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複数回受験で2次試験を突破した合格者座談会

司会・文:渡辺 まどか(中小企業診断士)

【第1回】失敗経験から考察する、中小企業診断士2次試験とは

出席者(発言順):早坂裕史/岩崎真朗/上品香代/木下和人
司会・文:渡辺 まどか(中小企業診断士)

取材日:2012年8月29日

今回の座談会は、中小企業診断士2次試験を4回以上受験した経験をお持ちの、4名の合格者の方にお集まりいただきました。前回の1次試験編に引き続き、受験生の皆さんにとっては、とても貴重なお話が聞けそうです。

自己紹介と受験生時代の学習スタイル、受験歴

合格者座談会

司会:本日は、2次試験を4回以上受験した経験をお持ちの、4名の合格者の皆さんにお集まりいただきました。1次試験とは違った難しさを持つ2次試験の対策について、ご経験を踏まえたお話をうかがえればと思っています。まずは、皆さんの自己紹介と受験歴、受験生時代の学習スタイルをお聞かせください。

早坂:早坂裕史と申します。大手受験校で診断士講座の講師をしています。また、行政書士としての活動もしており、現在は司法書士の資格取得を目指して学習しています。受験生時代は、現在勤めている学校に通学し、同じ教室の仲間とのインフォーマルな勉強会にも所属していました。受験歴は1次試験3回、2次試験4回で、4年の受験期間を経て2009年度に合格しました。

岩崎:岩崎真朗と申します。百貨店に勤務しており、現在は物流子会社に出向中です。業態柄、土日も仕事のため、通学がかなわず、複数の学校の通信クラスと自主勉強会のメーリングリストに参加し、学習をしていました。1次試験対策については主に、市販の教材を使った独学でした。受験歴は1次試験4回、2次試験4回ですが、6年の受験期間を経て2010年度に合格しました。

上品:上品香代と申します。マンションの管理会社で、会計業務に従事しています。受験生時代は早坂さんと同じく、通学とインフォーマルな勉強会で学習を進め、勉強会では過去問や演習についてディスカッションをしていました。受験歴は1次試験4回、2次試験4回で、2010年度に合格しました。

木下:木下和人と申します。輸送機器製造業で、製品開発に20年近く従事しています。受験生時代は早坂さん、上品さんと同じく通学で、基本的にはインフォーマルな勉強会に所属していました。受験歴は6年間で、1次を6回、2次を4回受験の末、2010年度に合格しました。

何度も受験したからこそ痛感する、診断士2次試験の本質

早坂裕史さん
早坂 裕史さん

司会:皆さんは受験生時代、意欲的に学習に取組まれていたにもかかわらず、2次試験合格までの道のりが長かったという共通点をお持ちです。長い受験生活の中で印象的なエピソードがあれば、お聞かせください。たとえば、つかみどころがないと言われる2次試験の本質について、何となく理解できたきっかけなどはありませんか。

早坂:私は受験3年目の頃、何となく本質がわかるようになりました。2年目のとき、受験校の成績が良かったにもかかわらず、本試験では落ちてしまった。その理由が、当時はわからなかったんです。そこで、いろいろな情報を集めつつ原点に戻って、「国家資格に求められているものは何だろう?」と考えてみたのです。

診断士試験は、コンサルタントとしての知識やスキルが問われる試験です。ですので、問われたことを、具体的に解答にまとめる必要があります。「コンサルタントの試験であること」が、本質と考えたのです。そこで3年目からは、そのことを意識して取組むようになり、事例 IIとIIIでは狙ってA評価をとることができました。ただ、事例 I はB評価でした。「商品特性」を問われていた問題に対し、与件文の記述をもとに見当違いな解答を書いてしまったのです。また、「シングルワークステーション」の効果について問われた問題では、組織人事事例であるにもかかわらず、「モチベーションアップ」という解答が書けなかった。合格者の再現答案をもらって分析したところ、合格している人は、「事例 I は、組織人事の事例であること」を踏まえて、ちゃんと書けていたんです。自分と合格者との明らかな違いは、その2つでした。合格者は、得点すべきところでちゃんと得点がとれているんです。

岩崎:私は、2次試験を初めて受けるとき、「過去問さえやっていれば受かるだろう」という考えのもと、くり返し過去問を解きました。それでも合格できなかった。そこで早坂さんと同様に、「中小企業診断士には何が求められているのか?」を考え、「診断して助言すること」であると気づきました。複数の提案を多面的にして、お得な診断助言をわかりやすく伝えればいいのだと。

また、アウトプットで成果を出すために、試験時間80分のプロセスを作りました。ただ、作った年は作るだけで終わってしまって、道具として使えなかった。そこで最後の年は、過去問を80分で解く中で、プロセスを追加修正して道具として使えるようにしました。さらに、合格者の再現答案と自分の答案とを比較して、自分に足りない部分を把握することで、安定的なアウトプットができるように努めました。

早坂:自分に足りないところを、見ようとしない受験生が多いんですよね。その作業がとても大事なのに。

上品香代さん
上品 香代さん

上品:私は、本試験問題の与件文と解答にはパターンがあると考えていました。ですので、ある程度問題を解けばパターンを引き出せるようになり、解答を導くことができるようになると思ったんです。ただ私の場合は、そこに固執したのがいけなかったと、2次試験に2回失敗して気づきました。事例企業には個性があるので、パターンや過去の記憶に頼りすぎてはダメです。それぞれの事例企業の各設問に対し、「なぜ、その提案を導き出したのか」といった思考プロセスを説明できる必要があるのです。

もう1つの失敗は、解答を作成するときにあまりにもキーワードを網羅しすぎて、わかりづらい文章になってしまっていたことです。コンサルタントの試験ですから、きちんとビジネス文書として出せる文章にしなくてはいけません。社長に見せることができる解答でなくてはならないですよね。

木下:私が2次試験を初めて受験したときは、それまで1次試験に集中していたため、対策が不足していました。その年の評価は、事例 I からそれぞれCDDAとボロボロでした。翌年は、学校の講師の教えに基づき、2次試験対策をロジカルに学びました。結果はAAACでしたが、財務事例の応用的な問われ方に対応できず、計算間違いばかりでした。またこの年は、勉強仲間から事例 I の私の解答に対し、「これでは、組織人事事例の解答ではない」と指摘されたことがありました。3年目は、改善策や助言を問われている問題に対し、与件文中の事例企業を取り巻く環境の現状ばかり書いてしまって、ACBCという評価でした。前年より悪い結果に終わってしまい、かなり落ち込んだのですが、問われていることに素直に答えることが重要と認識しました。そのこともやはり、勉強仲間から指摘されましたね。

司会:皆さんの話に共通しているのは、聞かれたことにちゃんと答えることが必要ということですね。

(つづく)

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