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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

住んでいる人、働いている人、さまざまな年代、「みんなの下北沢」/しもきた商店街振興組合

取材・文:伊藤 隆光(中小企業診断士)小泉 岳利(中小企業診断士)

【第1回】ポジティブなデザイン要素で街を変えていく

取材日:2015年12月12日

商店街は、資金不足、マンパワー不足など常に慢性的な課題を抱えて活動しています。その中でしもきた商店街振興組合では「クリエイティブな分野で活躍する人々が多く集まる街」という地域の特性を活かし、さまざまな組織との連携を図りながら地域全体を複合的に活性化しています。それらの取組みが評価され、「第8回東京商店街グランプリ」にてグランプリを受賞するなど、注目を集めている商店街です。

今回は、しもきた商店街振興組合の理事長・柏雅康さん、同副理事長であり商店街100%出資会社「(株)ハッスルしもきた」の代表取締役社長でもある小清水克典さん、そして同理事であり「下北沢大学」の実行委員長でもある辻貴之さんに現在の活動や中小企業診断士に期待することなどを伺います。
第1回は、下北沢大学が誕生した経緯を中心にお話を伺いました。

街が変わり、商店街がさびれてしまう

―しもきた商店街はさまざまな特徴のある活動をされていますが、始めたきっかけを教えてください。

柏 下北沢に電車で来られるとわかりますが、現在この周辺では大掛かりな工事が行われています。1つは、小田急線の下北沢駅を地下化する工事。もう1つは、富ヶ谷から祖師谷に抜ける“補助54号”という都市計画道路を新設する工事です。これらの工事により、商店街が物理的に大きく変わってしまうという危機感があったと思います。

また、20年近くの工事期間中はずっと現場の壁や仮囲いで覆われるので、下北沢自体も、町としてのポテンシャルが落ちてしまうのではないかという懸念がありました。

(左から)辻さん 小清水さん 柏さん
(左から)辻さん 小清水さん 柏さん

―商店街のお店も減っているのではないでしょうか。

柏 確かに商店街組合の組合員は減り続けています。ピーク時は200店舗くらいあったのですが、今は都市計画に伴う買収などで150店舗くらいになっています。今後も補助54号線にかかる店舗があるので、もっと減ってしまうでしょう。

ですから、「今までどおりのことをしていたら、うちの商店街がさびれてしまう」という強い危機感から、何か新しいことをできないかと思っていたというのが基本的なきっかけですね。

そこで、たとえば組合員を増やす方策として、未組織の隣接エリアの方たちに仲間になっていただく活動もしています。しかし、そのためには「しもきた商店街」が魅力ある商店街でないと、未組織のエリアの方に「組合に入りたい」とは思っていただけないので、まずは商店街の魅力づくりが必要でした。

下北沢大学が転換の契機に

―どのような形で魅力づくりを進められたのでしょうか。

小清水 事業としての最初の取組みは、2010年8月に始めた下北沢大学です。以前、商店街の中のアパレル店で「下北沢大学」と書かれたジャージを売っていたのですが、これが格好良かったので、何かイベントにできないかと考えていたのです。音楽祭や演劇祭だと、音楽や演劇しかできないじゃないですか。でも大学であれば、学部を増やせば何でもできるので、発展性もあると考えました。

下北沢大学は基本的に、モノづくりやアート、デザインのお祭りです。工事期間中は、壁や仮囲いなどの“ネガティブなデザインの要素”がいっぱい出てくるので、それを“ポジティブなデザインの要素”で変えていこうと思い、企画しました。デザインやモノづくりやアートの力で、ワクワクした街を作ろうということです。

でも、商店街の組合員だけではアイデアが出てこない。また、イベントをやるにしても、今は皆、商店街活動をあまりやりたがらないので、人も出てきません。そうであれば、「できる人」や「やりたい人」を実行委員にして、その人たちにやってもらえばいいのではないかと考えました。

「下北沢大学」のジャージを着る辻さん
「下北沢大学」のジャージを着る辻さん

―実行委員はどれくらいの人数ですか。

小清水 はじめの頃は14人くらいのうち、商店街の人は4人だけでした。そのほかは、下北沢が好きであるとか、下北沢のポータルサイトを作っているとか、イベンターなど外部の人です。そういう人たちが集まって、デザイン専門学校と組んだりしながらイベントを運営しました。

その後はいつの間にか機能が大きくなり、今はどちらかというと商店街の下に下北沢大学という組織があるような状態ですね。そして、下北沢大学がさまざまなイベントを実際に企画・運営して、商店街としては実行委員になっているメンバーがジャッジメントをするくらいですね。

(つづく)

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