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自ら原価管理を行い、利益を把握し、経営に活かせるように 公認会計士 岡本 俊也さん

取材・文:川崎 朋子(中小企業診断士)

【第2回】中小企業にこそ原価管理を

2017年5月16日更新(取材日:2017年3月9日)

元SEで公認会計士の岡本俊也氏にお話を伺う第2回。今回は、新原価管理システムが完成するまでと、通常の原価管理システムとの違い等について伺いました。

改良と開拓のスピリット

―新原価管理システムについて、周りの人の反応はいかがでしたか。

新原価管理システムのプロトタイプができたのは私が長野にいた頃のことで、知り合いの会計士に「原価計算システムを作った」と声をかけました。
とはいえ、公認会計士は大企業の監査が仕事ですので、実績がないとなかなかお客さんを紹介していただけません。大企業にシステムを導入するとなると、何百万円、何千万円単位での投資が必要ですし、実績やシステム会社の規模を気にされる会社も多いですしね。ただ私は、開発当初から大企業だけをお客さんとして狙っていたわけではありませんでした。
その後、数年を費やして問題点やバグを直し、プロトタイプに改良を加えました。営業方法も工夫して、お客さんには「このシステムは今後、どんどん変わります。いまご協力をいただければ、今後このシステムに関する機能はすべて無償で提供させていただきます」と伝えました。もちろんその分、お客さんのフォローもしっかりとやってきました。
そのうちにいつしか、「私たちはベンチャーです」と堂々と宣言するようになりました。そして半年前、ついに最終的な機能確認を終え、第1バージョンが完成形となったんです。

伝わらないことのもどかしさ

―従来の原価管理システムとはどこが違うのでしょうか。

原価が1個いくらかを計算するだけなら、いままでのシステムで十分です。しかしたとえば、部門別・製品別の利益を知りたいとか、想定と利益額が違っていた場合の原因を知りたいといったときに瞬時にわかるのが、新原価管理システム「SHIN」なんです。そのことが、お客さんにはどうすれば伝わるのかな、と思いますね。
実績のデータがあれば、5秒後には来期の計画を作ることができる。そして、来期の計画として「自分の製品をいつ、どこで何個売る」と決めたら、予想利益も作ることができます。さらに、「もしも予算を5%削減したらどうなるか」というシミュレーションまでできるシステムなんです。
新原価管理システムには、原価計算はもちろんのこと、決算書である貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書のうち、まだまだ改良は必要ですが損益計算書の機能もあります。最終的には貸借対照表、キャッシュフロー計算書の作成も可能にし、経営管理システムのようにしたいと考えています。
ただ、これだけの機能がありながら、そのことがお客さんには伝わらないんです。その点で、中小企業診断士の皆さんには、良さを理解してもらえると思いますので、お客さんにどう伝えれば良いのかを教えてほしいですね。マーケティングの方法を教えてほしい。
中小企業は、「一山いくら」という大ざっぱな計算で管理している企業が多く、原価管理に対する意識にもまだまだのびしろがあります。中小企業は、日本の企業の99%以上を占めています。日本の経済を支える中小企業こそ、原価管理をやったほうが良いのではないでしょうか。そんな想いがあって、製品名には「中小企業向け」と冠をつけています。

(つづく)

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プロフィール

岡本 俊也(おかもと としや)
1960年生まれ。公認会計士。元システムエンジニア。大学卒業後、ソフトハウス(ソフトウェアを開発・販売する企業)にて経営管理システムの開発に携わった経験を活かし、損益のシミュレーション機能を搭載した中小企業向け新原価管理システム「SHIN」の生みの親となる。「お客さんが自らできるようになるまでサポートをしたい」という想いを胸に、伴走型支援を実施。