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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

現代版忍びのすゝめ 野人流忍術主宰・甚川浩志さん

取材・文:海老原 雅人(中小企業診断士)仲村 健太(中小企業診断士)

【第3回】日本のマネジメントを形づくりたい

取材日:2016年1月18日

本連載の第3回目である最終回は、甚川さんの現在の仕事および今後の方向性、そして中小企業診断士と一緒にやっていきたいことについてお話をうかがいました。

忍者ブームとは一線を画す現代の忍者

―忍術や日本文化は世界で注目されていますね。

日本発のマネジメントとしてTPS(Toyota Production System:トヨタ生産方式)があります。TPSの導入支援は元々、さまざまなマネジメント支援をする中で携わっていましたが、これは製造業ではないところでも導入できます。海外ではMBAの「算術の経営」に対して、TPSは「人術の経営」なんて言われるのですよ。人の術を大切にすることで、数値の論理では導き出すことのできない「ミラクル」や「イノベーション」を生み出すことから、「忍術の経営」とも言われます。

―忍者の本家・日本でも忍者ブームではありますよね。

TV出演のオファーもいただくことは多いのですが、タレントさんが面白おかしく表現するだけのバラエティはあまりやりたくありませんね。ただ、最近はEntertainment(娯楽)だけではなく、歴史文化、精神修行、自然環境問題、里山文化、新しい生き方や価値観の創造といったExperience(体験)、Education(教育・啓発)の切り口のオファーも増えてきましたので、これからを楽しみにしています。

昨年は日本忍者協議会という組織もできて、ちょっとしたブームかもしれません。しかし、エンターテインメント一色で、全国どこでも同様の忍者ショーやコスプレだけで終わらせてしまうと、ブームが去った後に何も残りません。ですので、私ども「野忍」では、忍者を題材として日本文化を伝えるような活動をしていきたいです。そうすることで、「忍者業界」全体の空気も変わってくると良いですね。

「野忍」は、東京の山里をベースに活動していますが、歴史背景をもとに、忍者の里として地域おこしを目指しているその他の地域から、「文化や教育を盛り込んだプログラムを一緒に作りませんか?」というお声がけもいただいていますので、ぜひお力になることができればと思っています。 また、地域においても忍者以外の外部とのコラボレーションも進めていて、新しい「ことづくり」、「ものづくり」を実現しようと企画しています。

忍者うぉーく山登り
忍者うぉーく山登り

「野人流」極意

―地域活動と忍術教室のため、里山にお住まいなのですね。

私の住まいは里山というより、それを越えた奥山です。私の生活を平たく言うと、山の仕事をやりつつ、企業研修講師もやりつつ、忍者の仕事もやって…。「兼業忍者」といった具合でしょうか (笑) 。

また、この土地には忍者の歴史的背景はあるものの、「野人流」はアウトドア環境の中でマネジメントの本質を追求していこうという完全な造語です。「野人流」は流派に縛られず、どこにでも行けますので、たとえば新潟で何かをやりたい人がいるなら、「それでは、上杉の歴史を紐解いてみましょう!」といった動きができる。伝統的な流派にはできないコーディネーター的なことができるんです。

海外の忍者とワンショット
海外の忍者とワンショット

中小企業診断士、もとい、「企業忍者」

―コーディネートをしたり、マネジメントの研修をしたり、甚川さんは「忍者版中小企業診断士」ですね!

いやいや。でも、中小企業診断士という資格も忍者のような資格ですよね。士業は元々武士の職能資格で、法律で決まった業務が基本ですが、同じ士業でも堅苦しくなく、柔軟という意味で中小企業診断士は特殊ですよね。武士道と忍術の関係に似ています。

さらには、中小企業診断士は裏の立場に徹する仕事で、表に出るのは経営者です。まさしく忍者ですよね。この際、「中小企業診断士」ではなくて、「企業忍者」にしましょうか(笑)。

―そんな企業忍者(笑)を、どのように活用されたいとお思いですか。

実は昔、中小企業診断士試験を受けたことがあるのですよ。でも、自分にはあれだけたくさんの試験科目は勉強できませんでした。だからこそわかるのですが、中小企業診断士は世の中の仕組みや原則をちゃんと勉強しています。日の出町(東京都)など地域の活動で私は1コンテンツを提供していますが、中小企業診断士の方には地域活性の全体をコーディネートしてもらっています。また企業研修も、アウトドアを取り入れた忍者研修で組織や企業風土を変えていくところまで持っていきたいと思っていますので、ここにも中小企業診断士の力が必要です。

もっと広く言うと、私は日本全国で流派にかかわらず、忍者をテーマとした地域のコーディネートをしていきたいのです。さらに、日本文化を経営に取り入れる考え方も普及したいと思っています。これには、中小企業診断士の方に補完してもらいながら、タッグを組むほうが断然良いと思っています。一緒に新しい日本のマネジメントの形を創っていければと思いますので、ぜひお声がけください。

(おわり)

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