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新人中小企業診断士座談会―夢を現実につなげる診断士資格

司会:村橋保春

【第2回】合格に至る道のり

司会:村橋保春
参加者:村上知也梨子田桂子吉村信行

取材日:2008年09月07日

司会:どのような受験勉強をされたか、お話を伺いたいと思います。皆さんにはぜひ本音のところでお話しいただいて、受験生の皆様に叱咤激励をお願いしたいと思います。

こつこつと努力を重ねた

吉川氏・梨子田氏

梨子田氏:診断士の勉強を始めたころは、いずれの科目もほとんど初めて接する内容ばかりで、受験校に行っても何の話かわかりませんでした。しかし、こつこつと繰り返し勉強することで、その内容がわかるようになり、中小企業診断士とは何かということが少しずつわかるようになったと思います。

私は米国の企業にも勤めた経験があるのですが、日本の企業では場の空気を的確に察知し、行動することが重要視されるのに対し、米国企業では、職分ごとの能力が評価されるため、職分に応じて、自分自身の意思で行動を決めることが求められます。診断士の2次試験では、設問に対して自ら考え、解答を書くことが必要になるので、その点、私の場合、米国での経験が大変役に立ちました。また、同時に診断士という仕事が、企業を取り巻くさまざまな状況を把握した上で、問題や課題を認識し、自分自身の意思で経営者の方と対話ができる職業、つまり、日本企業と米国企業の働き方のよいところを併せ持った職業として捉えられ、大変魅力を感じるようになりました。

勉強方法としては、受験校と並行して、診断士の受験生や合格者が運営している勉強会に参加しました。この勉強会は受験生や合格者同士が過去問題を素材に議論しあうことで実力を高めていくものです。勉強会に参加するといろいろな情報を交換することができました。また、いろいろな事情を抱えているにもかかわらず、言い訳をせずに取り組んでいる仲間の姿を見て、頑張ることができました。

苦手な財務・会計については、簿記2級を受験し続けることで、最初は借方・貸方もわかりませんでしたが、繰り返ししっかり勉強することで徐々に慣れることができました。

また、試験委員の方が執筆している本やその分野に関わる辞典も利用しました。特に、経済学では大学生1年生向けの経済学者の伝記のようなわかりやすい本を選んで読むことによって、経済理論のつながりがわかるようになりました。

試験に合格しても、受かっていない仲間がいることで、なかなか素直にうれしさを感じることができませんでした。診断士としてうれしいなとはっきり感じたのは、先輩の診断士と一緒に診断に加わったときだったと思います。

仕事の経験をうまく活かす

吉村氏:合格の3年前の10月に勉強を開始しました。昔、自分が従事した分野で産業廃棄物を資源に変えた例がありました。その時、産業廃棄物として処分に困るものでも、いいところを活用すれば資源になるということを感じました。同様に自分の経験も生かし方を工夫すれば定年後でも大いに役立てることができると考え、受験勉強に努めました。

受験校には行かず、市販のテキストを中心に勉強しました。独学をする場合には、市販のテキスト選びが重要になります。最初は、1日2~2.5時間で始めましたが、朝もやるとよいとのアドバイスで朝も少し勉強しました。また、議論中心の勉強会に参加しました。勉強会のいい点は、励ましあえることです。

梨子田氏・村上氏

2次試験対策に関しては、仕事の経験や勉強会が役立ちました。しかし、逆に仕事の経験が邪魔することもあります。この点については、実績のある人ほど注意する必要があります。どうやって勉強すればわからない人や回答のポイントがわからない人は受験機関を利用するとよいと思います。

2次の筆記合格の後での口述試験で不合格になる人もいると聞いていたので、準備に追われ、喜びを感じている暇もありませんでした。口述試験に続いて実務補習があります。実務補習は、延べ15日間で実施し、取り扱う案件も3件と数が多く結構ハードです。仕事をしながら補習を受ける方が多いので中には体調を崩す方もいます。2次試験合格で喜ぶというよりも、実務補習が終わってほっとしましたというのが実際かもしれません。日ごろ仕事に関する問題意識があると受かりやすい試験だと思います。

2次試験の克服法

村上氏:私自身は比較的試験には強いほうでした。1次試験は大手受験校の通学にて合格できました。しかし、2次試験には、なかなか合格できず、今までのほかの資格受験のように、暗記中心の学習だけでは、合格できない資格であると感じました。そのため、議論中心の勉強会へ参加しました。勉強会では、議論がかみ合わないこともありました。しかし、書くこと、考えることを反復することで、問題の場景が浮かぶようになりました。その結果、2次試験にどのような意図で出題されるか、またどのような解決策が望まれているのかが徐々にわかるようになってきました。

自分と同じように1次試験は合格しても2次試験で苦労される方は多いと思います。点数でいうと、合否を決める1、2点差のあたりに数多くの受験生が、瀬戸際でせめぎあっているのだと感じています。こうした合否の壁を突き抜けるためには、どこで差別化するのかを意識することが大切だと思います。私の場合は2次試験に、なかなか合格できなかったのは、問題を読み解く感受性や深く考える力に不足があり、標準化された解答しかできなかったことではないかと思っています。これも、勉強会に参加したことによって気づいた点です。

私自身は受験勉強を始めて結局5年かかっての合格だったので、合格を知ったときは素直にうれしかったです。インターネットで合否を確認するのではなく、銀座にある中小企業診断協会に掲示されている合格番号をわざわざ見に行きました。合格を確認したときには、近くの公園のベンチでうれしさのあまり泣いてしまいました。何より、祝福のお電話をたくさんの友人から頂き、非常に感激しました。

(つづく)