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荒牧裕一さん(荒牧総合研究所代表・中小企業診断士)に聞く 中小企業診断士資格――その魅力を探る

取材・文:株式会社同友館編集部

【第2回】中小企業診断士として開業した理由

取材日:2009年7月1日

中小企業診断士資格をはじめ、数多くの資格をお持ちの荒牧さん。収入面だけを考えるなら、別の資格を活かす方法もあったように思われますが、中小企業診断士として開業したのには、いくつかの理由がありました。

独占業務の功罪

― それにしても、独占業務のある司法書士ではなく、中小企業診断士として開業されるのには、勇気がいったのではないですか。

荒牧:そんなことはありませんよ。よく勘違いされますが、独占業務のある資格は、既存開業者の利益は安定しますが、新規参入者の開業は非常に厳しいんです。何しろ、先輩の顧客を奪う形になるわけですからね。

実は、私が司法書士に合格した際、地元の司法書士会会長と、懇談する機会があったんです。ところが、その会長の第一声は何と、「君たち全員がすぐに開業すると、われわれの仕事が減って厳しくなる」だった。全員と言っても、その県での合格者は、私を含めて4人だけだったんですよ。会長でさえそんな具合ですから、他の既存開業者の考えは、推して知るべしです。

― そんなことがあったんですか。中小企業診断士では、考えられないことですね。

荒牧裕一さん

荒牧:私が今目指している司法試験でも、「近年、合格者を大幅に増やしたため、新人弁護士の質が低下している。合格者を抑制すべきだ」という意見があるそうですが、本音は、既存開業者の仕事が減るのを心配しているのではないか、と思います。

中小企業診断士も、合格者は年々増加傾向にありますが、周りの先生方は口をそろえて、「新人の質が上がってきている。われわれも頑張らなければ」と言っています。そこは、大きな違いですね。

中小企業診断士資格は、「足の裏の米粒」か?

― 中小企業診断士の開業には、自由競争の魅力がある、ということですね。

荒牧:はい。ただし、新規参入は容易でも、収入を得るには努力と工夫が必要です。これがないと、中小企業診断士資格は、「足の裏の米粒(とっても食えない)」になってしまいます。

― 「足の裏の米粒」は、中小企業診断士の間でよく言われる言葉ですよね。荒牧さんはどのようにして、「食べていける資格」にしたのですか。

荒牧:「自分の専門分野を持った」ことでしょうか。私の場合は、勤めていた会社の業種に関係する建設・不動産業、そして他の資格試験でグレードアップしたIT、法務、会計の各分野を専門にしています。

― IT、法務、会計とは、幅広いですね。失礼ながら、専門分野が分散しすぎているようにも思いますが......。

荒牧:でも、どれも中小企業診断士試験の試験科目に入っていますよ(笑)。ただ、試験では、広く浅い知識しか問われませんから、それだけでは稼げませんが、たとえばシステム監査に合格している方、司法書士に合格している方であれば、ビジネスチャンスが生まれてくると思います。

荒牧裕一さん

私の場合、中小企業診断士に合格した時点で、すでにシステム監査や司法書士に合格していました。また、会計についても、税理士の科目合格(簿記論、財務諸表論)をしていたので、専門分野を絞り込む、という選択肢はありませんでした。結果的に、"資格のデパート"のようになってしまいましたが、"デパート"という業態に合った営業戦略を立てて頑張っていきたい、と思っています。

もちろん、これから中小企業診断士を目指す人に、"資格のデパート"となることをおススメするわけではありません。でも、中小企業診断士以外の資格を持つことは、自分の専門分野をアピールするうえで大きな武器となるので、ぜひダブル・トリプルライセンスを目指してみてください。

(つづく)

プロフィール・会社概要

荒牧裕一(あらまき ゆういち)
昭和40年愛知県名古屋市生まれ。同志社大学法学部卒業後、建設・不動産関連企業に就職。退職後、平成12年荒牧総合研究所を開業し、建設業経営の支援やITコンサルティング、各種セミナー講師、受験指導を中心に活躍中。『貸金業務取扱主任者「超重要」予想問題225』等、著書多数。

会社名 荒牧総合研究所
代表 荒牧裕一
所在地 大阪府大阪市中央区鎗屋町1-3-10-801
TEL/FAX: 06-4794-0301
E-mail: office@aramaki.com