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中小企業診断士に期待する

中小企業診断士の活躍の場が広がる「小規模M&A」――アンドビズ株式会社代表取締役社長兼CEO 大山 敬義さん、パートナー事業部登録サポーター 中山 あかねさん

取材・文:【第1回】野田 敦士(中小企業診断士)・【第2回】西本 哲(中小企業診断士)

【第2回】「小規模M&A」における中小企業診断士への期待

2019年2月26日更新(取材日:2018年12月20日)

本企画では、アンドビズ株式会社代表取締役兼CEOの大山敬義氏と、パートナー事業部登録サポーターの中山あかね氏にインタビューを行っています。第2回は、同社の小規模M&Aサービスの視点から、事業承継問題の解決策の一つである小規模M&Aにおいて中小企業診断士に期待することを伺いました。

「小規模M&A」の分野における中小企業診断士活躍の可能性

――貴社の小規模M&Aマッチングサービス「バトンズ」において、中小企業診断士をどのように活用されていますか。

大山:中小企業診断士の皆さまには、事業承継アドバイザーとして入っていただいています。中でも特に力を発揮していただけるのは、買い手側のサポートだと考えています。
インターネットを活用した小規模M&Aにおいては、従来では考えられない買い手が出てきます。「経営については何もわからないけれど、会社を引き受けて良くしたい、大きくしたい」という意欲のある方です。彼らが経営を行う際は、たとえば歩留まりを良くする方法や、機械の稼働率を上げる方法など、経営コンサルティングニーズが発生します。中小企業診断士の皆さまには、そのような場面で活躍していただきたいです。

――私たち中小企業診断士は、小規模M&Aのどのようなフェーズで求められますか。

大山:最初の段階から入っていただくのが良いと思います。M&Aの細かな作業については、当社がノウハウを提供しますので、「経営がうまくいくにはどのようにすれば良いか」といった会社経営の側面をサポートしていただきたいです。

――中小企業診断士を活用することは、売り手側・買い手側それぞれにどのようなメリットをもたらすとお考えですか。

大山:メリットは、専門的な見地から相談できることです。専門的なことを学んでいる方とそうでない方では、物の見方がまったく違いますので。
たとえば、経営者は多くの場合、過去の実績よりも将来の売上を考えるため、決算書を読めない方もいらっしゃいます。だからこそ、決算書を見たうえで、売上や限界利益から、今後人件費が上がったら経営が厳しくなるといった助言ができる存在が必要なのです。

――その際、中小企業診断士にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。

大山:経営者に寄り添った知識が重要だと思います。経営者は常に前向きで、「会社を良くしたい、大きくしたい」と考えています。ですから、そのためにはどのようにすれば良いか、という視点で相談にのってあげられる"参謀役"のようなスキルが求められています。

――貴社はさまざまな自治体と連携していますが、その状況を教えていただけますか。

大山:実は、問題意識の高い自治体からオファーをいただいて、連携に至っています。現在は、高知県、川崎市(神奈川県)、須恵町(福岡県糟屋郡)と連携しています。
自治体側の狙いは2つです。1つは、地元に若い人を呼び込んで活性化したい、もう1つは、地元でアドバイザーのような専門家を育成したい、という思いです。

――自治体側には、中小企業の後継者問題への対応という狙いもあるのでしょうか。

大山:危機意識としては、一つの契機だと思います。自治体は、地元の産業を維持しないと税収が増えず、壊滅的な様相を招きます。ですから、後継ぎのいない会社がM&Aを活用し、少しでも残ってくれることは重要なのです。
以前は地元企業同士のM&Aが主流でしたが、今後は外からやる気のある人やお金を呼び込まなければならないと、自治体の意識が変わってきました。そして、「会社を引き受けてくれる人を広く公募したい」と考えた結果、当社にオファーをいただくようになりました。

――小規模M&Aにおいて、中小企業診断士にどのようなことを期待していらっしゃいますか。

大山:従来のM&Aは、税理士や会計士の世界という印象がありましたが、これからは違います。今後、2025年までに、127万社が後継ぎ不在の問題に直面すると言われています(出典:Diamond Online 2018.12.14 「中小企業の半分が2025年に消滅!大廃業時代の現実と危機」)。これは憂慮すべき問題ですが、意欲のある中小企業診断士にとっては大きなチャンスでしょう。これほどの短期間で、これだけの数の会社の世代が入れ替わるのですから。
会社が新しく生まれ変わる時期は、会社を伸ばすために「経営の話をする時期」でもあります。会社経営の専門家である中小企業診断士が活躍する機会は、まさにこのタイミングではないでしょうか。

――普段から中小企業診断士と仕事をされている中山さんはいかがですか。

大山:PMI(Post Merger Integration:M&A成立後の統合プロセス)や、財務の磨き上げの知識に期待しています。実際に売り買いの現場に同行していただいた際には、面談でそのようなことをしっかりとアドバイスしていただけるので、たいへん心強く感じています。

――貴社がサービスを開始されて以降、中小企業診断士を活用された事例があれば、お聞かせください。

大山:2件成約しています。売り手と買い手が自らインターネット上でマッチングした案件のマッチング後に、アドバイザーとして女性診断士の方に入っていただきました。半年間で5回ほど、双方と打ち合わせを行い、打ち合わせの場では時間を気にせず議論し、決めていくスタイルでした。
彼女は非常にコミュニケーション力が高く、最初は双方の価格のイメージに差があったのですが、伝えるべきことは伝えながら、破談しないよう間を取りもっていただきました。結果的に、売り手・買い手の双方からたいへん評価していただき、私にとっても非常に良い経験でした。

(おわり)

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プロフィール

大山 敬義(おおやま たかよし)
株式会社日本M&Aセンター常務取締役。アンドビズ株式会社代表取締役社長兼CEO。日本M&Aセンターの設立に参画、同社初のM&Aコンサルタントとなる。100件以上のM&A案件の成約実績があり、後継者難による中小企業のM&Aによる事業承継の仲介、コンサルティングおよびグループ内外の企業再編手続きなどを手がけた。

中山 あかね(なかやま あかね)
アンドビズ株式会社パートナー事業部登録サポーター。2017年1月に株式会社日本M&Aセンター、&Biz事業部(当時)に入社。会計事務所や金融機関からの紹介案件を、アンドビズ株式会社が提供する小規模M&Aサービスであるバトンズへ掲載する業務をメインに取り組む。