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コンサルタントにも参考になる「問題解決の原理原則」

文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

『デバックルール~9つの原則、54のヒント』を読む

その問題はどこから来たのか

問題解決は「問題の発生源を見極めて対応策を考え、対応策を実施する」という一連の流れを繰り返すPDCAサイクルである、ということは、誰もがご存知の通りです。ところが、この「問題の発生源を見極める」ということが非常に難しいこともまた周知の通り。

経営コンサルタントたる中小企業診断士にとっても、"その問題はどこから来たのか"を見つけられなければ、手の打ちようがありません。

もちろん、経験豊富な問題解決者たちはそれぞれの経験や知識に応じて、様々な手法を用いて問題を発見し、対応していきます。「問題が発見できれば半分は解決している」とよく言われますが、できれば効率的に問題を発見したいものです。

デバッグと問題解決の相似性

ソフトウェア開発やシステム構築の現場ではお馴染みですが、「バグ」と呼ばれるコンピュータプログラムの誤りを探し、取り除くことを「デバッグ」と言います。IT分野に関係がなければ無縁に思えますが、プログラムやシステムの問題点を探し出すという点で問題解決の一手法とも言えるのです。

当たり前のことを当たり前にする

この「デバッグルール」には、システム開発に携わる人にとっては当たり前のことが書いてあります。誰でも知っていながら、トラブル発生の現場で忘れられがちな基本ルールなのですが、『ルールを覚えて実際に適用する』ことが肝心なのだと作者は述べています。これはシステム開発に限ったことではなく、経営支援の現場にも言えることです。

本書では、基本原則を9つのルールとして挙げ、いくつかのヒントで補足しています。もちろん"デバッグ"の話なので、そのままを経営支援の現場に使うわけには行きませんが、問題を機械的に発見するためのガイドとして役立ちます。

詳細は、本書に譲るとして、9つのルールを挙げてみましょう。

1.システムを理解する

2.わざと失敗してみる

3.考えるのをやめて観察する

4.分割して攻略する

5.一度に1つずつ変える

6.履歴をつける

7.電源を確認する

8.新しい視点でものを見る

9.あなたがしなければ問題は解決しない

......どうでしょうか。支援の現場では、「わざと失敗してみる」のは大変かもしれませんが、「ちらしの販売促進効果を検討」するような場合には使えそうです。

目新しいことは何も書いてありませんが、だからこそ逆に新鮮。いくつもの事例を通じて「デバック」の追体験ができる点で面白い1冊です。

『デバッグルール~9つの原則、54のヒント』

『デバッグルール~9つの原則、54のヒント』

David J.Agans著 (株)クイープ訳
定価 2,940円(税込)
B5変型判/224ページ
日経BPソフトプレス刊 http://bpstore.nikkeibp.co.jp/nsp/