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取材・文:伊藤 隆光(中小企業診断士)小泉 岳利(中小企業診断士)

【第2回】毎週のようにイベントが行われる商店街

取材日:2015年12月12日

前回は、しもきた商店街が現在のような活動を始めた経緯について伺いました。第2回は、下北沢大学の実際の活動と、(株)ハッスルしもきたについてお話しいただきます。

最初は「天狗まつり」しかなかった

―下北沢大学を始めても、急に状況が変わったわけではありませんよね。

柏 下北沢大学を始める前に商店街がやっていたイベントは、年に1回の「しもきた天狗まつり」だけですね。以前は、売り出しなどはやっていましたが、ほかのイベントはやっていませんでした。

それが、大学を始めたことをきっかけに、「一緒にやりませんか?」というお話をあちこちからいただくようになりました。今では年々、定期的に継続するイベントが増えている感じですね。気づいたら、イベントは年に約50件にもなっているので、ほぼ毎週何らかのイベントが行われていると思います。
また、イベントだけではなく、デザインの専門学校や大学などからは「一緒に授業を作りませんか?」というお話もあり、共同で学校のカリキュラムを作ったりしています。

商店街理事長の柏さん
商店街理事長の柏さん

―今日も、駅を降りたらいい匂いがしていました。

辻 「気仙フェア」というイベントを年に4回行っているのですが、今日はちょうどその日なのです。実は、このイベントの企画や実行、運営などは、ほぼ1人の実行委員がやっています。下北沢大学では、企画を考えた人がアイデアを持ち込み、大学のメンバーで話を聞き、面白そうだったら「じゃあ、やりましょうか」となります。

逆に「そんなに簡単に決められちゃうんですか?」と驚かれますね。商店街振興組合の理事会には事後承諾で理解してもらっています。もちろん、責任は負いますが。そこが、ほかとの一番大きな違いかもしれません。

お金を出さずに変わったことをやる

―イベントを運営する費用は、どのように工面しているのですか。

柏 イベントは、企業の協賛や参加者からの参加費などで運営していますし、実行委員はボランティアですから、商店街からの支出はほとんどありません。でも、企画側にとってはイベントを通じて下北沢の街を触ることができるという醍醐味、企業にとっては首都圏での販路開拓や認知向上、参加者にとっては面白いイベントに参加できるというメリットがあると思います。

また商店街にとっても、商店街だけでイベントをしようにも、ここまで手は回らないですし、動くこともできません。このようにしてイベントが増えてきた結果、「下北沢に行けば、何かができる。何かをやっている」という流れができているのかなと思います。それが今、いい方向に向いているのではないでしょうか。

左から気仙フェアを切り盛りする、下北沢大学実行委員の鍛冶川さんと気仙エリアの方
左から気仙フェアを切り盛りする、下北沢大学実行委員の鍛冶川さんと気仙エリアの方

―課題などはありますか。

辻 ボランティアでやっている外部の運営委員に、何らかの還元ができるようにしていきたいですね。また、商店街の組合員を置いてけぼりにしてしまっている部分があるので、たとえばもっとイベントの内容や趣旨を事前告知するなどのフォローが必要だと思っています。

今は、自分の商店街でイベントをやっているのに、「何のイベントをやっているんだ?」という状態になっています。企画側はイベントの運営や実施などに気が行ってしまい、イベントの事前告知までは手が回っていないのが実情なのです。その点を改善できれば、手伝いたいという店舗が増えるかもしれないし、「こんなのをやりたい」という声も出てくるかもしれません。

商店街が100%出資した株式会社

―「大学」だけでなく、今度は「会社」も設立されたそうですね。

小清水 「(株)ハッスルしもきた」ですね。こちらは本物の「株式会社」です。
法律上、商店街振興組合にはできることとできないことがあります。たとえば行政からは今後、歩道や広場などの管理を民間の法人に任せるかもしれないという話が出ていますが、このような業務は商店街振興組合では請け負うことができません。ですから、今から法人を作っておかないと、行政が商店街の歩道などの管理を他の地域の法人に任せてしまう可能性もあります。このように「商店街」ではできないことを、商店街が100%出資した「法人」でやっていこうと思って設立しました。

―この会社では、そのほかにどのようなことを目論んでいるのでしょうか。

小清水 まだ多くを発信できる状態ではありません。でも、たくさんのアイデアがあって、水面下では一部動き始めているものがあります。たとえば、地ビール事業などもその1つです。

(つづく)

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