経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

目指せ! 中小企業診断士

「診断士受験502教室」管理人・及川勝永さんに聞く

取材・文:永井 謙一(中小企業診断士)

【第3回】中小企業診断士としての活動

取材日:2010年11月17日

いよいよ、人気ブログ「診断士受験502教室」(以下「502教室」)の管理人・及川勝永さんにお話を伺う最終回になりました。及川さんは2004年、資格受験予備校の講師として中小企業診断士の活動を始め、「教える」仕事を中心に活躍の場を広げていらっしゃいます。「教える」ことへの思いを中心に、中小企業診断士としての活動について伺いました。

「教えたがり」を活かす

― 及川さんは、試験合格時はコンピュータメーカーにお勤めでしたね。合格後の中小企業診断士としての活動について、お話しいただけますか。

もともと私は、「教えること」が好きなんです。たまたま、合格後に開催された資格受験予備校の祝賀会で講師募集の案内があったので、「せっかく資格を取ったのだから、何か動き出そう」と申し込んでみました。それまでは、土日を勉強時間にあてていましたので、その時間を活用できるとも考えたんです。そして、講師の採用試験に無事合格し、2004年9月から、平日は会社に勤めながら、週末に資格受験予備校の講師をすることになりました。

― 「教えること」が好きということですが、講師の仕事は充実していましたか。

講義風景
講義風景

とても楽しかったですね。特に、「どのようにしたら、わかりやすく伝えられるか」を考えるのが、とても面白かったです。「語呂合わせ」や「具体的な事例」を紹介するなどして、わかりやすい授業を心がけていました。経営情報システムを苦手とする方も多かったので、ときにはパソコンやケーブルを教室に持ち込み、コネクタなどをみせながら、講義を行ったりもしました(笑)。

「教える」仕事での独立

― 及川さんは2005年に独立されていますが、どのようにして決意されたのですか。

独立前、自分の強みを確認するために、過去に自分がどのようなことをしたとき、いきいきとしていたのかを振り返ってみたんです。すると、会社員の頃、メンバーに対して新サービスの説明内容を考えたり、それをプレゼンテーションしたりしたときにいきいきと働いていたことや、中学生の頃、語呂合わせを考えてクラスの仲間に教えたのが妙に楽しかったことが浮かんできたんです。そこであらためて、自分が「工夫して教えることが好きだ」と確認できたんです。

独立に踏み切る際のもっとも大きなハードルは、妻の説得でした。自分の夢や希望をいろいろと説明して理解を求めましたが、安定した収入を失うことに対する不安から、なかなか認めてもらえません。そこで、オプションを提示したんです。独立の条件として、年間収入の目標を決め、もし1年でその目標を達成できない場合は、サラリーマンに戻ると。それで、妻も理解してくれました。

そして、講師としての経験と自信もついてきたので、2005年7月に思い切って独立し、「教える」仕事に専念することにしたんです。結果として、1年目の収入目標をクリアすることができ、独立前の収入も上回ることができました。

― 目標を明確に定め、その目標を1年目から達成するとは、すごいですね。ところで、資格受験予備校の講師はどのくらい続けたのですか。

講義風景
講義風景

3年ほど担当しました。講師業は楽しかったのですが、妻に言われたんです。「もう少しすると、子どもに遊んでもらえなくなっちゃうよ」と。考えてみると、受験勉強を始めた頃は3歳だった息子が、受験生と予備校講師を5年やっている間に、8歳になっていたんです。その間、土日はほとんど遊んであげられなかったんですよ。このとき、「自分がいま、やるべきことは何か。いましかできないことは何か」を強く意識するようになりました。息子にとっては、いまが親と過ごす重要な時期なのだと思ったんです。そこで、資格受験予備校の講師を辞め、土日は子どもと過ごすことにしました。

「現場で使える知識」を教えたい

― 現在も、「教える」仕事が中心なのでしょうか。

現在は、企業研修を中心に活動しています。企業研修では、手法の説明に加え、現場で使えることを訴求することで、納得性を高められると考えています。そのため、双方向の情報のやりとりから、具体的な課題を即興で考えてみたりもします。

― 及川さんは、月刊『企業診断』の連載や、『2010年版中小企業診断士2次試験 事例80分料理法』(以下『事例80分料理法』)の執筆をされていらっしゃいますが、執筆ではどのようなことを心がけていますか。

現在は、月刊『企業診断』で「仕事で"使える"受験知識」を連載していますが、「診断士試験で学習した知識が実務で使えないと、もったいない」と思っています。そのまま使うのがなかなか難しいものもありますが、少しひねりを加えることで、考え方を実務で活用できるのではないか―そのような視点で、執筆しています。せっかく学んだ知識ですから、現場でいろいろと活用してほしいと思います。

2010年版中小企業診断士2次試験 事例80分料理法
2010年版
中小企業診断士2次試験
事例80分料理法

― 一方で、『事例80分料理法』というネーミングは、とてもインパクトのあるタイトルですね。

以前、与えられた素材のみを使って料理をつくり、料理人同士が優劣を競う「料理の鉄人」というテレビ番組がありましたが、2次筆記試験もある意味、よく似ていると思います。素材として与えられた与件文と設問文を、自分の知識を活用しながら料理して、解答としてまとめ上げるわけですから。『事例80分料理法』には、合格者の再現答案や料理法(ノウハウ)が収められています。この料理方法は、人によってさまざまですから、合格者の料理法は受験生にとって、大いに参考になると思います。他人のプロセスを真似てみるのも、1つの学習方法ですからね。

人材育成の分野で貢献したい

― 今後、及川さんは、活動のフィールドをどのように広げていかれるのでしょうか。

やはり「教えること」が好きなので、研修講師の分野で活躍していきたいです。「人材育成」は、定型的なパターンで教えられない難しさがあります。同時に、教え方にはさまざまな方法が考えられるため、オンリーワンのノウハウを築くことができると思います。そのため、人材育成は、やっていて面白いと感じています。

いまの日本は、競争力が低下していると思うんです。技術で他国と差別化すること以外に、「組織」や「人」の力を高めることでも競争力は高められると思うんです。話は少し大きくなりますが、これからの日本を元気にするためにも、「教えること」で貢献していきたいと思っています。

― 最後に、診断士試験の受験生や、これから学習を始めようとしている方へメッセージをお願いします。

私は、診断士試験の学習内容を、ビジネスパーソンの一般教養として、多くの方に学んでもらいたいと思っています。学習範囲が経営全般にわたるものであるため、学習した内容は、どの分野の仕事であっても実務で活用できると思います。もちろん、合格を目標に学習してほしいのですが、万一合格できなかったとしても、学習して得た知識は、決してムダにはならないと思います。

また、中小企業診断士はお客様の未来をともに創っていくことができる、とても素晴らしい資格です。多くの方に学習していただき、中小企業診断士として活躍してほしいと思います。

今回お話を伺い、及川さんが教えることが好きでいらっしゃることを、強く感じました。今後、さらに人材育成の分野で活躍されることを期待しております。また、及川さんが考えられているように、多くの方が中小企業診断士の学習に取り組まれることを願っております。長時間、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

(おわり)

【こちらもおススメ!】

プロフィール・会社概要

及川 勝永(おいかわ かつなが)
1970年茨城県生まれ。大学卒業後、大手ゼネコンに入社、空港建設など大規模プロジェクトに携わる。転職先の外資系コンピュータメーカーでは、サービス部門のビジネスプロセスアナリストを経て、自社オンラインストアのシステム企画を担当。2004年中小企業診断士登録。翌年独立し、(株)エクセルウィルを設立。中小企業のコンサルティング、企業研修など幅広く活躍中。

会社名: 株式会社エクセルウィル
代表: 及川勝永
所在地: 茨城県守谷市松前台7-9-9
TEL/FAX: 0297-21-7222
E-mail: katsunaga.oikawa@excelwill.jp
ブログ: 診断士受験 502教室
- 受験生のモチベーションをアップするコミュニティサイト