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目指せ! 中小企業診断士

複数回受験で1次試験を突破した合格者座談会

司会・文:渡辺 まどか(中小企業診断士)

【第1回】中小企業診断士1次試験の難しさとは

出席者(発言順):安藤実彦/上品香代/大森渚/吉成篤
司会・文:渡辺 まどか(中小企業診断士)

取材日:2012年6月11日

今回の座談会は、中小企業診断士1次試験を3回以上受験した経験をお持ちの、4名の合格者の方にお集まりいただきました。2012年の本試験を目前に控え、受験生の皆さんにとっては、とても貴重なお話が聞けそうです。

自己紹介と受験時代の学習スタイル

司会:司会を務めさせていただく、渡辺まどかと申します。「目指せ!中小企業診断士」では、これまでも診断士受験生向けに、さまざまな情報発信をしてきました。今回からは新たに、ある共通点を持った合格者の方々にお集まりいただき、その共通点をテーマとした座談会を実施していきます。

企画第1弾の今回は、中小企業診断士1次試験を3回以上受験した経験をお持ちの、4名の合格者の方にお集まりいただきました。本日は、皆さんのご経験を踏まえて、1次試験対策を中心にお話をうかがえればと思います。どうぞよろしくお願いします。まずは、皆さんの自己紹介と、中小企業診断士を目指したきっかけをお聞かせください。

安藤 実彦さん
安藤 実彦さん

安藤:安藤実彦と申します。都内の大手印刷会社に勤める企業内診断士です。もともとはエンジニアでしたが、現在は事業戦略や事業計画立案を中心にM&A、会社設立等の業務に携わっています。2010年の試験に合格し、2011年に登録しました。現在は、初めての実務従事に取組んでいます。中小企業診断士を目指したきっかけは、仕事でスランプになったときにたまたま読んだ本の内容が、資格取得を勧めるものだったことです。そして、人に対して提案やアドバイスができるようになるためには、中小企業診断士がよいだろうと判断しました。いまは、学んだことがそのまま活かせるスタッフ部門の仕事ができており、充実しています。

司会:安藤さんとは、私が受験1年目のときに、インフォーマルの勉強会でご一緒させていただきました。当時、合格点に2点足らずで悔しい思いをされていましたが、そうしたご経験も交えて、お話を聞かせてください。では上品(うえしな)さん、お願いします。

上品:上品香代と申します。マンションの管理会社で、入社以来、会計業務に従事しています。2011年登録で、診断士活動としては、Vividyで自主セミナーを開催したり、飲料メーカーの企業診断を行ったりしています。また、研究会にも参加して、企業内診断士と交流を図っています。中小企業診断士になろうと思ったきっかけは、部署内で問題が山積みだったときに、上司に説明するための知識や手段が必要だと感じたからです。夫が先に学習していたこともあって、学習自体は楽しかったですね。私にとっての診断士資格は、さまざまな人と会話をするためのツールです。

司会
司会

司会:上品さんは、1次試験合格後に、再受験で苦汁をなめた経験をお持ちなので、合格した年としなかった年の違い等もお聞かせください。では大森さん、お願いします。

大森:大森渚と申します。診断士登録は2010年で、独立してもうすぐ1年になります。当初は、ネットショップ専門のコンサルタントを目指していたのですが、いまは業種を問わず、ホームページやソーシャルメディアの活用セミナーの講師等をやっています。また、Vividyでの活動のほか、月刊『企業診断』では連載もさせていただいています。資格を目指したきっかけは、当時勤めていた会社で診断士資格を推奨していたことですが、親戚の経営していたお店の経営がうまくいかなくなったときにアドバイスができなかった悔しさも、大きな原動力となりました。独立したのは、母親が自営業だったことや、自分の"自由人"な性格からも、必然だったと思います(笑)。

司会:大森さんは、独学から通学への学習スタイルの切り替えで1次試験を突破された経験をお持ちなので、そのあたりもお聞かせください。最後に吉成さん、お願いします。

吉成:吉成篤と申します。2011年登録の中小企業診断士ですが、独立して1年7ヵ月になります。営業力強化支援、若手のビジネススキル育成支援、ISO27001取得支援コンサルティング等の業務を行っています。2次試験を受けず、養成課程を経て中小企業診断士になりましたが、協会の活動にも積極的に参加しています。昨年から、東京都中小企業診断士協会中央支部のビジネス創造部に所属しており、2011中央支部会員of the yearの1人に選んでいただきました。診断士資格を目指したきっかけは、SEだったとき、ITのシステムで会社を救うのに限界を感じたことです。「コンサルタント」というキーワードでインターネット検索をし、この資格を知りました。独立のきっかけは、通っていた学校の講師から刺激を受け、「独立して日本の中小企業を救いたい」と思ったことです。コンサルティング会社への転職を経て、独立しました。

司会:吉成さんは、科目合格制度を活用して、3回の受験で合格された経験をお持ちなので、その間の変化等についてもお聞かせください。では、本題に入ります。皆さんの受験歴と学習スタイルを教えてください。

上品香代さん
上品 香代さん

上品:私は1次試験を4回、2次試験も同じく4回受験しています。1次試験は、学習を始めた1年目だけ通学しましたが、その後は独学でした。

安藤:私は1次試験が3回、2次試験が3回です。学校に通いながら学習していましたが、最初の2007年試験は、合格点に2点足らずで3科目落とし、翌年は1次試験に合格するも、2次試験で敗退しました。2009年は、2次の受験資格はあったのですが、1次を再受験して420点ジャストの合格点をとり、翌年の2次試験で何とか合格できました。

大森:私は1次試験が3回、2次試験が2回です。1次試験については、最初の2年間は独学でした。1年目は1科目も合格できず、2年目で2科目合格、3年目で残り5科目に合格しました。3年目で合格できた理由は、受験校に通学して効率的な学習ができたことです。独学でやっていたときは、「テキストの最初から最後まで覚えなきゃいけない」と思い込んでいました。と同時に、「覚えさえすれば、合格できる」と勘違いもしていました。だから、ひっかけ問題にすんなりひっかかってしまったんですよね(笑)。

吉成:私は1次試験が3回、2次試験が0回です。受験校に通学して2次試験対策もやっていましたが、受験はしませんでした。1次試験合格後、2次試験はとても難しく、学習に費やす時間も多大にかかると思い、時間的コストを考えて一番効率的だと思った養成課程に進みました。養成課程は、意外と費用対効果が高いのではないかと考えたんです。勉強を始めた年は、仕事の都合で1次試験を受けられず、2年目で2科目、3年目で3科目、4年目に2科目に合格しました。

1次試験になかなか合格できなかったワケ

司会:ズバリ、皆さんが1次試験合格に苦労した理由をお聞かせください。

大森 渚さん
大森 渚さん

大森:「財務会計」と「経済学」には、まったく触れたことがありませんでした。最初は独学だったので、科目合格制度を使って3年で合格する計画だったのですが、市販のテキストを読むだけの学習スタイルでした。過去問はまったく解きませんでしたね。テキストを読んでサブノートをつくって、まるで大学受験のノリでした。販売士やシステムアドミニストレーターは、その方法でも独学で合格できていたので、それでいいと思っていたんです。

司会:それまでに独学で取った資格と診断士資格との違いは、何ですか。

大森:学習しなくてはいけない科目や領域が多いことと、問題のひねくれ方でしょうか。ひっかけ問題が多いので、覚えれば合格できるという試験ではありませんよね。

司会:過去問をやらなかった理由は、何ですか。

大森:「同じ問題は二度と出ないから、やらない」と考えていたからです。「本試験ではどういった出され方をするのか」という過去問分析の必要性に、そもそも気づいていなかったんですね。

吉成:私も、大森さんと同じような状態です。シスアドや基本情報の資格を持っていたので、サブノートをつけながら、ただテキストの内容を覚えるという学習スタイルでした。通っていた学校の答練はやりましたが、過去問は解かない。最初に受ける答練は、テキストの知識だけである程度解けてしまったので、覚えさえすればそれなりに点数はとれると思っていて、覚えた知識を応用するという考えはありませんでした。もちろん、講師からは過去問を解くようにといわれましたが、テキストの内容を覚えてからでなくては、過去問を解いても意味がないだろうと思っていたんです。

(つづく)

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