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実務補習奮闘記―現場の声を聴く

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)川崎 亮二中島 慎也(中小企業診断士)

【第2回】実務補習に集中する秘訣

文:川崎 亮二

実務補習に投入する時間の確保は、すべての実習生に共通する課題です。田中社長が「一生懸命な姿勢」を評価してくださった、実習チーム。彼らはどんな工夫をして、実習に臨んだのでしょうか。チームの中でも最年少、実習1回目の川崎さんに「実務補習に集中する秘訣」をレポートしていただきました。

想像を超える過酷なコース

グループワーク

私は2次試験の合格後、実務補習5日間コースに申し込みました。当初、実務補習は職場体験のようなもので、「あとは登録するだけ」という認識で臨もうとしていました。しかし、実際に参加してみると、会社の業務と家族サービス、実習の時間のバランスをとるのが難しく、連日の徹夜作業など想像を超える過酷な状況でした。

実務補習の位置づけは、「今まで学んできたことを実践する場」、「診断士登録前にこなしておく作業」など、人によって捉え方が異なるかと思います。過酷なコースでしたが、私の場合は、「こんなことを仕事として一生やっていきたい」と心から思えるほど、楽しむことができました。これは、職場や家庭での理解を得ていたことや、チーム内でお互いに助け合ったことなど、周囲との人間関係が安定した状態で臨めたことが非常に大きな要因だったと思っています。

職場や家庭で理解を得るための秘訣

中小企業診断士を志す方には会社勤めの方が多く、実習には有休をあてて参加することも多いでしょう。繁忙期だと、有給取得の申請はなかなか難しいものですが、決して不可能というわけではありません。以下に、私が周囲の理解を得るために行ったことをまとめてみます。

私の場合は、仕事と実務補習を同等の力配分で行いたかったので、可能なかぎり早くから社内に公開していました。上司向け週報にも、試験期間からその進捗を載せ、実務補習の日程や作業なども、業務外活動として業務活動と同等レベルで報告するのです。その結果、上司の理解も得られ、有休ではなく出勤扱いにしていただけました。本連載の3回目に登場する中島さんも、実習が単なる自己啓発ではなく、さまざまな経験スキルを活かすことができる実務の延長であることを上司に説明し、さらに「実習経験を日々の業務に必ず活かします!」という言葉も付け加えて理解を求めたそうです。

むしろ、家庭内の調整のほうが大変でした。資格取得が、仕事の安定や将来のリスクヘッジに役立つことを伝え、この期間中は家族サービスができなくなることを2次の筆記試験の終了直後から話し合いました。とはいえ、妻のご機嫌が悪くなるのは仕方ないので、実習終了後には妻が欲しがっていた雑貨を買って帰りました。これは、他のメンバーも同様だったようです(笑)。

結論としては、「早くから資格取得を周囲に公言し、理解を得る」のが王道です。日頃から、社内や家庭内でのコミュニケーションを円滑に進めておくことがポイントだと思います。

経営者ヒアリングに活きる事前準備

川崎亮二氏

指導員に案内メールをいただいてから、私の中で急速に不安がふくれ上がりました。初めての実習ということもあって、何にどのように手をつけてよいかがわからず、質問メールを送るなどして当日に備えよう、と心がけました。結果的に、指導員のアドバイスをもとに行っておいた事前準備が、ヒアリングで活きました。

私の診断先の会社は、ホームページが充実していました。基本的な情報や社長の理念などに加え、ミニコミ誌の中身や支店の取組みなど細かい点も覚えておいたところ、ヒアリング時に話題に上がったり、提案のアイデアが浮かんだりと、思わぬところで役に立ちました。中には、国会図書館などで業界情報を仕入れる方もいました。「業種別審査事典」や「TKC経営指標」などは、業界のトレンドや財務情報が載っている定番本のようです。先の中島さんは、書籍を購入してまで準備されていたので、驚きました。

準備をするかしないかは、私たち実習生の自由ですが、事前準備の大切さを感じさせられました。

実務補習を控えている方へのメッセージ

実務補習期間は自由な時間がなく、つらさや不安も絶えませんでした。しかし、それ以上に強烈に感じたのが、これまでの試験勉強を活かせていることや、直接人の役に立てることの楽しさでした。

そして、「今やっていることが本当に役に立つのだろうか?」と、常々思ってきた2次試験の勉強の意味がわかった場でもありました。「2次試験は、何が合格基準かわからない」などと言われます。そして受験生は、そういったあいまいな基準にアプローチしていくことを余儀なくされます。しかし、2次試験でも、実際のコンサルティングの場でも、唯一の正解は何かを探すのではなく、常に妥当性を高めていくというアプローチが重要であることに、あらためて気づかされました。

これから実務補習を控えている方は、受験機関の準備講座を受講されてもよいでしょうし、2次試験で学んだことをもう一度振り返っておくと役立つと思います。

(つづく)

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