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診断士資格取得のもう1つの道、中小企業大学校を知ろう

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

【第2回】想像以上にハードな受講生の毎日

取材日:2011年11月28日

第1回で「目的意識を明確にして来て欲しい」というお話がありました。プログラムが実践を重視しているため、『教えて貰う』という意識では続かないという背景があってのお言葉だと考えられます。実践を重視して第一線級の講師が指導をするということは、目的意識を持った人であれば、実務補習よりも遥かに濃密な体験が続けられるということでもあります。そこで今回は、受講生の毎日について質問してみました。

レクチャーよりも演習が中心の講義

小泉明久・研究指導員
小泉明久・研究指導員

- 実践重視のカリキュラムというのは、実際にはどのようなことをするのですか。

いわゆる座学形式のスタイルではなく、机上でケース演習を行います。ケースといってもほとんどが架空のものではなくて、実際に行われた中小企業支援の事例を基にしています。これをグループで議論しながら、ワークショップ形式で進めていきます。授業時間は9時40分~16時40分、実習は17時40分までですが、事前課題の個人研究を行っていることが前提なので、寝る時間を削っている人もいるようです。土日祝日は基本的にはお休みですが、実習が入ることもありますし、実習期間に入れば休んでいる暇はないようです。実習先企業さんに行ったら、先方の業務時間に合わせなければなりません。ですから、お店が20時までなら、それまでの時間で顧客アンケートをとったりすることもあります。

- それはハードですね。入学前にしておくことはありますか。

基礎知識は身につけてきていただいているのが前提です。少なくとも1次試験の知識を総復習しておかないと、講義についていけません。また、体力的にもハードなので、体調を整えておくことも大切です。

- 寮生活で通学時間が少ない分、ゆっくりできるかと思っていましたが、そんなことはなさそうですね。

受講生それぞれでメリハリをつけて生活されていますね。時には仲間で飲みに行くこともあるようです。トレーニングで走っている人もいます。ただ、実習が始まったら、ほとんど余裕はないようです。

講師も受講生も学校も真剣勝負

演習の様子
演習の様子

- 私も(社)中小企業診断協会が実施する実務補習で、指導員を担当させていただくことがあります。実習先は講師が確保する流れになっていますが、中小企業大学校ではどうなさっていますか。

講師ではなく、学校側でケースも実習先も準備しています。実習の目的にあった診断テーマを合わせることも大切ですし、講師と実習先の慣れ合いのようなものがあっても困ります。生きている企業が相手だからこそ、講師も受講生も必死にならざるを得ませんし、学ぶことも大きいと考えています。

- 講師も大変ですね。

現場では、初めてのケースに遭遇することも多いわけですから、受講生は現場で対応できるようにスキルを磨いてほしい。だからこそ、それができる方に講師をお願いしています。講師は、受講生へのインストラクションと、プロとしてのコンサルティングの2面性を持っていますので、それなりのクオリティを維持してもらわないと困ります。先生方に高い意識を持って取り組んでいただくためにも、実習先を学校側で手配することは大切だと考えています。

- 支援機関との交流があるだけに、実習先には困らないのでしょうね。

そんなことはありません、苦労していますよ。支援機関や金融機関などの紹介もいただきながら実習先企業にお願いしていますが、十分に企業数を確保するのは大変です。

- 印象に残っているエピソードはありますか。

報告会が終わった時に、泣き出す受講生がいますね。報告会までに苦労を重ねてきて、経営者から感謝の言葉をもらうと、感極まってしまうようです。

- 実習で経営者から感謝の言葉をもらえると嬉しいですからね。そうすると、実習先の評価は高いのでしょうか。

講師の先生も熱心に指導してくださるので、実習先の評価は高いですね。大体、7~8名のグループに分かれて実習を行うのですが、いくら中小企業診断士の卵とはいえ、実習先の期待を満たす質の報告書を提出しなければなりません。嬉しいことに、実習を受け入れてくださった企業の中には、リピーターになってくださることも少なくありません。

(つづく)

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