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企業内診断士座談会 -診断士としてのもうひとつの活躍の仕方

司会:村橋 保春

【第5回】診断士としての将来像

司会:村橋 保春
参加者:大津 武宮沢 勲原田 洋一

取材日:2009年2月2日

司会:これからの診断士の活躍の仕方についてお話いただけますか。

「診断士」をいかに活かすか

宮沢さん

宮沢氏:私の受験時代は診断士試験のうち2次試験は事業のフレームワークを考える試験でした。このため、フレームワークについては結構勉強しました。

一方、中小企業の経営は多くの場合「勘」で判断しているところがあります。もちろん、勘が働くというとはそれはそれで大切です。しかし、ふさわしい経営をするうえでは、こうしたフレームワーク、経営戦略の考え方はとても重要になります。

大企業にいるとフレームワーク、戦略に関する研修等で、社員の多くがこうした考え方を取ることができます。しかし、中小企業の場合には、この考え方をあまり使うことがありません。それゆえ、診断士の資格取得で培ったフレームワークの考え方をもってコンサルティングを行なうと、経営のあり方等を整理して考えることができるようになると思います。

中小企業診断士はこの点で大きな役割があると思います。中小企業の経営者の勘は本当にすごいものがあります。事業が発展しているのも勘のおかげです。しかし残念ながら、勘は徐々に鈍っていきます。そんな時、フレームワークの考え方を用いなければなりません。それにより、中小企業の経営は大きく改善されていきます。

大津氏:実際に会社を経営するのであれば、中小企業診断士程度は持っていてよと考えると思います。私自身が会社の経営に関わるようになった場合には、経営陣には同様に診断士資格を持っているレベルを求めたいですね。そうでないと、言葉も問題意識もしっかり共有できないですよね。

外資系の金融機関であればMBAを持っていないと経営陣に加われないと聞いたことがあります。これと同じように、診断士についても捉えるのもいいかも知れません。診断士でないと経営陣に加われない。ひとつの基準ですね。

そうすることにより診断士に対する評価や期待も高まっていくと思います。あまり認識していない企業であっても、診断士を取ると、経営企画部やコンサルティング部門に異動される例は数多くあります。こうした流れをより進めていければと思います。

これからは経営環境が大きく変わり、経営のあり方もこれまでどおりではすまなくなります。診断士が持つ知識やノウハウをしっかり経営に活かしていく、活かさなければならない、そんな時代が来たと思います。

原田氏:診断士という資格がもっと評価されるように、私を含め診断士がもっとアピールしなければならないと思います。コンサルティングの分野では、MBAなど、診断士以外の資格が評価されてきています。このままだと、診断士という資格自体が評価されなくなることも考えられます。

私の世代(30代後半)より上の人たちは、診断士資格を評価してくれることが多いのですが、同世代からは「診断士って何」と聞かれることが結構あります。これからのことを考えると、認知度の低さは問題だと思います。

司会:どうしたら評価が高まるのでしょうか。

宮沢氏:中小企業診断士という資格をもう一度しっかり認識し直したらいいと思います。

会計士とか税理士とかの仕事は、「結果がどうだったか」という仕事なんです。これに対して、これからどのような手を打つかという仕事は、診断士の仕事だと考えます。経営戦略なりマーケティングなり、これらはこれからどのように会社を進めていくか、そうしたことを考える仕事は診断士の仕事なんです。

診断士という資格を差別化するとしたらこの点だと思います。将来に対して手を打つことを資格とする、公的な資格は診断士しかないですよね。未来のことを作っていく診断士という意味をはっきりさせておくことが大切です。

経営診断として過去3年間の分析も大事ですが、これからこの企業をどうしていくのかをはっきり出していく。これが診断士として大事なことであり、企業内診断士としても、このことをしっかり打ち出していくことが評価をあげることだと考えます。

特にこれからは、過去どうだったかということよりも、これからどうなるかが問われる時代です。そんなときに、マーケティング、経営戦略等をオールラウンドに理解し、活用することのできる診断士が活躍しなければならないと思います。

司会:そうすると、診断士は資格を取得するだけでなく、その後いかに努力してスキルアップ、ノウハウアップに努めるかが大切になってきますね。

大津氏:診断士の間で力の差が大きくなっていきますね。まさに、診断士個人個人の努力が求められますね。

(つづく)