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組織を活性化し、人財を育てる!

文:福島 正人(中小企業診断士)

『ザ・ファシリテーター』を読んで

集団の力

"三人寄れば文殊の知恵"という言葉があるように、人が集まることで思いがけない力を発揮することがあります。一方複数の人が集まってもチームとして機能せず、たいした成果を上げられないこともあります。この違いはどこにあるのでしょうか?

それは、集団の構成員同士の相互作用に起因します。集団の力というのは、その構成員の力の単純合計ではなく、"構成員同士の相互作用による効果"が大きく影響するのです。「四番バッターを集めれば、野球に勝てるというわけではない」と言われるように、そこにはチームとしての力(=構成員同士の相互作用による効果)が存在します。

ビジネスの現場で考えてみると、会社という組織は、社内・社外を問わず多くの人の"係わり合い"(=相互作用)によって運営されています。この"係わり合い"が活性化すれば、会社としての成果が上がり、個々人が人財として育っていきます。

ファシリテーションとは?

組織を活性化し、組織の力を最大限発揮する方法として、最近注目されているのがファシリテーション(facilitation)です。ザ・ファシリテーターではファシリテーションを、「人と人とのインタラクション(相互作用)を活発にし、創造的なアウトプットを引き出すもの」(本著より引用)と定義しています。日本語では"協働促進"、"共創支援"などと訳されます。

ファシリテーションは"会議術"のような狭い範囲で捉えられることもありますが、組織活性化・組織変革などの分野でも有効です。ビジネスの現場に留まらず、複数の人が集まる場......街づくりや教育の現場などでも役立ちます。

ザ・ファシリテーター

ザ・ファシリテーターでは、応用化学品メーカーの組織変革が小説形式で書かれています。主人公の黒澤涼子が、ファシリテーションを活用しながら、組織変革を遂げて行きます。実話ではないものの、現実味のあるストーリーになっており、小説としても面白く読むことができます。

ザ・ファシリテーターの中には、タックマンモデル・SWOT分析・アイスブレイク・プロセスマッピング・QC7つ道具・ギャップアナリシスなど、様々な言葉が出てきます。ファシリテーションを学ぶ上で役立つだけでなく、会社を運営していく上でも役立つ一冊です。

ザ・ファシリテーター

『ザ・ファシリテーター』

森 時彦[著]
四六判上製・353ページ
定価:1680円(税込)
ダイヤモンド社刊 http://book.diamond.co.jp/