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2次試験攻略法―受験生×合格者のパネルディスカッションより

文:三上 康一(中小企業診断士)

【第3回】ピンチの乗り越え方

どれだけ備えをしても、どれだけ注意を払っても、避けることができないのが文字どおり、「不測の事態」です。ただし、そんなピンチにも、乗り越えるための方法はいくつかあります。最終回となる今回は、皆さんにとっておきのノウハウをお伝えいたします。

ピンチへの2つのアプローチ

80分間の試験時間中には、さまざまなピンチが訪れます。

たとえば、設問で何を聞かれているのかがわからず、何を解答すればよいのかもわからない。もしくは、問われていることはわかるが、何を書けばよいのかがわからない...などなど。書く手は止まり、時間は刻々と過ぎ、焦りだけが増していきます。こうした経験は、ある程度2次試験対策を行った方なら、誰もが経験しているのではないでしょうか(筆者も、このようなピンチは何度も経験し、対処できずに失敗してきました)。

さて、このようなピンチに対して、どのようなことが考えられるのでしょうか。ここでは、「ピンチが訪れないようにする」アプローチと、「ピンチが訪れたときにどうするかを決めておく」アプローチの両面から、考えていきたいと思います。

まず、「ピンチが訪れないようにする」アプローチ。その1つとして、1次試験の知識を徹底的に身につける方法があります。

廣澤東さん
廣澤 東 さん

とは言え、ただ覚えるだけでは、2次試験には対処できません。「使えるレベル」にまで深めておく必要があります。知識は、解答に使うだけでなく、設問・与件を理解するうえでも役に立ちます。理解スピードが早まれば、時間を短縮でき、見直す回数も少なくてすみます。結果として、80分間をより有効に使うことができるでしょう。1次試験の合格に安心せず、自身が知識を使いこなせるレベルにあるかどうか、客観的に判断する必要があるでしょう。

パネルディスカッションでも、知識の重要性について盛り上がりました。1次試験の知識を深めるには、まず、深めるべき知識範囲を見定めなければなりません。これには、受験予備校や出版社の2次試験対策用の知識を抜粋したテキスト・書籍が役に立ちます。

また、事例演習を進める中で、不足していると気づいた知識も、ぜひまとめておきましょう。そして、復習の際に、「この問題は、知識があれば失点せずにすんだのではないか」と、つねに振り返る姿勢が必要です。

知識の深め方については、単語カードやサブノートのほか、テキストへの書き込みなど、さまざまな方法がありますが、1つのツールにまとめる必要があります。分散したままにしておくと、全体像がみえにくく、整理しにくいためです。

次に、「ピンチが訪れたときにどうするかを決めておく」アプローチです。まずは、どのような状況がピンチなのかを定義づけ、その際にどうするかを決めておきましょう。パニックは、どうしていいかわからないために生じます。そこで、ピンチが訪れることはある意味、必然と考え、その対処法を考えておくのです。どんなに実力があっても、パニックを起こしてしまうと、合格は遠のきます。対策を講じておくことで、パニック発生のリスクは、飛躍的に低くなります。

ちなみに、どうしても書くことがないときの対処法としては、

  • もう一度、最初から与件を読む
  • 与件からコピー&ペーストして対応できないか、考えてみる
  • 他の設問の解答と重複することをいとわずに、考えてみる
  • 他の事例テーマ(事例 I を解いているのであれば、事例 II のマーケティングなど)から解答を引っ張ってくることができないか考えてみる

などがあります。皆さんもぜひ、実際に使ってみてください。

「自分のやり方」を持つ

井上龍司さん
井上 龍司 さん

以上、3回にわたり、パネルディスカッションを通じて得られた2次試験対策をご紹介しました。1回目では過去問学習の意義、2回目では解答プロセスの構築と実施について、そして3回目の今回は、想定外のピンチへの対処法について述べてきました。筆者がもっとも伝えたかったのは、「事例を解くにあたり、定型化できるものは定型化する」ということです。

もちろん、試験当日の現場対応力も必要ですが、合格に近づくには、一定の「型」が必要です。型が決まれば、事例演習を行う中で、その型が間違っているかどうかもわかります。そして、間違っていれば修正もできるわけです。

「得体が知れない」と言われる2次試験ですが、皆さんは、取組みをそのつど変えていくのではなく、一定の「自分のやり方」を定めておくことが必要だと再度強調して、最後の言葉にしたいと思います。

(おわり)