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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

専修大学商学部教授・渡辺達朗さん

取材・文:川名 麻衣(中小企業診断士) 山田 晃裕(中小企業診断士)

【第1回】成果を出すことが地域も学生も成長させる

取材日:2014年12月3日、2015年1月30日

最近、大学のゼミナールと中小企業診断士が協働でまちづくりの支援を行うケースが増えています。その中でも、積極的に地域の商店街と密着して活動している、専修大学の渡辺達朗先生のゼミナールについて、詳しくお話を伺いました。

学生が地域と連携して何を残せるか、何を学べるか

― 渡辺先生の率いる専修大学・渡辺達朗ゼミについて教えてください。

渡辺達朗先生
渡辺達朗先生

本ゼミは、流通システム・マーケティングの革新に関する研究がテーマです。マーケティング論と流通論について、現実の企業・組織に関する事例をできるだけ多く取り上げて研究しています。

ゼミ生は、2~4年生の50名ほどが在籍しています。川崎市中原区にある新丸子商店街や、川崎市多摩区にある区役所通り登栄会商店街振興組合、さらには埼玉県秩父郡にある長瀞町商工会の方と一緒に連携するなど、実例にかかわりながら学び、そして成果を出すことを重視しています。

地域などでは、若い学生が入って提案をするだけで喜んでもらえることが往々にしてあります。しかし、それだけではお互いが不幸になってしまいます。一緒に活動した先に何を残せるか、そして学生が何を学べるかを常に意識しています。

そのために、学生に対しては、理論というバックボーンを持ち、それに基づいて分析をし、その分析結果をもとに提案をするよう指導しています。そうしたプロセスを、自分でギリギリまで懸命に考え、提案に落とし込むことで初めて、相手にとってヒントとなるものが生まれ、学生自身にとっても勉強になります。ゼミでは、その部分を身につけてほしいと思っています。

流通や商業の分野に限らず、その基盤となる知識や理論は、常日頃から新聞や情報番組などを活用し、広く情報を集めて考える力をつけるよう伝えています。考える力がつけば、目の前で起きていることを分析し、新しい良い提案をする力がつくと思います。

― 先生のゼミで活動をすることにより、どのようなことを学んでほしいと考えていますか。

渡辺ゼミの様子
渡辺ゼミの様子

ゼミ生には、自主性を身につけてほしいと思っています。こちらから大枠の課題を提供しますので、その中で具体的な課題を見つけ、実際に自分たちが何を行えばよいのか計画を立て、そのプロセスに沿って行動してほしいです。

学生が自分たちの力で組み立て、その動きの中で軌道修正をかけるのが私の役割だと思います。ハードルの高いことを求めていると思ってはいますが、その中でたくさんのことを学んでほしいと考えています。

もう1つは、きちんと挨拶をし、周りに気配りができるようになってほしいです。コミュニケーション能力をつけたいと話す学生がいますが、挨拶がしっかりできなかったり、うつむいたまま話をしたりする姿が見られますので、そこからコミュニケーションが始まることを理解してほしいと思います。

本ゼミでは、外部の大人の方とご一緒することも多々あります。そうした場面で、しっかりと挨拶や気配りができる学生は、将来働くうえでも大いに役立つでしょう。

地域との連携活動の継続性をいかに担保するか

― 商店街などの実例を通してゼミ活動を行うことで、課題と感じていることはありますか。

ゼミという形で活動を行っていますので、どうしても代替わりが起きてしまいます。活動期間は2年生後期~3年生がメインですので、1~1年半の付き合いとなってしまうのが現実です。その限られた期間の中で、ゼミ生がどれだけ達成感や成果を得て、やって良かったと思えるかが勝負です。ゼミの中で学び、良い形で気持ちを切り替え、就職活動につなげていければ、私としては成功だと考えています。毎年、その点ができるかどうかを気にかけています。

また、プロジェクトにかかわっていただいた方たちにとっては、ゼミ生と良い関係を築き、理解が深まってきたところで、次のゼミ生と入れ替えになってしまいます。そのため、継続性をどう担保するかが課題です。 現在はその課題に対し、中小企業診断士の方が、地域の方々とゼミ生との橋渡し役になってくださり、非常に助かっています。

【お役立ち情報】

(つづく)

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