経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

パナソニック エコソリューションズ創研株式会社

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第2回】経営者の悩みに対応できるのは、中小企業診断士の強み

取材日:2013年5月8日

第2回は、企業内に中小企業診断士受験講座を立ち上げられた柿木俊之さんにうかがいます。

企業内に中小企業診断士講座を開設した理由

― 御社では、パナソニックグループの社員さんを対象に、独自に中小企業診断士受験講座を実施しているとうかがいましたが、その経緯を教えてください。

柿木俊之さん
診断士講座を立ち上げた柿木俊之さん

中小企業診断士の受験校で主任講師をされている方に、以前から社員研修の講師をお願いしていたのですが、その方から、「うちの受験校に、パナソニックグループの皆さんがたくさん、勉強に来ていますよ。それなら、インハウスで開催されたらよろしいのではないですか」とご提案いただいたのがきっかけです。「そんなに多くの社員が、中小企業診断士という資格を目指しているのか」と驚き、勉強の内容を調べていくうちに、理由がわかってきました。

当社のミッションは、親会社であるパナソニックの業績向上にいかに貢献するか、ということです。中小企業診断士は、「経営全般」をみる能力を問う資格ですが、当社の研修コンテンツには、長期間かけて「経営全般」をみる力を養成するものは存在しませんでした。この資格取得を推進することは、パナソニックグループにおいて、いままでになかった人材育成方法になるのではないか、と思いました。そして、「やるからには少なくとも3年は続けて、結果を出したい」という思いで、平成21(2009)年に開講しました。

― 中小企業診断士講座を開講してみて、いかがでしたか。

募集当初は、定年後に診断士資格を活用することを期待して、おもに50代の方が来られるのでは、と予想していました。でも実際には、若い、それも営業、生産技術、品質管理とさまざまな職種の社員が来ました。予想が外れて、逆に嬉しかったですね。受講理由を若い人に尋ねると、環境的に不安定な中で自分に自信をつけたい方、資格を取得して職種を変えたい方、営業でバリバリ仕事をしているが、もっと視野を広げたい方、とさまざまでした。

― 柿木さんご自身も、勉強されているとうかがいました。

講座には、パナソニック エコソリューションズ創研の社員も年齢を問わず、大勢参加しています。私たちは、顧客企業に対して研修やコンサルティングをコーディネートすることが仕事です。資格の勉強で得られる知識によって、幅広い視点でクライアントの課題を把握する力が向上するとわかったからです。また、講師が提供するコンテンツを、体系立てて評価することもできるようになります。講座を立ち上げた当時の社長もバックアップしてくれ、「創研の人間は、全員受けろ」ということになりました。

― 開設以来、合格者はどれくらい誕生したのでしょうか。

松本富雄さん
インハウス講座で合格された松本富雄さん

講座は、社員のみを対象に、大阪本社の教室まで講師に来ていただき、講義をしていただいています。テレビ会議システムを使い、東京の研修センターでも、通学で受講できるようにしていますが、10月開始で1年間、土日を使って年間48回の講義を行います。

現在は4年目に入りましたが、第4期の受講生は約25名です。開講以来の2次試験合格者は4名ですが、一発合格は難しく、2年目で合格した方がほとんどです。

実は、地頭力の高いパナソニックの受験生が、一流の受験校から派遣された先生の指導の下で受験するのですから、平均的な合格率を超えるのでは、と期待していました。でもいま、そうなっていない理由は、「何が何でも合格してやるぞ」という強い思いを持った社員が少ないからだと思います。診断士資格を取って独立するぞ、転職するぞ、いまよりも高い収入を得るぞ、という強い思いで臨まれている受験生に比べると、合格に対する思いで負けてしまっているように思います。

中小企業診断士に研修講師を依頼する理由

― 企業研修の講師にも、中小企業診断士を多く活用されているとうかがいました。その理由は、どういったことでしょうか。

一般的に、ビジネスパーソンに求められるスキルは、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチャルスキルの3つに大別されます。当社が提供する研修は、すべてを網羅していますが、中小企業診断士にはこのうち、おもにコンセプチュアルスキルを高める研修をお願いしています。論理的な思考力、課題発見・解決力、戦略的思考力の向上がその中心となりますが、こういった研修には中小企業診断士が適してるのではないかと、私は経験上、思っています。

多くの顧客企業から、自律考動型社員を育てたいというご要望をいただきます。こうした要望に応えるために、コンセプチャルスキル向上を狙いとした研修を企画し、中小企業診断士に講師をお願いすることがよくあるのです。

私たちは多くのOB講師を有していますので、テクニカルスキルは彼らにお願いすることが多いですね。現場でのノウハウ、スキルの的確さは、彼らに勝る者はいません。しかし、体系立てた教え方は、やはり中小企業診断士のほうが上手だなと思うことがあります。ですので、最初に中小企業診断士の講師に体系的に全体像を講義してもらい、次にその現場に精通したOB講師が引き継ぐ、そういったコーディネートができないかと考えています。中小企業診断士の持つ幅広い業界の情報と、現場ならではの情報を組み合わせることを、私たちがコーディネートできれば、さらに良いコンテンツができるのではないかと思っています。

― さらに、中小企業診断士に期待したいことをお願いします。

柿木俊之さん
「診断士に期待している」と語る柿木さん

私の顧客の半分強が、パナソニックグループの連結会社や、電設資材や住宅建材の販売チャネル内の中小企業です。中小企業診断士が、第1次試験の7科目で得た知識等をフル活用できるのは、やはりコンサルティングだと思います。さまざまな社長の悩みに対応できるのが、中小企業診断士の強みだと思います。

しかし、当社で経営全般のコンサルティング依頼を受けることは、まだまだ多くありません。当社自体にそのニーズに対応する力も不足していますし、経営全般を支援できるノウハウを持った中小企業診断士に、まだあまり多くめぐり会えていないということもあります。しかし、お客様の経営者から、そうしたオールマイティの対応を求められていることは感じます。そのオールマイティの提供に、中小企業診断士には今後も期待しています。

(つづく)

柿木 俊之(かきのき としゆき)
パナソニック エコソリューションズ創研株式会社 西日本開発センター・集合研修センター センター長。昭和52(1977)年に松下電工(現・パナソニック株式会社 エコソリューションズ社)入社、技術開発・商品開発に27年間従事した後、経営企画を4年経験後、現職。

会社名 パナソニック エコソリューションズ創研株式会社
設立 平成4(1992)年6月
代表者 代表取締役社長 加藤 憲男
大阪本社所在地 大阪府門真市大字門真1048
TEL 06-6908-6863
FAX 06-6907-3426
東京研修所所在地 東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル26F
TEL 0120-149-327
FAX 0120-149-329
ホームページ http://www.panasonic.co.jp/es/pesbct/