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6度の受験を通して得たもの―三上康一さんに聞く

取材・文:田中 聡子(中小企業診断士)

【第3回】独立した今、思うこと

取材日:2010年4月9日

「熱血感動型」というブログタイトルそのままの、熱いエピソードにぐいぐいと引き込まれ、質問攻めにしてしまった取材も終盤を迎えました。最終回は、受験生時代~現在までを振り返り、多くのアクセスを誇るブログや、プライベートについてもお伺いしました。

ブログの功罪

― ブログは、2004年4月から継続されているのですよね。「熱血感動型」というタイトルは、どのような意図でつけられたのですか。

平成15年の試験対策で、死に物狂いで学習していたとき、受験仲間から、「お前、巨人の星の星飛雄馬みたいだな」と言われたことがありまして(笑)。それで、星飛雄馬なら「熱血・感動」だろうと、自分の中にあったイメージで名づけました。でも、まさかそのタイトルに自分が悩まされることになるとは、思いませんでしたね。

「ブログのイメージと実物が違う」と言われることがあって、たとえ口にしなくても、困惑の表情をされることもありました(苦笑)。ハンドルネームや記事の内容から、もっとがっしりした大柄の男性をイメージするのでしょう。最近は、プロフィールに写真も掲載したので、そういったことはなくなるのでしょうけれど...。

実は受験生時代、ブログをほぼ休止した時期があります。自分のモチベーションを維持するために始めたのに、読者の期待に応えることに注力し、本末転倒になってしまったからでした。たとえば、学習時間ひとつとっても、平成15年頃までは、学習らしきことに費した時間はすべてブログに記録していて...。でも、通勤の車内で講義の録音テープを聞いた時間などが、本当に学習時間と言えるのか―それに気づいたから、途中からは、密度の濃い時間だけ記録しようと思った。とは言え、今までの自分の学習時間を参考に頑張っている人がいると考えたら、時間が短くなることにもためらいがありました。また、ハンドルネームが「熱血感動型」だったので、「熱いメッセージをお願いします」といった書き込みをもらうと、つい頑張ってしまう(苦笑)。結果的に、周囲の期待に応えるために、ブログ記事を書いていたときもあるかな、と。正直なところ、いろいろな人に頼られていると感じて、快感だったんですよね。合格してからブログに注力するならいいでしょうが、受験生としては、優先順位を間違えていましたね。

そこに気づかせてくれたのが、ある中小企業診断士の方でした。「三上さんの書くブログは面白い。皆を引っ張っていて、力を与えているとも思う。でも、1回冷やそうよ」と言ってくれたんです。その瞬間、肩の荷が下りた気がしました。「冷やす」とは、コーチに気づかせてもらった「一歩引いてみる」感覚に近かった。受験生でも、なかなか合格できないときは、一度冷やして、引いてみることも大切だと思います。このことがあったから、2次試験の前も帰省して、1回冷やす期間をつくったんです。

一方で、ブログを書いていたからこその出会いも数多くありました。502教室のnetplusさん(診断士受験 502教室 - 受験生のモチベーションをアップするコミュニティサイト)や、先ほどの中村俊基さんをはじめ、多くの方に、会う前から自分を知っていてもらえたのは、紛れもなくブログならではの力です。要は、使い方次第だと思います。

息子に伝わった「父の背中」

― 今はまた、ほぼ毎日ブログを更新されていますね。たまに息子さんのことも書かれていて、微笑ましいです。

三上康一さん

受験のときも、消しゴムを貸してくれたり、一生懸命応援してくれたりしました(笑)。また、6年も勉強していたから、父親が経営の勉強をしていることは、何となく理解できたようですね。会話の中でも、「儲かってるの?」なんて聞いてきたりします(笑)。

受験生時代から、「どうだった?」、「ダメだった」といった会話をくり返しながら、ようやく合格し、書籍も出版できた。子ども心に、「誇らしい」と思ってくれたのでしょう。学校の課題で、「1人1冊ずつ、おすすめの本を選んできなさい」という授業があったとき、息子は『受験生最後の日 3つのドキュメント』を持っていったそうです。子どもが読む本ではないんですけどね(笑)。ほかにも、「お父さんは何をやっているんだ」と聞かれて、「中小企業診断士」と答えたら、先生が驚いてくれた話や、身近にいる夢を叶えた人の話をする授業で、「お父さんのことを話してきた」といった話もしてくれます。くすぐったいですけど、「苦労したのも悪くなかったな」と思ったりしますね(笑)。もちろん、そんなにいい話ばかりではなくて、反抗期なので大変なこともありますが...。

今後に向けて

― 負けてもあきらめない姿勢や、望むものを手に入れたこと、悩んだり喜んだりした様子をお子さんが目の当たりにしていれば、よい影響を与えないわけがないですよね。最後に、今後の三上さんの方向性についてお伺いできますでしょうか。

今は、何でもさせてもらっています。自分では、話す仕事が好きですね。私は、大勢の前で話すときは、人格が変わるんです(笑)。セミナーに受講生として出席したときなどは、積極的に名刺交換の輪に入れないんですけど、講師として招かれたときは、どんどん名刺交換ができてしまう。自然に、オープンな人格を演じられているのだと思います。「よく、そんなにオーバーアクションで話せるね」と言われますが、人前に立つとスイッチが入るんでしょうね。

また、話すときには、自分の弱点も開示するよう、心がけています。たとえば、私が高校時代にうつになった話、それを汚点ととるかウリにするかで、話の内容はまったく変わってきます。私は、相手との垣根が低くなりますから、ウリにしたほうがいいと思うんです。苦労を床の間に飾っておいても、仕方ないですよね。モノを売る場合でも、製品の魅力を伝えるのはもちろん大切ですが、開発者や生産者の人生をウリにする、そんなアピールもあると聞きます。セミナーにおいても、自分の経験をウリにするのは大切だと思います。そうすることで、自分にしか伝えられないセミナーができますから。

とは言え、現在、話す仕事はそれほど多くはありません。現在は「診る」と「書く」が半々で、「話す」はほんの少しですね。これからもっと増えればいい、と思っています。

将来的には、ガソリンスタンドのコンサルタントをしたいですね。今はまだ機会がありませんが、自分の経験を活かして、ガソリンスタンド専門でやっていければ幸せです。「花の咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばす」―これは私のブログのサブタイトルですが、今の仕事一つひとつが、将来やりたいことにつながるよう、自分に厳しく取り組んでいきたいですね。

取材を終えて

見た目はクールな三上さんですが、中身はやはり「熱血感動型」でした。起業して1年目に、一緒に仕事をされている中小企業診断士の方からお祝いのお花が届いた、というエピソードも伺いました。これも、三上さんの仕事に対する熱血で真摯な姿勢が、相手の方に伝わってこそだと思います。今日は長時間、ありがとうございました。

(おわり)

プロフィール・会社概要

三上 康一(みかみ こういち)
1965年青森県青森市生まれ。ガソリンスタンド運営会社に通算20年勤務し、退職後、2009年に三上中小企業診断士事務所を開業。高齢者・フリーターの雇用を主としたコンサルティングのほか、各種セミナー講師、受験生に対するコーチング・指導を中心に活躍中。『受験生最後の日 3つのドキュメント』(共著・同友館)等、著書3冊。

会社名 三上中小企業診断士事務所
代表 三上 康一
所在地 埼玉県川越市小仙波町2-44-11-205
TEL/FAX: 049-226-1867
E-mail: bbb3850@ybb.ne.jp
ブログ: 熱血感動型が【ナイスな】中小企業診断士になるまで。