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目指せ! 中小企業診断士

中小企業診断士&受験生女子会・Vividyの取組み

取材・文:渡辺 まどか(中小企業診断士)

【第1回】診断士界に女性を増やしたい!

― Vividy設立の経緯と活動内容

取材日:2011年4月26日

ここ数年、女性の中小企業診断士が増えつつあるとは言え、いまだその割合は、全体の5%にも満たない状況です。一方、女性ならではの視点を求める中小企業や公的機関からのニーズは、増加傾向にあります。
「自分らしくいきいきと、診断士活動をしたい」―このような思いを持つ女性診断士が集まって結成された、中小企業診断士&受験生女子会・Vividy(ヴィヴィディ)。その取組みとメンバーインタビューを、4回にわたって掲載いたします。

女性ならではの思いや悩みを共有したい

渡辺まどか

私が診断士資格を志し、受験校への通学を始めたのは、2006年11月のことでした。当初、中小企業診断士という資格について無知に近い状態だった私は、教室に入ったとき、あまりの女性の少なさに驚きを隠せませんでした。たしか、教室にいた80人くらいのうち女性は5人程度だったと記憶しています。講師も、全員が男性でした。

そして、学習を進めるにつれて、「こんなに魅力的な資格なのに、なぜ女性が少ないんだろう」という疑問が生まれてきます。幸いなことに私の場合、多くの勉強仲間に恵まれ、その中には女性もいたため、心細い思いをせずに済みましたが、2008年の試験に合格し、(社)中小企業診断協会などのイベントや研究会に参加するようになってからますます、この偏った業界構造を不思議に感じるようになりました。

「女性の中小企業診断士を増やすためのきっかけづくりができたら...」―そんな思いもあって、私は受験校の講師試験を受けました。最近は以前に比べ、教室内の女性の人数も少しずつ増えつつありますが、それでもまだ他士業に比べれば、少ない状況です。

資格を取って1年目の2009年度は、何もわからぬまま手探り状態で、あちこちに出向きながら今後の方向性を模索する日々でした。当時は、IT系の企業に勤める企業内診断士でしたが、自身の専門性を前職の美容業界とすることを心に決め、2010年1月に独立しました。この間、診断士登録と同時に開設した個人ブログのおかげで、たくさんの受験生と交流を持つようになっていました。もちろん、受験校の講師として少しずつ活動し始めたことも、大いに影響しています。そのため、2009年度合格者の女性たちとも、スムーズに交流が始まりました。

そして2010年5月6日、7人の女性が集まって、第1回目の会合が開かれました。会合と言っても、一般的な"女子会"と同じで、食事の美味しいお店に集まってガールズトークに花を咲かせる程度のものです。その後は、「女子力アップ診断士会」という仮称のもと、3ヵ月に1回程度集まって、各々の診断士活動などの情報交換をしていました。他の集まりと違う点は、仕事と家庭、診断士活動のバランスや、アンチエイジング(老化防止)対策としてのお肌のお手入れ方法、お稽古ごとなども話題に上ることでしょうか。

あっという間に、60名を超えるコミュニティに

最初は、「ただ単に気の合うメンバーだけで、ゆるくつながっていけばいい」と思っていました。正直に言うと、私自身が女性の集団が苦手だからというのが、大きな理由でした。ところが、中小企業診断士になってから出会う女性は、お世辞抜きに素晴らしい方ばかりで、いままで抱いてきた同性に対する苦手意識がすっかり払拭されたのです。また、ブログやTwitter、Facebookを通じて、全国の診断士クラスタの方たちともつながりが持てるようになりました。そして気づけば、自分を介して中小企業診断士や受験生の女性同士がつながっていく様子を目の当たりにするようになっていました。

Vividyロゴ
Vividyロゴ

そんなある日、受験生の方からこんなことを言われました。

「受験生の女子会を開いてもらえませんか?」

このひと言がきっかけで、初めて対外的にメンバーを募ることになりました。直接つながりがあった受験生数人に声をかけた以外は、ブログとTwitterによる告知のみでした。ところが、あれよあれよという間にメーリングリストの登録数が増え、現在は全体で60名を超えるまでになりました。女性の口コミの力の偉大さを思い知ると同時に、このような取組みに対し、援護射撃をしてくださる男性の中小企業診断士や受験生が存在することを認識でき、心強く感じました。

Petit-Vividyロゴ
Petit-Vividyロゴ

フラットな人間関係を築いていくためにも、組織をむやみに大きくすることは考えていませんでした。一方で、この「女子力アップ診断士会」の活動を、今後本格的に盛り上げていこうという話が浮上します。メンバーの投票により、この会の名前を「いきいきとした女性」を意味するVividy(Vivid+Ladyの造語)とし、受験生女子会に関してはVividyの妹分という位置づけで「Petit-Vividy(プチヴィヴィディ)」と名づけました。イメージカラーやロゴマークなども決定し、Facebookページ、Twitter、ブログなどでのブランディングを始めたところです。

頑張りすぎない、ゆるいつながり

Vividy Facebookページ
Vividy Facebookページ

集団やコミュニティを表す言葉として、「グループ」と「チーム」があります。「グループ」は単なる集団組織を、「チーム」は目的意識を持って集まる組織を意味します。私は、Vividyはグループではなく、チームでありたいと思っています。そのうえで、Vividyの担う役割は、次の3つだと考えています。

  • キラキラした診断士女子(受験生)が集まるプラットフォーム
  • 女子限定の情報交換の場
  • 中小企業診断士としての仕事を創出・提供する場

あえて、"女子"という表現をしますが、女子ならではの華やかさやパワフルさがある半面、当然悩みもあります。同じ中小企業診断士であっても、性別の違いはライフスタイルの違いにつながります。男性以上に、仕事と家事、子育て、プライベート、診断士活動のバランスをうまくとっていく必要があります。Vividyメンバーの平均年齢は30代前半ですが、主婦も母親もたくさんいます。企業内診断士が大半ですが、独立診断士も、そして専業主婦もいます。このように多様なメンバーの集まりであるため、お互いがアドバイスし合える存在なのです。Vividyは、これといった規則のない任意団体であるため、ゆるいつながりを維持しつつ、自分のペースに合わせて活動に参加することができます。仕事と家庭を優先しながら、本当に自分が参加したいときだけ参加する―それが、Vividyのあり方です。

総会プレゼン資料
総会プレゼン資料

通常、VividyとPetit-Vividyは個別のメーリングリスト上で情報交換をしていますが、共通のプラットフォームとして、Facebookページ、Twitterを展開しています。加えて年に1回、総会という名の合同オフ会を開催し、中小企業診断士と受験生のリアルな交流の場を設けているのも特徴の1つです。このVividyというチームの存在が、1人でも多くの女性診断士や受験生の拠り所になればと願っています。

今後は新たな取組みとして、メンバー間で仕事を相互に紹介し合ったり、資格更新要件のポイント取得のためのチームコンサルティングを行ったりしていきたいと考えています。手始めとして、公的機関から請け負ったセミナーの仕事を、メンバー7名と一緒に手がける予定でいます。また、Vividy内にプロジェクトチームを結成し、自主セミナーなども開催していきたいと考えています。

私の専門とする美容業界のコンサルティングも、女性診断士のニーズが非常に高い分野です。女性診断士の活躍の場は、これからますます拡大していくことでしょう。

(つづく)

【参考サイト】