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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

株式会社パール技研 代表取締役 小嶋 大介さん

取材・文:平井 彩子(中小企業診断士)

【第3回】信頼関係を築き、ともに成長する

2016年5月24日更新(取材日:2016年3月10日)

第3回は、中小企業診断士のイメージの変化から、専門家を活用することのメリット、小嶋社長ならではの経営哲学も含めてお話しいただきました。

コマ大戦への参加と中小企業診断士のイメージの変化

― 製造業の方々が参加されている全日本製造業コマ大戦に参加されていますね。

取引金融機関の東京東信用金庫(ひがしん)から、「平成26年秋に『信用金庫"イチオシコマ"全国大会in東京ドーム』を開催します。御社は精密加工が得意ですから、来てみませんか?」と打診がありました。コマ大戦自体、この時点で周囲はかなり盛り上がっている状態でしたので、正直なところ、"いまさら"という思いがあり、参加する気はありませんでしたが、「信金がそれほど勧めるなら」と観戦したのがきっかけです。

― 平成27年のひがしん場所では見事、優勝したそうですね。

取組みから1年で、無事好成績を収めることができ、会社のPRにもつながりました。また、大会を通じて、多くの経営者の方々と知り合い、仕事の受注や発注先の開拓にもつながりました。私にとっては、お客様を直接求める場所というよりは、メーカーさんのネットワークを広げるうえでとても良い機会になりました。

コマ大戦での表彰風景
コマ大戦での表彰風景

― 実は、インタビュアーである私ともコマ大戦を通じて知り合ったわけですが。

もともと、中小企業診断士はもっと堅くて近寄りがたいイメージでいました。これまで、何人もの中小企業診断士に出会ってきましたが、仕事を通じて知り合うことしかありませんでしたので、平井さんに出会って、さまざまなタイプの中小企業診断士がいることを知り、イメージが変わりました。直接仕事の場面以外で出会うため、お互いのさまざまな側面を知り、人となりがわかりますしね。信用の置けそうな方であれば、何かの際はこちらから仕事のお声掛けをしてみようと思うようになりました。

専門家の活用

― 専門家の活用状況をお聞かせください。

当社が再生する過程でご支援いただいた中小企業診断士の方以外に、新入社員研修でも中小企業診断士の方にお世話になっています。先代の頃からの方です。また、社会保険労務士、税理士はもちろんですが、最近は税理士のセカンドオピニオンということで、もう1名知り合いの税理士に相談に乗ってもらっていたりもします。

― 今後もどんどん専門家を活用していかれたいそうですね。

社内のリーダー研修や講習は、プロにお願いするに限ると思っています。自分で講師をやることもありますが、結局身内の話はなあなあで聞いてしまいますので、使い方を誤ると良くありませんね。やはり、外部の視点で意見を言っていただき、緊張感を持って取り組んでもらうほうが効果的です。そしてもちろん、当社のことをよく理解してくださる方に頼むのが一番です。いまは新人研修だけしか定期開催はできていませんが、リーダー研修も少しずつ実施していきたいです。

― 経営の大事な部分で、外部の人に意見をもらうことの意味やメリットをどのようにお考えですか。

それは絶対にプロの知識にはかないません。たとえば、ホームページ1つ作るにしても、ちょっとできる人が作るのと、ちゃんとしたプロが作るのとでは、見た目がまったく違うじゃないですか。その道のプロには、費用対効果を考えて、この方ならと思える人には発注します。

中小企業診断士の方々とも、何か集まりがあれば、積極的に行って知り合いになりたいですね。その中で当然、合う人、合わない人がいると思いますので、お互いを理解して、この人だったら何かのときに相談しようと思える人がいるといいなと思います。

士業だけでなく、仕事は信頼できる相手だから頼むわけです。「こういう課題があるから、どうにかしてください」という人は、ほとんどいませんよね。その課題が何なのかがわかりませんので、「御社はこういった状況なのでは?」とヒントを出してほしいわけです。そのうえで改善方法を提案してほしいですね。経営者に「これをやりなさい」と言ってもなかなか動きませんし、そもそもダメな部分がわかっていれば直せますよ。

外部の人だからこそ、社内を良い意味でかき回したり、経営者を動かしたりできることも多いと思います。

― 信頼関係を大事にするとともに、"ともに儲かる、ともに成長する"ことも大事にされていますね。

同じ製造業の仲間で「この価格でやってあげるよ。金額は合わないけれど、小嶋さんのところだったらやるよ」と言う知人にはよく怒ります。そのやり方なら仕事は出さない、と。当社としてもこれが仕事で、相手に儲けてもらってうちも儲かる体制で仕事を出したいのです。これは、取引先である本田技術研究所さんの考え方です。「おたくも儲かると、うちも儲かる。儲かって設備投資をしてくれないことには、ただの使い捨てメーカーになってしまう。ともに上がっていけるようにしたい」ということは、窓口担当の方も普通におっしゃいます。ですから、自分が仕事をお願いするときも、そうあるべきだといつも肝に銘じています。これは士業の方に頼むときも同じですね。

【お役立ち情報】

(おわり)

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プロフィール

小嶋 大介(さん

小嶋 大介(こじま だいすけ)
1974年千葉県生まれ。大学院在学中の2000年に株式会社パール技研入社。2011年代表取締役就任。金属の精密加工を得意とし、主に、自動車やバイクの金属部品の試作開発を行っている。江戸っ子1号プロジェクトへの参加や全日本製造業コマ大戦への出場などで活動の幅を広げ、その知名度は全国レベルである。