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「中小企業診断士1年目の会」幹事OB座談会―アンケート結果からみえたもの

司会・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第1回】中小企業診断士試験の勉強法

参加者:丸山芳子高橋芸臣岡田憲政(以上、中小企業診断士)
司会・文:福島 正人(中小企業診断士)

取材日:2010年12月1日

(社)中小企業診断協会東京支部では毎年、「中小企業診断士1年目の会」というイベントが開催されています(参考:2009年度「中小企業診断士1年目の会」レポート)。今回は、「中小企業診断士1年目の会」の幹事OBにお集まりいただき、アンケート結果をもとにお話をうかがいました。

自己紹介

司会:2004年に中小企業診断士登録をした福島正人です。本日は、進行を担当させていただきます。では皆さん、まずは自己紹介からお願いします。

丸山:2005年登録の丸山芳子です。登録後、企業内診断士として4年間勤務し、2009年4月に独立しました。独立していま、1年半が経ったところです。

高橋:2008年登録の高橋芸臣です。株式会社アイ・キューという会社で、「人材バンクネット」という転職サイトや、「日本の人事部」という人事部系情報サイトの営業マネージャーをやっています。よろしくお願いします。

岡田:2009年4月登録の岡田憲政です。アパレルメーカーに14年在籍し、営業を8年、商品の企画生産を6年やっていました。2010年10月に独立したばかりです。

あと2点足りない...

司会:まずは、中小企業診断士の受験生時代をテーマにします。「中小企業診断士1年目の会」アンケート結果によると、中小企業診断士試験の学習期間は1~3年という人が、約7割です。皆さんはいかがでしたか。

学習期間
<出典:(社)中小企業診断協会東京支部2010年2月11日「中小企業診断士1年目の会」事前アンケートより>
<参考:平成22年2月診断士1年目の会事前アンケート結果報告((社)中小企業診断協会東京支部)>

丸山:私は、1次試験は3~4ヵ月程度しか勉強しませんでした。その年は1次試験が合格、2次試験がダメでしたので、翌年に再び2次試験を受けて合格しました。結構、特殊なケースだと思いますので、あまり皆さんのご参考にはならないかもしれません。当時の勉強方法については、(株)同友館から出版されている『中小企業診断士試験大合格体験記―合格者のアンケート調査&再現答案で試験対策もバッチリ』という本に書かせていただいています。

司会:そうすると、1次試験は3~4ヵ月で受かったということですね。

丸山:私は、試験慣れしているところがあるので...。でも、試験制度も科目合格制度が採用されるなど変わってきているので、いまでは通用しないノウハウもあると思います。

司会:では、後ほどその秘訣などをお話しいただきたいと思います。次に高橋さん、お願いします。

高橋:私は3年かかりました。1次試験は2年目で合格し、その年の2次試験は落ちましたが、翌年の2次試験で合格しました。

岡田:私は通算で4年間です。1次試験には3年目で合格しましたが、その年の2次試験はダメで、翌年の2次試験で合格しました。1次試験では、2年目で418点という、あと2点で合格という悔しい経験をするなど、いろいろな思い出があります。

司会:今回のメンバーの学習期間は、2年、3年、4年という長さだったのですね。では、岡田さんの勉強法からお聞きします。どのような勉強方法をしていたのでしょうか。

岡田:私は受験指導校に通っていました。受験生時代の後半は、高橋さんと同じクラスで勉強していたんです。1次試験は、「やったか、やらなかったか」の世界。あまり学習時間がとれず、合格までに3年かかりました。2次試験については、受験指導校の講義後にグループ学習をやりました。1チーム10人くらいの有志で、講義が終わった後に答案をコピーし、全員の答案を見ながら、「何であなたはこうしたのですか」、「私はこういう意図で解答しました」といったディスカッションをしました。

幹事OB座談会

司会:そうすると、土曜日か日曜日に受験校に行き、その後に勉強したのですか。

岡田:午前・午後と受験校の講義に参加し、夕方5時に終わってからは、近くの公民館みたいな場所を借りて3~4時間やっていました。

司会:朝から夜まで、ずっとやっていたんですね。すごい。で、高橋さんは一緒の勉強会だったと。その勉強会というのは、自主的にやっているものなのですか。

岡田:正式には自主的な組織なんですが、きっかけを受験指導校がつくっています。「こういうものをやるから、やりたい人は集まって」と言われるんです。それから、志向に基づいてグループ分けされます。

司会:なるほど。それで、その勉強会は役に立ったんですね。

岡田:そうですね。受験時代も役に立ちましたし、いまになってもやっぱり、そのつながりは大きいです。

司会:合格してからも、そのネットワークが生きていると。高橋さんの受験生時代はどうでしたか。

まずは模擬試験を受ける!?

高橋:最初の1次試験は落ちて、2年目は科目合格1年目のときだったんですが、その頃は2次試験も意識しながら勉強し始めましたので、とにかく毎日、財務を一生懸命やりました。2次試験の勉強だけしているときもそうだったんですが、財務を最低1時間は勉強することをルールにして、ひたすら毎日。

司会:平日もですか。

高橋:はい。朝5時に起きてとか、方法はいろいろですが。

司会:高橋さんは企業にお勤めですが、時間のやりくりとかは大丈夫だったんですか。

高橋:そうですね。睡眠時間を削れば...。

一同:(笑)

高橋:私は朝型なので、夜がダメなんですね。それで、夜はさっさと寝ることにして、朝4時とか5時に起きて勉強時間を確保しました。それから、当時の仕事が営業でしたから、外回りをしているときにも小刻みに時間を確保しました。1次試験は特に、その方法で対応できました。

司会:中でも、財務に力を入れたと。では、丸山さんはどのような勉強をしてきたのでしょうか。

丸山:私は受験指導校には通わず、独学で勉強しました。先ほどお話しした『大合格体験記』にも詳しく書いてありますが、1次試験に合格しないことには2次試験の心配をしても意味がないので、最初はとにかく1次試験の勉強をしました。私の作戦としては、どのような試験なのかを把握するために、まずは模擬試験を受けること。勉強を始めたばかりで、内容がよくわかっていなくても、すぐに受けたんです。そこで、時間配分や選択肢の数、自分の得意・不得意などを把握しました。私の場合、模擬試験を受けた結果、徹底的にやらなければならない科目が財務だとか、情報システムはあまり勉強しなくても対応できるとか、そういった戦略ができました。その後、受験参考書をひととおり勉強しました。

司会:2次試験対策は、どのようにされたのですか。

丸山芳子さん
丸山 芳子 さん

丸山:2次試験も、毎週定期的に通うというのではなく、2日間合宿などのような講座に単発で参加しました。すみません。受験指導校にはお金をかけていないんです。

司会:皆さん、いまのお話に出た「模擬試験を最初に受ける」という方法は、どう思われますか。

高橋:敵を知ることは重要ですよね。私は、知らなかった。

丸山:模擬試験を受けると、たとえばマークシートなので30分くらいでできてしまう科目もあれば、考えるのにすごく時間のかかる科目もあるとか、そうした時間配分がわかります。それから、いまは制度が変わりましたが、中小企業政策などは試験時間が120分で、全部時間を使わなくても大丈夫だとわかりました。そこで、頭をリフレッシュするために途中で寝る時間をつくるなどの対策をしました。60分経ったら、まだ全部問題は解き切れていなくても、このペースなら寝ても大丈夫だという配分の中で、頭を休める。

高橋:すごいですね。

岡田:試験途中に寝るなんて、考えたこともなかったですね。

丸山:ここまでお話ししたのは、本番の試験についてですが、模擬試験のときは、問題を全部解き終わって時間が余っていても、見直さずに退室しました。知らないことばかりで、考えてもムダなので。そして、退室したらすぐに、解けなかった問題を教科書でチェックしていました。模擬試験に出るのは重要なポイントなので、すぐにインプットしたんです。そういった形で、模擬試験を2回ほど受験しました。でも、本番の試験のときは絶対に、時間ギリギリまで退室しませんでしたよ。ひらめきの神様が降りてくるかもしれませんので。

司会:すごいですね。特殊な例だと思います。

岡田:でも、理にはかなってますよね。

(つづく)

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プロフィール

丸山芳子

丸山 芳子(まるやま よしこ)

2005年中小企業診断士登録。デジタル放送、マーケティング会社での勤務経験を活かし、中小企業向けに新規事業支援、CRM、販路開拓支援、商圏分析支援等を行っている。そのほか、海外事業支援(アジア)、事業再生、アグリビジネス支援なども手がけている。著書に『女流経営』(共著・メディア総合研究所)。その他保有資格:システムアナリスト、中小企業事業再生マネージャー(ターンアラウンドマネージャー)、キャリアコンサルタント、農業経営アドバイザー。NPO法人アジア女性経済会議理事。


高橋芸臣

高橋 芸臣(たかはし まさおみ)

1975年生まれ。龍谷大学経済学部卒業後、求人広告代理店に入社、求人広告営業を行う。その後、戦略子会社立ち上げメンバーとして、WEB求人メディアの営業を行う。 現在はHR関連企業(研修会社、人事コンサルティング会社等)のビジネス機会を提供・支援する、HRビジネスパートナー。 2008年中小企業診断士登録。東京支部城北支会所属。


岡田憲政

岡田 憲政(おかだ のりまさ)

中小企業診断士。GSSコンサルティング代表。1973年生まれ。 アパレルメーカーで営業・商品企画・生産管理に従事した後、2010年独立。サプライチェーンマネジメント、マーケティング、店舗開発・運営に関するコンサルティング事業、企業・自治体向けの研修事業を展開中。現場に入り込み、実行・定着までを支援するハンズオン型のコンサルティングを行う。