとして日々、企業コンサルに従事されています。

このように、兵庫県下の企業や商工会議所との強いパイプを活かした産学連携が盛んなことは、当校養成課程の特徴であると同時に、大きな魅力となっています。

<法政大学大学院・石川知穂さん>
特徴:充実した講師陣、インキュベーション制度

― 診断士資格取得を目指したきっかけを教えてください。

村石川知穂さん
石川知穂さん

石川:武蔵野市のまちづくり活動において、「もっと地元の商業活性化を支援できるようになりたい」と思ったことがきっかけです。武蔵野市の委員会で女性診断士の方にお会いして、中小企業診断士の存在を身近に感じたことも大きかったです。

― 診断士資格取得後に目指すのは、どのような姿でしょうか。

石川:2013年春、無事に診断士資格を取得できたら、商業活性化を支援する中小企業診断士として活動したいと思っています。また、若手アーティストを支援すべく、アートマネジメントにも従事できればと考えています。

― 石川さんの同期の方々についてお聞かせください。

石川:2012年度6期には21名が在籍し、20代後半~50代と他校より若い年齢層(平均35歳)で構成されています。通学期間は1年間で、平日日中に講義があるため、退職またはすでに独立している方が過半数を占めています。このような状況から、卒業後の進路を独立系コンサルタント、または起業家とする方が多いですね。診断士視点に起業家視点が加わることで、より一層多面的な視点で議論が交わされる点は、他校にない魅力となっています。

― 法政大学大学院を選んだ理由を教えてください。

石川:1年間で、診断士資格とMBAを取得できる点に魅力を感じました。また自宅から通学しやすく、法政の卒業生だったので、入学金と教育充実費が半額になる点も大きなポイントでした。

― 法政大学大学院の特徴は何でしょうか。

石川:当校の養成課程通学者は、昼間も必修授業があるため、休職もしくは退職して来ている方がほとんどです。そのため、実習作業等で長時間にわたってともに過ごすことが多く、密度の濃いグループ作業を行っていると思います。

講師は大学の先生、起業家、中小企業診断士等、多種多様です。多くの視点から学べることが魅力で、受講生の満足度も高いように思います。なかでも特徴的なのが、エスノグラフィー(定性的調査)です。これを通して、フレームワークだけで判断するのではなく、現場での体感も重視することをたたき込まれます。アカデミックな印象を抱いていた方は、この点に驚かされると同時に、良い意味でのギャップにとても満足しているようです。

他校にない当校の特徴には、「インキュベーション制度」(イノベーション・マネジメント専攻では、法政大学が連携するインキュベーション施設を使ってプロジェクトを実行に移すことができる)があります。利用するためには、事業計画を提示し、学校側に承諾されることが条件となります。この事業計画は、当校の養成課程(MBA課程を含む)で、卒業論文の代用として作成が課されています。卒業後の「インキュベーション制度」利用を事前に考慮しているとも捉えられます。充実した先生方から学び、熱心な仲間たちと切磋琢磨し、事業計画を計画的に熟考できる、そのような環境を1年間得られることは、大きな価値ではないでしょうか。卒業後に独立を目指す方にとって、非常に魅力的な環境であると言えます。

なお事業計画は、入学試験で課される研究計画を基礎とします。この研究計画は、自身の行動実績と相関性があること、そして達成への情熱が感じられることが重視されるようです。自身のキャリアビジョンを抱いていることが入学条件であると、換言できるかもしれません。

― 私が受験した時には養成課程の情報が少なく、非常に苦労した覚えがあります。今回のインタビューで得られた情報は、これから養成課程を検討される方にとっては、非常に役立つ情報だと思います。皆さん、本日は貴重な情報を提供していただき、ありがとうございました。

(おわり)