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2次試験攻略法―受験生×合格者のパネルディスカッションより

文:三上 康一(中小企業診断士)

【第1回】過去問の重要性

中小企業診断士受験生にとって、最後の難関である2次試験。皆さん、さまざまな方法で2次試験に打ち勝つべく、努力を重ねられていることと思います。
そんな皆さんにとって、ここでご紹介する「受験生×合格者のパネルディスカッション」での議論は、大きなヒントとなるかもしれません。

2次試験の難しさ

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

中小企業診断士試験の合格が簡単ではないことは、読者の皆さんであれば、おわかりだろうと思います。中小企業診断協会のホームページで、昨年(平成21年)の試験結果をみると、1次試験合格率は24.1%、2次試験合格率は17.8%となっていることからも、その難しさは明らかでしょう。

1次試験がマークシート方式であるのに対し、2次筆記試験は論述方式です。各テーマに基づいて4つの事例問題が出題され、1事例を制限時間の80分以内で解きます。登場する4つの企業については、さまざまな情報や背景が与えられ、その与件に基づき、原因、問題点、解決策などの設問に、制限字数内で解答します。ちなみに、1次試験・2次試験ともに解答用紙は提出しますが、問題用紙は持ち帰ることができます。

1次試験では、どの選択肢を解答としたか、問題用紙に印をつけることにより、ほぼ正確な自己採点が可能です。その結果を受け、自分の受験対策の足りない部分や、本試験時のミスを把握することができるのです。

一方、2次試験では、自分がどのような解答を書いたか、正確なところを把握するのは困難です。問題用紙に下書きをしてから解答用紙に記入した方や、解答用紙に記入した自分の解答を問題用紙に書き写した方などは例外ですが、おそらく、ごく少数でしょう。80分という制限時間は、なかなかタイトなものです。

特に、複数年受験生にとって、2次筆記試験の合格を困難にする要因の1つに、「試験終了後、自分の書いた解答が正確にわからない」ことが挙げられます。結果として、自分の再現答案を受験予備校の模範解答と照らし合わせても、正確な差がわからず、とるべき対策も、自分に合ったものになりにくくなるのです。そこで必要になるのが、解答の再現度を向上させる取組みです。

過去問の活かし方

今年(平成22年)の春、ある興味深いパネルディスカッションが行われました。これは、一昨年、昨年と発行された『受験生最後の日 3つのドキュメント』(同友館)の2010年版である『事例80分料理法 受験生最後の日 2つのドキュメント』(同友館)に掲載するべく、2名の受験生の疑問に対し、6名の合格者が回答するものでした。

その中で、真っ先に挙がった質問が、「過去問をどのように学習に活用するか」でした。過去問を活用する意義は、大きく分けて、「自分の分析・確認」と「試験の分析・確認」に分けられます。

<自分の分析・確認>

  • 自分の解答プロセスを分析・確認する
  • 自分に不足している知識・視点を確認する
  • 自分の解答のよかった点、悪かった点を分析・確認する

<試験の分析・確認>

  • 出題形式、出題傾向を分析・確認する
  • 企業情報の与え方(与件の提供の仕方)を分析・確認する
  • 試験委員の著書内容がどのように出題されているかを分析・確認する

ここで、上記「自分の分析・確認」を例に、「自分の書いた解答の再現度を向上させる方法」に話を戻したいと思います。

及川勝永さん
及川 勝永 さん

大事なのは、「自分の解答プロセス」が確立されているかどうか、です。解答プロセスが確立されていれば、試験終了後に設問・与件を読み、自分の解答プロセスにあてはめて解答を導けるため、答案の再現度が高まります。そして、再現度が高まれば、受験予備校の模範解答を参考に自分の解答との差を見出し、対策をとることが可能になるわけです。

もっとも、解答プロセスが確立され、再現度の高い答案を書ける人は、かなり合格に近い位置にいるでしょう。「解答を導き出す道筋ができているため」です。そういう意味では、正しい解答プロセスを構築し、本番でもそのとおり行うことは、「翌年度対策」ではなく、「今年度対策」と言えます。そのためにも、実際に出題された過去問に触れて、プロセスを確立させる必要があるのです。

ただし、試験会場には独特の緊張感があり、初見の問題にパニックを起こして、ふだんの解答プロセスをとれないことも起こりえます。そこで次回は、確立させた解答プロセスをいかに本番でも実行するか、さらには、2次試験における具体的な解答プロセスの構築方法についても、述べていきたいと思います。

(つづく)