経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

銀座セカンドライフ株式会社代表取締役・行政書士 片桐実央さん

宮脇 幹太(中小企業診断士)

【第1回】起業家の立場から見た中小企業診断士

取材日:2013年11月20日

今回、お話をうかがうのは、50~60歳代を対象とした「シニア起業」支援の専門家として、全国から注目されている片桐実央さんです。2008年に27歳で会社設立後、起業コンサル・事務サポート、レンタルオフィス運営、起業家交流会やセカンドライフ起業セミナーの開催など、着実に事業を拡大してきました。これまでに5,000人を超える起業支援実績を持ち、その事業はテレビ、新聞、雑誌など多くのメディアで取り上げられています。起業家、経営者、起業支援専門家という3つの立場から、中小企業診断士に対する期待や要望についてうかがいました。

起業までの道のり

― 最初に、ご自身が起業するに至った経緯を教えてください。

片桐実央さん

もともと法律に関心がありましたので、大学は法学部に進み、職種別採用で法務部配属が決まっていた花王に就職しました。希望どおり、事業展開の際の法的なアドバイスや契約書作成などの業務を担当していたのですが、祖母が認知症になり、介護をしたことがきっかけで、シニアを支援する仕事をしたいという気持ちが芽生えてきたのです。

ただ、シニア支援といっても、具体的に何をするかはすぐには思いつかず、漠然と起業支援にかかわることをイメージしていました。そこで、法律だけでなく、会計や金融についても学ぶ必要があると思い、大和証券SMBCで経験を積んだ後、本格的に起業準備を始めました。

― 具体的には、どのような準備をされたのでしょうか。

専門家として起業するには、国家資格を持っていたほうがよいと考え、行政書士とファイナンシャルプランナーを取得しました。それから、いまはもうなくなりましたが、創業サポートセンターで3ヵ月間、起業のための公共職業訓練を受けました。そこで指導を担当してくださった先生が、中小企業診断士だったのです。この職業訓練を経て、2008年7月に銀座セカンドライフ(株)を設立し、事業を開始しました。

大きかった"メンター"の存在

― 創業サポートセンターでは、どのような指導を受けたのですか。

受講者4人くらいのグループに、指導役の中小企業診断士の先生が1人ついてくれました。会社経営に関する座学もひととおりありますが、それに加えて起業に向けた活動について、週1回のペースで、進捗状況をその方に報告することになっていました。そのため、毎週、何らかの結果を出さなければいけないという良い意味でのプレッシャーになり、起業準備にメリハリをつけることができたと思います。3ヵ月という限られた期間の中で、定期的に相談する時間を設けていただいたことが、アイデアを具体化していくうえで非常に役立ちました。

― そこでの中小企業診断士の役割は、どのようなものだったのでしょうか。いろいろとフィードバックを受けていたのですか。

片桐実央さん

起業を目指す人たちのメンター的な立場ですね。一方的に「こうしなさい」と言うのではなく、私の考えや希望に耳を傾けてくれて、次は何をやるべきかを一緒に考えて助言していただきました。私にとって良かったのは、活動を否定されるのでなく、フィードバックや問いかけを通じて、いまの自分に足りないものを気づかせてくれたことです。毎週の報告の際、客観的に振り返りができて、自分が本当にやりたいことや、今後の課題などが少しずつクリアになっていきました。

その頃は、起業に向けて情報収集や下地づくりなどの活動を始めたばかりでしたので、結果を出しにくい状態が続き、誰かに相談しないとモチベーションを保てない時期でした。そうかといって、専門家に相談するレベルの悩みではありませんし、家族など身の回りの人と共有できるようなことでもない。そういうときに、課題や悩みを共有してくれ、一緒に目標を考えていただけるメンターの存在は、非常にありがたかったですね。

起業への背中を押したもの

― そうして何度もやりとりをしながら、ご自身の起業する分野を決めていかれたのですね。

事業計画書も、先生が見てくれていたから、きちんと作ったという感じですね(笑)。収支計画や設立形態などに悩みながら、何度も計画書を見直していきました。自分の事業計画を外部でプレゼンするきっかけを作ってくれたのも先生です。インターネットで調べて、シニアが集まるNPO団体のイベントがあることを教えてくれたんですね。「とりあえず行ってみたら?」と勧められて参加したのですが、これが自分の事業計画を説明する最初の機会となりました。結果的にそこで人脈ができ、実際のビジネスにつながっていったのです。そのように、「機会は自分で調べて見つけていくものだ」と教えていただきましたね。先生には、私のパーソナリティや実力を見極めながら、見守っていただいたと感謝しています。最後は、起業にあたって背中を押していただいたという感じです。

(つづく)

【参考ホームページ】

片桐 実央(かたぎり みお)
1980年千葉県生まれ。銀座セカンドライフ株式会社代表取締役、行政書士、CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。学習院大学法学部卒業後、花王株式会社、大和証券SMBC株式会社(現・大和証券株式会社)に勤務。祖母の介護をきっかけに、2008年7月、銀座セカンドライフ株式会社を設立。一生を通じて生きがいを感じる、充実した生活を実現するための「シニア起業」支援をワンストップサービスで行う。NHK、テレビ東京などのテレビ出演、新聞コラム連載、雑誌執筆など多くのメディアで活躍中。著書に『「シニア起業」で成功する人・しない人~定年後は、社会と繋がり、経験を活かす~』(講談社+α新書)。
銀座セカンドライフ株式会社ホームページ http://ginzasecondlife.co.jp/
レンタルオフィス アントレサロンホームページ http://entre-salon.com/
起業家交流 アントレ交流会 http://ginza-entre.com/