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今後の発展に“まごころ”をこめて

映画『ALWAYS 三丁目の夕日』を観て

「ALWAYS 三丁目の夕日」

昭和33年の東京下町を舞台とした、人情味溢れる住民の交流を描いた映画です。2005年の製作年度に200万人超を動員する大ヒットを記録し、全国200館以上の映画館で上映期間が延長されました。原作は「鎌倉ものがたり」でも知られる西岸良平氏です。

この映画の魅力のひとつは、何と言っても個性的な役者陣と舞台セットでしょう。建築中の東京タワーを背景に懐かしいまちなみが再現され、団塊世代の青春が鮮やかによみがえります。今ではあって当たり前のテレビが、冷蔵庫が、そこに暮らす人々の笑顔に直結していました。「もの」が不足していた昭和中期、経済発展は目に見える幸せでした。

普遍的な題材の訴求力

情報化社会の恩恵は計り知れません。だから、情報化社会に追いやられた郷愁を美しく描くことは一種の感傷です。しかし、この映画はあらゆる世代に絶賛されました。昭和中期を生きた中高年世代にも、その時代を知るよしもない若者にも支持を得たのです。

豊かさに対する尺度は時代の流れとともに変化します。「ALWAYS~」の時代から私たちのコミュニケーションも大きく変わりました。しかし、人と人とのつながりに変化はありませんし、子を思う親の気持ちには時代も世代もありません。それは普遍的な絆だからです。私は、私自身の興味から、外国籍の友人にもDVDをみせました。何かにつけ質問攻めにあいましたが、彼等も感動していました。一概には言えませんが、文化背景の異なる人々にもそれは同様なのだと思います。

また、HPの完成度も際立っています。コンテンツの充実もさることながら、この映画を愛する人からの情報が集まり、訪問者同士の交流が生まれ、自律発展的なコミュニティとして成長しています。ファンの深いニーズにマッチングするだけでなく、HP自体が大きなPR力を生み出しています。

古き良き存在の価値

この映画が与えてくれる感動は、実に様々な可能性を秘めています。今日の発展のルーツを知ることは、より良い明日の発展を思い描く糧になります。古き良き存在の価値を見直すという視点で捉えれば、地域活性化にも同様のことが言えると思います。

私事ですが、私の父方の故郷は岐阜県の飛騨高山です。東京で同郷の方にお会いすることもありますが、郷土話で盛り上がることはほとんどありません。幼い頃、家屋の離れにある汲み取り式便所が怖くて仕方ありませんでした。私の記憶はその程度だからです。

この映画を観た後、私は自分のルーツを確認してみようと思い立ち、郷土史をひも解きました。不勉強をさらすようですが、故郷について、その歴史や文化を学んだことがほとんどないことに気がつきました。もう少し愛着をもって故郷を語れるようになりたい、当面の目標はそれだけですが、故郷を語る心には、地域活性化の中核をになう要素があるように思います。

今後の発展に"まごころ"をこめて

息の長い発展から、そこに暮らした人々のまごころを感じとることは困難です。しかし、古き良き存在の価値を見直し、発展のルーツを共有することで、私たちの明日は変わるかもしれません。先につながる今後の発展に、出来る限りのまごころをこめてゆきたい。この映画は、そんな余韻を残してくれます。

『ALWAYS 三丁目の夕日』

『ALWAYS 三丁目の夕日』

原作:西岸良平「三丁目の夕日」(小学館:ビッグコミックオリジナル)
監督・VFX:山崎 貴
出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和(特別出演)、薬師丸ひろ子 ほか
DVD&VHSレンタル中
発売元:小学館
販売元:東宝