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2次試験攻略法―受験生×合格者のパネルディスカッションより

文:三上 康一(中小企業診断士)

【第2回】解答プロセスの構築と実践

第2回となる今回は、パネルディスカッションでも多くの時間を費やした、解答プロセスを構築するためのノウハウについてご紹介いたします。

80分間の整理

中小企業診断士試験では、さまざまな能力が問われます。

「整理力」もその1つです。与件をSWOTごとに整理する、課題や問題点を整理する、解答内容を整理するなど、2次試験の80分間では、さまざまなことを整理する必要があります。整理することで、論点が明らかになるとともに、情報の取捨選択が可能となり、解答の精度も高まります。

では、皆さんの80分間の使い方そのものは、整理されているでしょうか。これができていないと、どの作業に何分費やすかが、そのつど変わってしまいます。

渡辺まどかさん
渡辺 まどか さん

この「80分間の整理」が、解答プロセスの確立に役立ちます。その場その場で解答プロセスを変えるのではなく、どの事例にも、同じプロセスで臨む必要があること、そして、自分なりの解答プロセスを構築するには、実際に出題された過去問を使うことが効果的であることは、前回述べたとおりです。

当然ながら、本番では、解答が書かれた解答用紙を提出しなければ得点はできず、白紙では不合格となってしまいます。合格するには、「解答を書く」ことが必須条件となるわけです。

もちろん、納得度が高く、その内容が正解(と思われるもの)に近ければ、言うことはないでしょう。しかし、たとえそうだとしても、採点者に文面で伝えるべく、書くことをしなければ、合格はありえません。逆に、納得はいかなくても、書いたものさえ提出していれば、合格が転がり込む可能性はあるのです。2次試験合格者の共通項の1つに、「試験直後は、落ちたと思うこと」が挙げられます。それだけ、納得度の高い解答を書くことは、困難なのです。

「書く時間」を把握する

まずは、自分の「書く時間」を把握してみましょう。あなたが、100字を書く作業に費やす時間は、何分でしょうか。個人差はあれ、書くだけならば皆さん、おおよそ3~5分程度ですむでしょう。

たとえば、平成21年の2次試験事例 I は、全5問で600字の解答が求められています。つまり、書く内容があらかじめ決まっていれば、18~30分程度で書き上げることができます。すると、残りの50~60分程度は、考える時間に使えるわけです。

今回のパネルディスカッションでも、合格者からこのような意見が出ました。

「一番避けたいのは、考えながら書く、書きながら考えることです。なぜなら、"ながら作業"では考えることのみ、書くことのみに集中できず、各々の作業効率が低下するためです」

もっとも、これは一例です。先に述べたとおり、演習をくり返す中で、皆さんなりのベストな解答プロセスを構築していただきたいと思います。

もちろん、解答プロセスさえ構築すれば、合格が保証されるというものではありません。それを試験会場で実行しなくてはならないのです。

矢口奈保美さん
矢口 奈保美 さん

パネルディスカッションでも、複数の合格者が、2次試験当日にこだわったこととして、「ふだんどおりにやること」、「舞い上がらないこと」を挙げていました。そのためにも、自身が確立した解答プロセスを用いて、くり返し事例演習を行い、体にしみ込ませる必要があります。ちょうど、野球選手が素振りをして、バッティングフォームを身につけるのと同じイメージです。大観衆が固唾を飲んで見守り、平常心を保つのが困難な中、ふだんしていないバッティングをしようとしても、無理というもの。いつもどおりのバッティングをするには、自分の打ち方をくり返し練習する必要があるのです。

試験当日の会場の雰囲気には、独特のものがあります。1次試験を通過した猛者たちが、必死になって勉強してきた2次試験対策の効果を発揮させる、いわば集大成の場です。そんな中、いつもどおりの解答プロセスで事例を解くために、それ相応の備えが必要なことは、おわかりいただけると思います。

しかし、これだけではまだ不十分です。次回は、想定外のピンチへの対処法について、述べていきたいと思います。

(つづく)