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目指せ! 中小企業診断士

「診断士受験502教室」管理人・及川勝永さんに聞く

取材・文:永井 謙一(中小企業診断士)

【第1回】中小企業診断士という資格との出会い

取材日:2010年11月17日

今回ご登場いただいたのは、人気ブログ「診断士受験502教室」(以下「502教室」)の管理人・及川勝永さんです。及川さんは、「502教室」を診断士受験生の交流の場として運営されるとともに、「502教室」を通じて受験生にさまざまな情報を提供されています。今回は、及川さんに受験生時代を振り返っていただき、当時の学習方法や試験に対する取組み方などを伺いました。

キャリアアップとしての「中小企業診断士」資格

― 初めに、中小企業診断士の学習を始めたきっかけを教えてください。

及川勝永さん

コンピュータメーカーに勤務していた30歳の頃、上司や先輩が働いている環境をみながら、「自分は将来、あの先輩や上司のようになりたいのだろうか」、「この先の自分の人生はどうなるのだろうか」と、漠然とした不安を感じたんです。そして、「とにかく何かしなければならない」と焦っていました。

そんな折、たまたま近所の書店に行ったときに、ラックに置いてある資格受験のパンフレットが目に入ったんです。「資格というのも何かヒントになるかもしれない」と、あるだけのパンフレットを全部もらってきて、自宅で1つずつみていったところ、その中にたまたま中小企業診断士のパンフレットがありました。

第一印象としては、さまざまな科目があり、とにかく学習するうえで「飽きないだろう」と感じたんです。それと、ITは得意分野でしたから、「情報システムは、あまり勉強しなくてもパスできそうだな」とも思いました。私にとっては、この2点が診断士試験にチャレンジするきっかけでした。それが2001年10月のことです。

重視したのは、集中できる学習環境

― 学習はどのように進めたのですか。

基本的には、資格受験予備校での講義受講が中心でした。土曜日に講義を受け、日曜日に自習するなど、週末は勉強していましたね。自習するにしても、自宅から1時間ほどかかる資格受験予備校の自習室を活用していました。私は、意志が弱いんです。それを自覚していたので、いろいろと誘惑の多い自宅ではあまり学習しませんでした。強制的に学習しなければならない空間を自らつくり、その場所で集中して学習していました。

― 学習のオンとオフを、場所によってうまく使い分けていたのですね。平日はお勤めだったと思いますが、どのような工夫をされましたか。

まず社内で、診断士試験を受けることを公言したんです。そして上司には、「仕事は効率よく進める」ことを条件に、残業の必要がない日はなるべく定時で退社することを認めてもらいました。試験直前期には、退社後、図書館に寄って30分~1時間勉強していました。図書館は会社からは少し離れていたのですが、高校や大学受験を目指す若い学生に混じって勉強しましたね。ライバル(?)がいる分、集中できて学習効果は高かったと思います。

また、それまで同僚との外食が多かったお昼休みは、受験した2年間のほとんどを学習にあてていました。妻にお願いしてお弁当をつくってもらい、それを10分程度で食べると、残りの50分を学習時間に使いました。妻には、本当に感謝しています。私は、特に財務会計を苦手にしていたので、お昼休みは財務の勉強だけをしていました。振り返ると、このお昼の学習は本当に集中できて、よかったと思います。

学習から離れてみることも、ときには必要

― 受験生の頃は、どのようにしてモチベーションを高めていたのですか。

「モチベーションは、どんな人でも必ず下がるときがある」と自分に言い聞かせていたので、モチベーションが下がったときは気分転換をしていました。

受験1年目は2次試験で落ちたのですが、このときもっともモチベーションが下がりました。1年間、家族を犠牲にしていたし、さらに1年間学習を続けても受かる保証はないし、妻に何と言えばよいのかを考え、とてもモヤモヤした気持ちでした。そこで、合格発表後2ヵ月間は、学習しないことを決意したんです。モヤモヤした気持ちのまま学習しても効率は悪いだろうし、診断士試験の学習から離れてみようと思ったんです。しかし実際は、しばらくすると「学習したい」という気持ちが高まり、1ヵ月後には勉強を再開していました(笑)。結果的には、勉強をしなかったことが、その後のモチベーションの向上につながったと思っています。

また、ライバルを設定するのは、モチベーションの維持に有効だと思います。私の場合、1年目は明確にライバルを設定していました。当時の資格受験予備校の同じクラスに、優秀な受験生がいたんです。常にその人と一緒に行動し、刺激を受けていました。それが、モチベーションの維持につながっていたと思います。

試験で力を発揮するには

― 受験生の頃に受けた印象に残るアドバイスはありますか。

及川勝永さん

印象に残っているのは、「2次試験であなたが難しいと感じる問題は、ほかの人も難しいと感じている」というものです。このアドバイスによって、「難しいと感じた問題は失点しても大きな問題はないけれど、誰もが正解する問題には慎重に対応しよう」と考えるようになりました。

また、「診断士試験は、100点を狙う試験ではない」というのも印象に残っています。特に、1次試験ではこのアドバイスが有効で、問題を解く際にあらかじめ、「簡単に解けるもの」、「もう1回考えれば解けそうなもの」、「いくら考えても解けそうもないもの」の3段階に分けて、確実に解けそうな問題から取り組んでいました。60点以上をとれればよい試験ですから、4割は間違ってもいいわけです。

― 試験直前期や試験当日には、どのようなことに気をつけていましたか。

直前期には、いままで学習してきたことの徹底的な復習を主眼にして、新たな知識の習得はあえて行いませんでした。当然、知識は多いほうが有利になるとも思いますが、中途半端な知識は試験では役に立たないと思ったからです。また試験前には、「1週間で事例を3つ見直す」など、無理なく達成できる勉強スケジュールを立てて、「やり切った感」を持って試験を迎えるようにしていました。

そのほか、事前に試験当日の休憩時間に確認する資料を決めておきました。私は、科目ごとにまとめたポイント集を作成していたんです。これは、答案練習、模擬試験、テキストから「できなかった問題」を抽出し、その問題について「なぜ解けなかったのか」、解くために「何をしなければならなかったのか」という3つの要素をまとめたものでした。

― 中小企業診断士の学習を振り返って、どのようなことを感じましたか。

学習を進める中で、経営全般にわたる中小企業診断士の学習内容は、ビジネスに大いに役立つものであると感じました。個人的には、すべてのビジネスパーソンに対して「義務教育化」してもいいくらいだと思っています。

また、2次筆記試験の学習を通じて、よりロジカルな考え方を実践できるようになったと思います。これは私だけでなく、受験生が共通して感じる変化だと思います。結論を述べる際には必ず根拠を明確にするなど、メールや報告書作成など、仕事の中でも活用されるようになり、仕事が随分やりやすくなりました。

やはりメリハリをつけ、集中して学習することが重要なのですね。学習方法やモチベーションの管理など、及川さんの中小企業診断士試験に対する取組みは、受験生の皆さんにも大いに参考になるのではないでしょうか。また、及川さんが実際に学習されて感じていらっしゃるように、中小企業診断士の学習は、実務に活用できる幅広い知識なのですね。

(つづく)

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プロフィール・会社概要

及川 勝永(おいかわ かつなが)
1970年茨城県生まれ。大学卒業後、大手ゼネコンに入社、空港建設など大規模プロジェクトに携わる。転職先の外資系コンピュータメーカーでは、サービス部門のビジネスプロセスアナリストを経て、自社オンラインストアのシステム企画を担当。2004年中小企業診断士登録。翌年独立し、(株)エクセルウィルを設立。中小企業のコンサルティング、企業研修など幅広く活躍中。

会社名: 株式会社エクセルウィル
代表: 及川勝永
所在地: 茨城県守谷市松前台7-9-9
TEL/FAX: 0297-21-7222
E-mail: katsunaga.oikawa@excelwill.jp
ブログ: 診断士受験 502教室
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