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中小企業診断士がいざなう“Fintech”への入り口 マネーツリー株式会社 営業本部長 マーク マクダッドさん

取材・文:畑中 剛司松本 典子(中小企業診断士)

【第1回】資産管理を助ける「見える化」のチカラ

2016年9月6日更新(取材日:2016年7月12日)

Fintech(フィンテック)という言葉を耳にしたことがありますでしょうか。FinanceとTechnologyを融合させた造語で、IT技術を応用した新しい金融サービス事業全般を指します。近年、先進的な技術を持つFintech企業が、「資産管理」「融資」「決済」の分野で、大きな変革を起こしています。今回は、Fintech企業の中でもPFM(Private Financial Management : 個人資産管理)を対象とするスマホアプリ"マネーツリー"や、データアグリゲーション1)技術を応用した金融インフラサービスを対象とする"MT LINK"を手掛けるマネーツリー株式会社の営業部長マーク・マクダッド氏に、事業内容や、中小企業診断士と連携したプロジェクトについて取材をさせていただきました。

1)データアグリゲーション:複数の企業が提供するデータを一箇所に集めて、1つのサービスとして利用できるようにすること。

スマホで保有資産を一元管理。資産の"見える化"が社会を変える

― マネーツリー株式会社が創業当初狙っていたことや、これまでの経緯を教えてください。

マネーツリー株式会社は2012年に創業しました。創業当初に狙っていたことは、保有資産の"見える化"です。多くの人は、複数の銀行口座やクレジットカードを持っており、毎月の口座引き落としの管理や、それぞれの口座残高の把握に苦労しています。さらに、電子マネーやプリペイドなどが普及するにつれて、資産管理は複雑になる一方です。こういった状況に対して、資産を一元管理できるPFM(個人資産管理)スマホアプリ"マネーツリー"を開発しました。メインターゲットは、資産管理のマニアではなく、お金の知識があまりない『普通の』個人ユーザーです。この資産管理アプリによって、特別なお金の知識がなくても、スマホで簡単に資産を一元管理できるようになりました。

また、"マネーツリー"を市場にリリースした後、さまざまな企業から「"マネーツリー"が取得したデータを売ってもらえないだろうか」という問い合わせが入るようになりました。それを起点として、企業向けのプラットフォームの"MT LINK"の事業を展開しました。"MT LINK"は、API2)という技術を用い、"マネーツリー"で収集した情報と他企業のアプリケーションと連携した新しいサービスを展開しています。プライバシーの守秘は徹底しており、ユーザーのプライバシーは守りつつ、新しい価値を社会に提供しています。

2)API:アプリケーションプログラムインターフェイスの略語。ソフトウェア開発の際に、一から全てを作るより、APIを利用すればもともとあるプログラムを呼び出して、その機能を組み込んだソフトウェアを開発することができる。
マーク マクダッド

資産管理が社会に提供する価値

― "マネーツリー"や"MT LINK"を通して社会に提供したいことは何でしょうか?

"マネーツリー"では、社会に提供したい価値としては、資産の"見える化"、つまり、ユーザーが所有しているお金の状況把握が簡単にできる、という価値を提供したかった。どの口座にいくらあるか、キャッシュフローがどうなっているか、を見ることができれば、そのデータにもとづいて経営判断ができます。

個人に限らず、個人事業主や小規模事業者に対しても資産の"見える化"の効果は非常に大きいです。事業をしているとよくわかるのですが、資産状況の"見える化"により今手元に何があるかを把握することが、経営判断には非常に重要です。それを気軽にアプリで解決できることは、企業活動の効率化に大きく貢献します。

さらに、"MT LINK"では、他企業の連携を通して、新しい付加価値を生むことで社会に貢献できると考えています。たとえば、現在、会計ソフトを扱う弥生会計株式会社と連携しており、確定申告の際にはマネーツリーに集約された銀行口座などの入出金情報を弥生会計のソフトに流し込むことで、簡単に確定申告書類が作成できるようになります。

使ってみるとその簡単さに驚くのですが、ITを応用した新しいシステムは導入の『入り口』の部分でお客様の心理的なハードルが高いのが課題です。私たちの事業拡大にはこの課題解決が不可欠です。そして、何より使っていただくことがお客様の業務効率化に大きく貢献します。中小企業診断士のみなさんは、業務効率化の『入り口』に導くキーパーソンになりうると考えています。

(つづく)

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