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目指せ! 中小企業診断士

「目指せ!中小企業診断士」×月刊『企業診断』「伝説の合格者たち」 コラボレーション企画・座談会 合格の鉄則は自らの診断士像を描き、信じ抜くこと

取材・文:堀切 研一(中小企業診断士)

【第5回】受験生の皆さんへ [1]

参加者:鈴木孝史/黒澤元国/斉藤初和/中尾桂子(第1回発言順)
取材・文:堀切 研一(中小企業診断士)

取材日:2009年10月4日

皆様にご好評をいただいたこの座談会も、いよいよ今回で最終回となります。「伝説の合格者」の方々から、中小企業診断士を目指す受験生の皆さんに寄せられた熱いメッセージをお聴きください。

ファイナルペーパーには心構えを書く

司会(堀切):では、今日のお話で皆さんに共通するものを探したいと思います。皆さんは、どういったことが共通していると思われましたか。

黒澤:ファイナルペーパーの内容が簡単だった、ということですね。心構えだったり、公式だったりで、皆さん、知識は書いていなかったですよね。

鈴木:心構えを書いておくのは大切ですね。

司会:中尾さんは、どういうことを書かれていましたか。

中尾:みただけでわかる解答を目指すように、と書いていました。一生懸命読ませない解答、サッとみて「できてるな」と思われる解答が理想です。あとは、柱や流れをつくることですね。ストーリー性があったほうが、読む人は読みやすいですから。また、図式化することも意識しました。いくつか書くのであれば、グルーピングする、大きいことから順番に書く、重要なものから書く、などですね。何を聞いているかわからない設問は、設問の述語をそのまま受けて書くと。「質問されたことに、返事をしていますよ」と伝えるようにしていました。

司会:具体的には、どういう書き方になりますか。

中尾:たとえば、「売上をどのようにして向上させますか」と聞かれたら、「○○をして、売上を向上させる」と答えます。○○には、与件をちょこっと書いておくんです。

鈴木:ちょこっとでも書いておくことが大事ですよね。

司会:そんなに難しくないことですが、できていない人が多いのでしょうか。

座談会の様子

中尾:簡単なようで、やっていない人もいます。そういう人の解答をみると、できている設問とできていない設問があるんですね。わかってはいるけど、やり切れていない。「なぜやらないんですか」と聞いたら、「これはちょっと難しかったから」と返ってきます。難しいのは、当たり前ですよね。気づいていても、それをやらなかったら受からない。時間無制限でプレッシャーのかからない自宅でやってもできないことは、時間制限があり、大変な重圧もかかる本番では書けるわけがありません。ふだんから妥協しているのならば、そんなムダな勉強はないですよね。どうやってやり切るかを考えて勉強しないと。それ以上、私から伝える言葉はありません。やらなければいけないことは、すでにわかっているのですから。

司会:気づいているわけですよね。

中尾:はい。でも、一部はやれていて、一部はやれていない状態なんです。

司会:そうなってしまうのは、「気づきメモ」のようなものをつくっていないからでしょうか。

中尾:それは関係ないでしょうね。意識の問題だと思います。

司会:形だけつくって、できていない人もいますか。

中尾:そうですね。自分で本を書けるぐらい、手法を確立している人もいます。

鈴木:他人のファイナルペーパーをもらって、そのまま持っているような人はダメです。

黒澤:ダメですね。やっぱり、自分にとってのファイナルペーパーをつくらないと。

中尾:たとえば、収益性について指摘したいのであれば、収益性を表す指標であればいいのではないかと思います。その程度の神経の使い方でいいのではないかと言うと、一応は納得してもらえるんですが、いざ本番では、すごく悩んでしまう人がいるんですね。同じアドバイスをいろんな人から受けているのに、当日にできない理由は、腑に落ちていないからだと思います。知ってはいるんですよ。だから、すごく悩んで時間を使って、時間をかければできるほかの問題も落としてしまう。

司会:なぜ腑に落ちていないんでしょうか。当日までは、できているんですよね。

鈴木:それは、「中小企業診断士とは何か」という問いと本質的には同じですね。指標で迷うのは、「何のための財務診断か」ということが、本当の意味で理解できていないのだと思います。そこさえわかっていれば、「指標は何でもいい」ということが腑に落ちるはずです。

中尾:そう思います。

黒澤:問題点の原因を聞いているので、与件に根拠を見つけて素直に指摘することが重要です。指摘すべきところは決まっていますし、指標そのものよりもそちらのほうが配点も高い。まずストーリーを描いたうえで、あとから指標を指摘すればいいんです。

鈴木:自分が診断している場面を想像してみるといいですね。社長は、指標を知りたいのではなく、問題点の原因を知りたいんです。原因さえきちんと説明できれば、経営者にとって売上高対原価率なのか、売上高対総利益率なのかは、大きな問題ではないですよね。

中尾:そうなんですよね。社長に、「利益が低いですね」と言っても、「そんなの、言われんでもわかってるわ」って言われちゃいますよね(笑)。

黒澤:利益が低い原因を教えてあげなければ、意味はありません。社長に、「棚卸資産回転率が低下している」とか言っても、「はぁ?」と言われちゃいますよ(笑)。「在庫が多くて、その在庫が動いていないので、売上につながっていません。その原因は、ここにありますよ」と伝えてあげないと。「棚卸資産回転率」なんて言葉は、どうでもいいんです。

司会:社長としゃべっているのをイメージするほうが、わかりやすいですね。

黒澤:社長が知りたいことを答えてあげることです。

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