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メディアを診る

アイデアあふれる人たちのアタマの動かし方

文:鍜治田 良(中小企業診断士)

『考具』を読んで

新しい企画を考える

「次の会議で新しい企画を提案しろ」と上司に言われて困ったことはありませんか? 私も、そのひと言に困っている一人です。新しい企画を考えるどころか、その素となるアイデアもなかなか出てきません。困り果て、大人数でブーレンストーミングを行っても、企画までは程遠いという経験はないでしょうか。本書は、そのような人にお勧めです。

考える道具を持つ

本書は、企画を作り上げていくシンキング・ツール、「考具」を紹介している本です。アイデア出しから企画にするまでに活用できる21種類の「考具」を、次の5つの区分に分けて紹介しています。

1) 情報が頭に入ってくる考具
2) アイデアが拡がる考具
3) アイデアを企画に収束させる考具
4) 行き詰まったときの考具
5) あなただけの考具

「アイデアは企画の素である」と書かれているとおり、多くのアイデアを出し、それらを拡げていく方法が充実しています。

お勧めは「情報が頭に入ってくる考具」です。情報をどのように頭に入れたらいいか、なんて今まで考えたことがなく、非常に興味深い部分です。この「考具」は、世の中にあふれる情報を既存のアイデアとして、いつでも取り出しやすいように頭にストックするために使われます。

その「考具」の中から、一例として「カラーバス」を取り上げます。外へでるとき、その日のテーマ(色、形、音など)を決定し、それらを探しながら外を歩くというものです。たとえば、今日のテーマを「青」と決めたら、「青い車」、「青い空」、「青い靴」など、青いものを探しながら歩きます。実際におこなってみると、日々の通勤の行き帰りも、新たな発見や変化があり、刺激的です。

カラーバスを使用すると、自分の視点に関係なく情報が集まってきます。自分が一定の切り口でしか物事を見ていなかったのだと、反省させられました。

アイデアマンになるためには

「考具」には、特別なものを準備する必要がありません。紙やペンを用意すれば、手軽にできますので、すべての読者のみなさまが、アイデアマンになる可能性を秘めてます。しかし、本書の最終章には、「あなたにとって最大の問題は、『読んで、分かって、やらないこと』」と書かれています。また、「考具」を使っているときの頭の動かし方を習慣化することが重要ともあります。天性の才能ではなく、日々の積み重ねこそがアイデアの源だ、そんなことを気づかせてくれる1冊です。

『考具』

『考具』

加藤昌治[著]
四六判並製・244ページ
定価:1,575円(税込)
阪急コミュニケーションズ刊 http://www.hankyu-com.co.jp/