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実務補習奮闘記―現場の声を聴く

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)川崎 亮二中島 慎也(中小企業診断士)

【第1回】受け入れ先社長からのメッセージ

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

取材日:2010年3月23日

株式会社トラストファーマシーは、首都圏を中心に展開する調剤薬局です。実務補習を受け入れていただいた時期は、まさに15店舗目の出店準備時期と重なっていて、ご多忙な中、ヒアリングや報告会に時間を割いていただきました。
 「思っていた以上によかった」とおっしゃる田中一成社長は、報告会の前にお渡しした校正前の報告書を、付箋だらけにして使ってくださいました。実務補習の受け入れに際しての期待や不安、求められる実習生の姿勢について、伺ってみました。

想像以上に役立った診断報告書

田中一成氏

― 校正前の報告書を大事に使ってくださって、感激です。

提案していただいた施策について、今、部下に検討してもらっている最中なんです。いただいた報告書を会議で部下にみせたら、「やってみる」ということで、すぐに実行できる施策を提案してもらい、ありがたく思っています。

― ご多忙な中、実習生を受け入れていただき、本当にありがとうございました。受け入れにあたって、期待や不安がおありだったと思いますが、いかがでしたか。

経営者としては、顧問の先生にフォローしていただいているのですが、からだと一緒でセカンドオピニオンとして活用できるかな、という期待がありました。同業他社や他業種との比較、自社の進む方向性について客観的な評価をいただけるのは、ありがたいと思います。一方で、コンサルタントとして実務をやっていない人がどんな提案をしてくるかは不安でしたね。せっかく時間を割いているので、対価として見合うだけの提案をいただかないと困りますから。

― 期待に応えられて、何よりでした。

期待以上でしたね。ヒアリングの前にすごい量のデータを求められたので、緊張感が一気に高まりました。社員の負担が高くなるため、すべてにはお応えできませんでしたが、よく考えれば、自分のからだのことを説明しなければ、医者も診断できませんよね。そういう意味でも、よい経験になりました。ヒアリングの際も、しっかり下調べをしてきてくださっていて、熱意が伝わりました。一生懸命かどうかは、質問や言動をみればすぐにわかりますからね。

実習生に望まれる姿勢

― 再度、実務補習を受け入れるとして、実習生はどんな姿勢で臨むとよいと思われますか。

田中一成氏

実習とはいえ、経営コンサルタントにお願いするわけですから、経営者としては自分の問題解決につながる提案を期待してしまいます。淡い期待ですけどね(笑)。

だから、適切にポイントで伝えてくれる人、この分野が得意ですよと言ってくれる人がいると嬉しいです。プロの予備軍でいらっしゃるわけですから、役に立たないと意味がないですよね。その意味でも、実習期間中だけでも、「本気」で応援してくれる姿勢があるかどうかが大切だと思います。たとえば、きちんと共感しながら話を聴いてくれるとか、会社をよくしようという熱意が感じられるとか...。「お勉強」で来ている人はすぐにわかると思いますし、そんな人がいると報告書のありがたみもなくなりそうです。

― 今回は合格点をいただけたわけですが、どんな点が評価ポイントになりましたか。

私たちの目指している「日本一のありがとう薬局」に、しっかりフォーカスしていただいた点が大きいですね。先ほどもお話ししましたが、ヒアリングの質問内容ひとつとっても、下調べをしてきてくださっているかどうかはすぐにわかります。報告書の内容も、お話しした方向性に沿って、現場ですぐに実践できることを提案していただいていたので、会社をよくしようと考えてくれているのを感じました。

中小企業診断士には手法の支援を期待する

田中一成氏

― もう一度、実務補習を受け入れてもよいと思われますか。

そうですね、今回ご提案いただいた内容でまずやってみて、ある程度結果がみえてきた段階でお願いしたいですね。ただ、もっと時間がほしいな、とは思います。たとえば、スタッフの話を聴いてもらうなど、現状をもっとしっかり把握していただければ、アウトプットの内容も変わってくると思います。

― 最後に、中小企業診断士にはどんなことを期待しますか。

私の場合、経営者としての在り方については顧問の先生がいますから、自分が考えている方向性や施策について、客観的な視点でアドバイスがいただけるとありがたいですね。経営者が求める自分の問題解決について、手法面の支援を期待します。

<取材を終えて>

実務補習とはいえ、経営者が期待するのはプロとしての提案です。実習生の学びとあわせて経営者が求める結果を出していけるかどうかは、指導員の力量が問われるところでしょう。特に実習生は、「お勉強」という気持ちを捨て、「プロである」という心構えで臨むことが大切なようです。実務補習を受け入れてくださっただけでなく、取材にも対応してくださった田中社長に感謝するとともに、今後の実習内容の充実を図らねば、と引き締まる思いです。

(つづく)

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プロフィール・会社概要

田中一成(たなか いっせい)
1970年生まれ。1994年総合電機メーカーに入社し、営業職として活躍。2000年、父が創業した株式会社トラストファーマシーに入社し、2005年代表取締役に就任。2代目社長として、「日本一のありがとう薬局」を目指し、調剤薬局を首都圏(東京・埼玉・神奈川)に展開中。2010年1月に14店目、同年4月8日に15店目を出店し、現在16店目の出店準備中。

会社名 株式会社トラストファーマシー
代表 田中一成
所在地 東京都豊島区南池袋2-6-10プリモプラート3F
TEL: 03-5958-3137
FAX: 03-5958-3138