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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

福島美由紀さん(税理士)・荒 久美子さん(社会保険労務士)・野坂真理子さん(弁護士)・橋本美樹さん(司法書士)・鳥居さくらさん(行政書士)※発言順

取材(司会)・文:平井 彩子(中小企業診断士)

【第2回】女性士業から見た「女性の活躍」と中小企業診断士への期待

2017年3月16日更新(取材日:2016年11月7日)

中小企業診断士への期待を伺う当コーナー。最終回となる今回は、女性士業の皆さんから見た中小企業診断士の他士業との違いや今後の「女性の活躍」、中小企業診断士への期待についてお話しいただきました。


写真左から橋本氏、鳥居氏、福島氏、平井氏、荒氏、野坂氏

士業に社会人経験は必要か

平井(司会・中小企業診断士):中小企業診断士は他士業と違い、企業内の方が大変多いのですが、他士業の方は社会人を経ることなく資格を取得される場合が多いですよね。皆様は社会人経験について、どのようにお考えですか。

福島(税理士):私の税理士法人では、社会人経験のある人を採用しています。税理士は、会計事務所に勤めながら資格を取る場合が多いのですが、士業にも営業が重要であるにもかかわらず、勉強だけをやってきた人では、営業の感覚がないこともあります。いまの世の中、社会人経験があってPCスキルの高い人のほうが、企業様のお役に立てる場合が多いですし、事務所でも活躍していただけますから。

野坂(弁護士):弁護士は、試験に合格するまで働かずにいる場合が多いため、社会人経験のある人は少ないと思います。しかし、社会人経験があれば、コスト意識を持ってバランスの良いアドバイスができますし、人脈を持って独立することができるのは良いでしょうね。

橋本(司法書士):私たちも弁護士と同じで、社会人経験のある人はほとんどいません。私のように金融機関での勤務経験があるのは大変珍しいパターンです。そういった意味では、少しでも社会人経験があることは、大きなアドバンテージになる場合が多いですね。

鳥居(行政書士):私たちの職業は、扱う文書の種類が本当に多いです。社会人経験を活かした業界に特化して詳しい人は有利だと思いますが、そうではない場合も多いですから、その分、行政書士会の勉強会はとても充実しています。質を担保するためにも行っている活動ということでしょう。

平井:中小企業診断士には、本当に幅広くさまざまな業種を経験した人がいます。たしかに、企業の成長戦略を描く職業ですから、世の中を広く知っている必要はありますね。組織を見極めるにしても、一度は会社の中で働いていなければ難しいでしょうし、中小企業診断士にはある程度の社会人経験が必要であると、私は考えています。

さらなる「女性の活躍」に向けて

平井:私たちは全員女性の士業ですが、「女性の活躍」についてはどのようにお考えですか。

福島:私が税理士になったばかりの頃は、企業を訪問すると、男性経営者から「なんだ、女性が来たのか」と言われることもありました。女性の立場が非常に低かった時代ですね。

ただ、最近はずいぶん変わってきました。男性経営者で、「自分のわからないことを同性の先生には相談したくない」という方もいらっしゃるんです。男性の感覚が変わってきて、「女性を頼りにする」という考えの方も増えてきたように思います。

橋本:中小企業診断士は、特に女性が少ないですよね。個人顧客を相手にするよりも、経営者を相手にすることのほうが多い中小企業診断士は、社会経験の豊富な男性が活躍している印象でした。

野坂:しかし、女性が少なく、開業している女性の中小企業診断士はもっと少ないのだとすれば、これからは女性が中心となって働く企業も増えるでしょうから、その活躍の場面は増えていくでしょうね。

荒(社会保険労務士):育児・介護が重要課題となる時代の中で、女性の活躍は必須だと思います。しかし、企業の中でもいまだに性別役割意識があったり、女性自身が仕事と生活のバランスを考えると活躍を制限されてしまったりなど、問題はまだまだ山積しています。

とはいえ、これからはいま以上に女性の就労率が高まり、私たち女性の士業がご支援できる範囲も広がるでしょう。何より、私たちも活躍して世の中にもっと貢献していきたいですね。

中小企業診断士への期待

平井:最後に、中小企業診断士への期待についてお聞かせください。

福島:経営者の中には、このJ-Net21のサイトを知らない方もいらっしゃいますよね。せっかく良い媒体があるのに、もったいないです。経営に関する良い情報を伝えていくのが私たち士業ですし、中小企業診断士の役割でもあると思います。

また、私たちは数字からのアプローチは得意なため、社員にお金の教育はできますが、それ以上のことはできないこともありますので、今後も中小企業診断士とのコラボレーションはあるでしょうね。

野坂:1つの事業を始める際には、複数の法的な問題が発生します。契約や著作権等、最初の時点で中小企業診断士に前さばきをしていただくことで、企業にとって大きな問題を予防することもできますので、うまく協業していきたいですね。

鳥居:たとえば、外国人が日本で起業する際には、在留資格(いわゆるビザ)を取得する際の書類の1つとして事業計画書を提出しなければならないのですが、中小企業診断士が丁寧にヒアリングをし、アドバイスをしながら書いた事業計画のほうが、ビザだけではなく経営の面でも心強くて良いと思っています。そういった意味で、協業はいくらでも可能だと思いますので、ぜひ私たちに営業をかけていただきたいと思います。

橋本:企業の成長戦略を描くうえでは、経営の専門家を利用する価値は高いと思います。お客様が専門家の利用方法をわかっていなくても、私たち他士業がわかっていれば、中小企業診断士をご紹介することは可能ですよね。

荒:私たちも中小企業診断士については、何となく「経営コンサルタント」と理解してしまっているように思います。ですので、「このようなときに活用できる」ということがわかりやすく示されていると、中小企業診断士をご紹介する機会を増やすことにつながると思います。

(おわり)

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