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診断士試験に必要な「矛盾を溶け合わせるバランス感覚」 書籍『受験生最後の日』×月刊『企業診断』連載「伝説の合格者たち」コラボレーション座談会

司会・文:堀切 研一(中小企業診断士)

【第3回】バランス感覚が合否の生命線 [2]

参加者:井上 龍司/小久保 和人/但田 真紀/渡辺 まどか(発言順)
司会・文:堀切 研一(中小企業診断士)

取材日:2010年8月8日

過去の自分の頑張りが、本試験での自分を支えてくれる

司会:なるほど。そのバランス感覚について、本番で気をつける方法はありますか。

渡辺まどかさん
渡辺 まどか さん

渡辺:この時期だからこそ、感じていることがあります。昨日は1次試験の1日目(取材日は2010年8月8日)でしたが、受験生のブログやツイッターをみると、難易度が高かったこともあり、精神的に落ち込んでいる方が多かったんですね。そのつらさが、すごく伝わってきました。

人間だから、できなかったら気持ちは落ち込みます。それは仕方ない。でも、それまで頑張ってきたのであれば、自分で自分を信じてあげることが大切です。自分で自分を応援し続けるのです。マークシートを塗り終わるまで、自分が自分の最大の応援者であるべきです。心が折れそうになるのは皆、一緒です。わからなくてパニックになってしまう方と、自分をうまく立て直せる方の差は、自分を信じ切れているかどうかだと思います。

司会:自分で自分を応援するための根拠として、何が必要でしょうか。何が自分を支えてくれるのでしょうか。

渡辺:いままでの自分の頑張りだと思います。この日のために頑張ってきた、過去の自分ですね。それがあれば、自分を信じることができるはずです。

司会:自分を信じる根拠をつくるために頑張る、という側面もあるのでしょうか。

渡辺:そうですね。その自信がなくて当日を迎えてしまったら、信じ切ることはできないと思います。

司会:未来の自分は、何かの役に立ちませんか。

渡辺:役に立つと思いますよ。たとえば私は、合格祝賀会に出席している自分をイメージして、やる気を高めていました。

司会:ウエイトとしては、どちらの比重が高いでしょうか。

渡辺:やっぱり、「これだけやってきた」という過去のほうが、自分を支えてくれるでしょうね。

司会:2次試験当日の事例 I をみたときに、難しくて焦ったりはしませんでしたか。

渡辺:それはありませんでしたね。マシーンになって、淡々と解くだけだと思っていましたから。「それだけのことをやってきた」という自負もありました。

司会:なるほど。ありがとうございました。

では最後に1人ずつ、受験生の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

但田:「中小企業診断士になったから、人生がバラ色になる」なんてことはありませんが、自分自身、中小企業診断士にならなければ得られなかったチャンスをたくさんもらっているのも事実です。中小企業診断士になったおかげで、これまで立てなかったスタートラインに立てたと思っていますし、結果的に人生が変わったほどのインパクトはありました。

資格で得られることの限界を知りながら、ポジティブな姿勢を持つといいですね。資格を取る目的をはっきりさせ、自分の目標への通過点として、その手段の1つに中小企業診断士資格取得を置けば、取組んだ意味をみつけられると思います。

司会:限界を知りつつも、可能性を感じて取組むことが大切なんですね。ありがとうございます。では渡辺さん、お願いいたします。

渡辺:インドのヒンズー教の経典で、「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。運命が変われば、人生が変わる」という格言がありますよね。私はまさに、そのとおりだと思っているんです。

私の場合は、中小企業診断士を目指して心を変えたこと、受験校に通って行動を変えたこと、毎日の勉強のために習慣を変えたこと、これらの積み重ねがあって、最終的には人生が変わりましたし、それを体感してきました。自分次第ではありますが、中小企業診断士は、インパクトを与えてくれる可能性を持つ資格です。だからこそ、受験生のときから合格のその先をみつめてほしい、と思います。

司会:コツコツと積み上げたことが、最終的に大きな変化を起こしますが、その先の大きな目標をつねに意識することが大切なんですね。ありがとうございます。では小久保さん、お願いいたします。

小久保:自分のやる気と行動力があれば、中小企業診断士のネットワークは、大きな助けとなってくれます。また、改革していく余地もあるので、そこをうまく自分のやる気と結びつければ、チャンスはたくさんあると思います。特に、企業内診断士の潜在的なパワーを社会のために有効活用するなど、中小企業診断士の活躍の場は、まだまだ広げていけると思いますね。

司会:自分自身のやる気と工夫により、いくらでもチャンスが活かせる資格だということですね。ありがとうございます。では最後に、井上さん、お願いいたします。

井上:今日、主宰している研究会で、「振り返り」をテーマに議論をしたんですが、その中で、「耳の痛い課題から逃げないほうがいい」という話をしてきました。

たとえば、受験生時代の私には、「都合のいい解釈をしがち」という短所がありましたが、自分としては恥ずかしいことで、あまり向き合いたくなかったため、置き去りにしていました。でも、それをやっている限りは受からないと思い、本番間際に真剣に向き合うようにしたんです。このように、試験勉強の中で直していかなければならない課題は、たくさん出てきます。もちろん、向き合いたくないときもあると思いますが、自分を成長させるのは、向き合いたくない課題に取組んだときです。それらから逃げない覚悟ができたら、合格が近づいてくるのでしょう。「自分に負けない」とか、「自分から逃げない」という言葉をよく耳にしますが、これをもう少し具体的に言うと、「耳の痛い課題から逃げないで向き合う」というアドバイスになるのだと思います。

座談会の様子
座談会の様子

司会:なるほど。わかりやすいアドバイスを、ありがとうございました。

本日は、皆さんの受験生時代の話から脳の使い方まで、バラエティに富んだお話を伺うことができました。特に、「矛盾を溶け合わせるほどのバランス感覚を持つ」という話は、診断士試験だけでなく、ふだんの仕事や生活においても参考になると思います。受験生の皆さんにも、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

あらためまして皆さん、本日はありがとうございました。

(おわり)

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